としおの読書生活

田舎に住む大学院生であるとしおの読書記録を綴ります。主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にも旅行やパソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

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『終電の神様』の続編である『終電の神様始発のアフターファイブ』が発売されていたのでさっそく購入してしまいました。

本作も終電の後にどのような素敵な物語が起こるのか楽しみで読む前からわくわくしてました。

本記事にはネタバレも含まれますので未読の方はご注意ください。



終電の神様 始発のアフターファイブ
この夜は神様からの贈り物かもしれない——
シンガーを夢見て上京した女の子(「スタンド・バイ・ミー)、終電でラブホテルに出勤する元商社マン(「始発のアフターファイブ」)、深夜の電車で寝過ごした彼女(「終電の女王」)……。終電が去り始発を待つ街で起きる、ささやかだけれど、かけがえのない5つの奇跡。読めば涙と希望が湧いてくるベストセラー『終電の神様』待望の書下ろし続編!



始発のアフターファイブ

あらすじ

この物語の主人公は元商社マンの荘二郎だ。荘二郎は優秀な商社マンとして働いていたが50代のときに部署異動にあってしまい、新しい部署の仕事で大きな損失をだしてしまったことで自身のプライドが傷ついてしまい自主退職した。

その後、ラブホテルで働くようになり、週に6日働きその中で金曜日だけは毎週終電で出勤する。

ある金曜日、荘二郎の仕事は早めに終わり始発の電車をいつも通っているカフェで待つことになった。そのカフェで近くの席に座っていたキャッチのナイジェリア人たちがそろそろ自国に戻ろうと思うが日本の彼女にアメリカ出身であると嘘をついているのでスラム街であるマココには連れて帰ることができないという話が荘二郎の耳に入った。

その話を聞いた荘二郎は自分も元商社マンで海外での暮らしが長かったため日本や他の国で仲良くなったガールフレンドに自分と一緒に来てほしいと言えなかったことや、商社マンとして自分の人生がしたことを思い返す。

始発の電車の時間が近づいてきたころカフェに一人の女性がやってくる。それは先ほどのナイジェリア人の彼女だった。彼女はナイジェリア人がアメリカ出身ではないことを知っておりどうして本当のことを言ってくれないのかそのせいで自分もあなたの国についていくと言い出せないと言った。

その話を聞いた荘二郎はナイジェリア人たちに「私もマココに行ったことがある、マココ生まれの友達はアラカ地区に家を買って幸せに暮らしている」とだけ言い店を出ていった。

店を出た荘二郎は同僚の八神と偶然会い八神を朝食に誘う。二人は疲れた顔をした人が出勤する中、夜に働く人間だけが許される午前5時からのアフターファイブに出かける。


感想

ナイジェリア人と日本人のカップルは荘二郎がナイジェリアに行っても幸せに暮らすことができるという通り掛けのアドバイスをしたおかげで今後も二人で幸せに暮らせるような気がしますね。

また物語の最後に八神と午前五時からのアフターファイブを満喫しに行くが、今後も二人は一緒にアフターファイブを楽しむ関係になりゆくゆくは恋愛へと発展する気がします。これも終電後の街でナイジェリア人に出会えたことと始発前に八神を見つけたからこそ起きた奇跡ですね。

荘二郎は作中では商社マンから転落したことに悲観的でしたが人生を楽しむという意味ではこれからの人生のほうが商社マンをしていた頃よりも充実しそうです。



スタンド・バイ・ミー
あらすじ


この物語の主人公はミュージシャンを目指すために岩手から上京してきた岩谷ロコです。ロコはストリートライブで自分の実力を試すために岩手から東京に来たが新宿など人通りが多い場所では歌うことができず東京に来た初日は自分の目的とはうらはらに歌わずに終わってしまう。

その夜公園にいると一人のホームレスが高校生から暴力を受けているのを見かける。それを見て居ても立っても居られなくなったロコはそのホームレスを助けに行った。

ホームレスの名はワタナベワタルといい、ワタナベはロコのギターを見ると弾かせてくれないかと頼んできた。最初は躊躇したロコであったがワタナベが楽器の価値が分かる人間だと分かると楽器を演奏することを承諾した。ワタナベの演奏はとても気持ちのいいものだった。

ワタナベの演奏が終わったあとロコはワタナベに東京に来た理由を話し、一人では歌うことができないから一緒に歌ってくれないかとお願いする。

一緒に歌うことになったロコとワタナベはストリートで歌う前に夜の間にカラオケで打ち合わせをすることになったが、その前にワタナベの身なりを綺麗にするために銭湯にいった。

銭湯からあがりカラオケボックスに向かう道で終電で帰ろうとする人たちとロコとワタナベはすれ違う。

カラオケボックスに到着し始めは見知らぬ男性と一緒にいることに緊張していたロコだがワタナベの演奏に合わせて歌い始めると緊張もなくなり音楽のすばらしさを感じる。

始発の時間の少し前に二人はカラオケボックスを出てストリートライブの会場へと向かう。誰もが始発の時間からライブなんてしないだろうと思っている中、ワタナベの「スタンド・バイ・ミー」の演奏に合わせてロコは歌いだす。

歌い始めると通り過ぎていた人が振り返りライブの終わりには歌を聞いていた人が投げ銭までいれてくれた。

ライブを終えた二人は分かれるがワタナベはロコに「歌っている君をまたこの町で見つけるよ」といいロコはそれに対して「ありがとう」とお礼をいい二人は別れていく。

ロコが東京で住むところを探して、いつかワタナベが自分を見つけられるようにワタナベのコードに歌詞をつけることを決意する。


感想

「スタンド・バイ・ミー」は意味は違うが帰るところのない二人の物語でした。

作中ワタナベは落ちるところまで落ちるとなかなか立ち直ることができないと言っていたがこのロコとの出会いをきっかけに生活が変わってほしいと思う。物語を読んでいて自分はロコのようにいじめられているホームレスを助けることができない人間だと思うのでそんな自分に少し嫌気がさしてしまった。

それにしても音楽の力の偉大さが分かりますね。ワタナベとロコのどちらか片方が音楽に興味を持っていなければこの素敵な物語は生まれなかったでしょう。ロコとワタナベの二人の別れ際はあっさりしていたが、それは二人がまた再開できると信じあっているような気がしていていいですね。ロコが東京の町で歌い続けていつかワタナベと再開する日がやってきてほしいな。




初心者歓迎、経験いっさい不問
あらすじ


この物語の主人公は加奈と茜で舞台は夜の街歌舞伎町です。加奈と茜は歌舞伎町にある定食屋「市彩」で出会い仲良くなりました。二人には東日本大震災の後に職を失い歌舞伎町で働き始めたという共通点があります。

加奈はもともと東京で働いており震災の被害には遭わなかったのですがそのしばらく後に働いていた事務所の先生が脳梗塞で亡くなってしまい、仕事をやめることになりました。その後縁もあったことから歌舞伎町のバーで働き始めます。

一方茜は震災前は仙台で働いていたが被災にあったことが原因で職を失い、色々な人に被災にあった心配をされるのが嫌になり周りの人間が身元などを気にしない歌舞伎町に逃げてきました。歌舞伎町に来て最初の1月は貯金を切り崩し暮らしていましたが貯金がつきかけたころ茜は仕事を始めようとします。

茜が新しく働こうとした職場はクラブのホステスでした。しかも茜が働こうとしていた場所は<かまんベイベ>という名前のオカマのショーパブでした。東日本大震災の被災者を受け入れようとするチラシを見たり、実際にそこで働いている被災者を見たことで<かまんベイベ>で働きたいと思ったみたいなのですが、面接に行ってみると案の定男性でなければいけないと言われてしまいます。しかし、被災者であるという事情を話すとオーナーは系列店の<クラブ・ミューズ>というお店を紹介してくれました。

茜が<クラブ・ミューズ>で働き始めて約7年がたったころ、茜は実家に一度戻ると言っていらい「市彩」に顔をださなくなって三か月がたちます。加奈をはじめとした店の常連が茜を心配しているなか、加奈は<かまんベイベ>に当時茜が憧れていた被災者の人ならば何か知っているかもしれないと思い、<かまんベイベ>に行き被災者をさがすことを決めます。

もしかしたらもう店で働いていないかもしれないという不安もあったのですが店を訪れてみるとその被災者である閖上ユリィはまだ働いていました。ユリィと話そうと一万円札をだしユリィのブラの間に札を挟んだタイミングで加奈を呼ぶ声がした。

振り返るとそこには茜がおり隣には茜と男性がいた。その男性は茜の兄で閖上ユリィの友人だった。

その後「市彩」に戻り茜に事情を聞くと最初は被災にあった父の葬儀を行うために帰っていたらしい。しかし、いざ帰ってみると兄がギャンブルにおぼれていてその借金の処理などに時間がかかっていたようだ。また今日はそんな兄を見て立ち直らせるために歌舞伎町に遊びに誘ったようだ。

朝になり茜探しに協力してくれたホストの佐藤と茜と加奈の三人でイタリアンレストラン(サイゼリヤ)へと出かけていく。


感想

歌舞伎町などの夜の街で働く人間を中心とした話でしたが、この物語を読むと夜の街で働く人間の多くに信念がありもうバカにできないですね。今まで夜の街では働きたくないなんて考えていた自分が少し情けないような気がする…。

茜の兄が<かまんベイベ>で高校のときの同級生と再会したおかげで立ち直ることができそうですね。兄は母のこともあるだろうし歌舞伎町で働くということはないだろうがこれからギャンブルをやめて働くことができそうで安心しました。

それにしても茜のような周りの人間に好かれる人は憧れますね。茜が心配で多くの人が茜を探すのに協力してくれましたがここまで人望があるのが羨ましいです。

歌舞伎町のような終電が出てしまった後もにぎわう街には本当に神様がいるような気がしますね。



終電の女王
あらすじ


この物語の主人公は会田和也です。和也は博士課程を卒業してそれから数年はオーバードクターとして大学に残ったが結果が残せず最終的に民間のソフトウェア開発を行っている会社に就職した。

そんな彼のもとに夜中1時過ぎに突然電話がかかってきた。電話の相手は元カノの麻里だった。麻里から和也に電話をかけてくるのは4年ぶりのことだった。電話の内容は飲み会帰りの終電で寝過ごしてしまったということだった。

当時付き合っていた時も麻里が終電で寝過ごしてしまうことがあったようで、和也は電話を受けて付き合っていたころならどんなことよりも優先して麻里を車で迎えにいっていたことを思い出す。

今の和也は麻里の彼氏ではないので迎えにいく義理はない。しかし、電話で話している途中麻里からの電話が突然切れてしまい和也はその原因が麻里の携帯の電池が切れたということに気が付いた。

迎えに行くか悩んだあげく学生時代から乗り続けている車のキーをつかんで家をでる。麻里がいる駅までは車で1時間ほどの距離だ。

車を走らせ始めた和也はだんだんもしかしたら麻里が人気のない駅で男に襲われているのではないのかと考え始め和也の足に力が入る。

いざ駅に到着するとそこに麻里の姿はいなかった。麻里の名前を読んでも誰からの返事も帰ってこない。

あわててきたことでひどく喉の乾いていた和也はあらかじめ電池で麻里から駅に自動販売機があることを聞いていたのでその自動販売機で飲み物を買うことにした。飲み物を買うと自動販売機から音が聞こえてきた。その自動販売機はあたりがついているらしい。飲み物を受け取り口から取り出そうとするとそこには和也のお茶ともう一本買った覚えのない暖かいコーヒーが入っている。

そのコーヒーを取り出した和也は麻里もここで飲み物を買ったのではないのかという考えにいたる。麻里はおそらく飲み物をがあたったことに気が付かなかったのだろう。自動販売機に残された飲み物のおかげで和也は冷静になることができた。

和也は麻里の前向きな性格からして自分の家の最寄り駅に走って帰ろうとしたのではないのかという考えにいたる。そこで和也は国道沿いに車を走らせ麻里を探すことにした。

車を走らせてしばらくするとカバンを背負って走っている女性を見つけた。和也はクラクションをならし麻里と声をかける。

麻里は和也の登場に驚きそして感謝の言葉を述べる。その後麻里を乗せて車を走らせ始めた和也は彼女にどこまで送ればよいかたずねた。すると麻里は「大きなお風呂があるところがいい」と返す。それを聞いて和也は新宿のホテル街に入っていく。

ホテルの部屋にはいった和也は麻里を抱きしめた。和也は麻里を迎えに行ったおかげで二人の関係が昔のように戻ったような気がした。


感想

とりあえず読み終わって思ったのは和也が麻里のことが本当に好きなんだなということです。

普通4年ぶりに電話をかけてきた彼女が心配だからって車で片道一時間かけて迎えに行こうなんて思いませんよね。また迎えに行っている道中も麻里が心配で冷静さを失っていくのが分かります。

二人が当時なぜ別れたのかは明確には描かれていませんが、お互い自分のことで精いっぱいになってしまい二人の時間がとれなくなって別れてしまったのだろう。

二人は今回の事をきっかけに昔の関係に戻ることができそうですね。




夜の家族
あらすじ


この物語はデリヘルのドライバーをしている沢木健太がデリヘル嬢のマリアを迎えにきた場面からはじまる。

ホテルからでてきたマリアはまた客に説教されたとご機嫌ななめだった。マリアは大学生だが家庭の事情で学費が払えなくなり、奨学金も父親に無断で借りられていて学費を払うためにしかたなくこの仕事をしている。

マリアたちが稼いだお金から給料をもらっている健太の仕事は送迎だけではなく彼女たちのメンタルケアもある。もし彼女たちが愚痴を言えば彼女たちが喜ぶような返事をしたりする。マリアは客から人気なので健太は彼女がやめないように愚痴を聞く。

しばらく休憩した後マリアを次の仕事場に送る、次の仕事は一見の客だ。普段マリアは嫌な仕事でも一見の客より知っている客がいいということで自分で予約を取ってくるのだがその日は運が悪く予約がキャンセルされ一見の客が入ってしまった。

初めての客に不安を覚えるマリアに健太は盗聴器をマリアのカバンに入れているからもし何かあったと分かればすぐ助けに入ると声をかける。

健太が頑張ってと声をかけた後マリアはホテルに入っていった。彼女たちがホテルに入ったあと安全か確認するのも健太の仕事だ。健太は盗聴器のレシーバーのイヤホンを耳に入れてマリアの様子を探る。

部屋に入ったマリアの様子はいつもと違っていた。盗聴を続けると客の正体がマリアの父だと分かった。マリアは父親と言い争いを続けている。

マリアがホテルに入り45分が過ぎたころ健太がホテルに入ろうか悩んでいるときマリアが泣きながらでてきた。ホテルからでてきたマリアが腕の中に飛び込んできたので健太は安心させるためにマリアを抱きしめた。

しばらくして車にもどるとマリアは今日は父からとってきたお金でぱあっと遊びたいという。健太はマリアをバッティングセンターに連れて行った。

バッティングセンターにきたマリアはとても楽しそうだった。一ゲームぶんの26球を打ち終えた後マリアは健太に感謝の気持ちを伝える。その後健太はマリアと朝のビールをファミレスで飲んだ。

その日の夕方、健太は新宿駅南口近くのデパートにいた。今日は一年に一度母とうなぎを食べる恒例行事の日だ。離婚して元に戻った母の苗字である八神で予約していると伝えて店に入っていく。

母は離婚した健太をいつまでも離婚の被害者扱いするので健太は仕事のことをいうとまた母のめんどくさい会話が始まると思いその話をしなかった。

店を出てエレベーターで別れるとき母は「女の子を泣かせちゃだめよ」と言いながら手を振って去っていく。

それを聞いた健太は仕事のことを話そうと母の降りた階は分からないが追いかけ始める。


感想

最後のまさかのオチに驚かされてしまいました。健太の母は「始発のアフターファイブ」で登場した八神さんだったんですね。まさか同じレストランでアフターファイブを楽しんでいたとは。

最後の八神さんの「女の子を泣かせちゃだめよ」というセリフは健太が泣いているマリアを抱きしめているのを見ての発言だったんでしょうね。それに気がついた健太が母を追いかける場面で物語は終わります。健太と母の距離はこれがきっかけで少しだけ埋まりそうですね。

それにしてもマリアの父親はとんでもない奴ですね。金がなくて夜逃げのように家を出ていったくせにデリヘルに行くとは相当な屑ですね。これにマリアが怒る理由はもっともです。

物語には関係ないですが実際に父親などが夜の仕事をしている場所に来るっていうトラブルはあるんですかね?実際にあったら娘側も父側も正気でいられなさそう…。



最後に

『終電の神様 始発のアフターファイブ』とても面白かったです。どの物語も同じ日に起きており直接は関係ないがちょっとだけ繋がっているのがいいですよね。

ところで皆さんはどの話が一番好きですか?

私はスタンド・バイ・ミーがお気に入りです。ワタナベさんとロコの音楽だけで繋がっているという関係がたまらなく好きです。

もしこの記事を読んで本作を読んでいない人はぜひ読んでください。簡単なあらすじは本記事でも書きましたが原作を読むと何倍も面白く感じると思います。

終電の神様また書下ろしで続編だしてくれないかな。


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以前使用していたキーボードが壊れてしまったので新しいキーボードを購入しました。

今までメンブレンの安いキーボードしか使ったことがなかったためせっかくの機会だし新しいキーボードはメカニカルキーボードにすることにしました。

メカニカルキーボードの中でどのキーボードにするか悩んだのですが以前から青軸キーボードを使ってみたいという思いとデザインの良さからLogicool(ロジクール)の【G512】のクリッキーを選びました



G512シリーズとは
G512シリーズは日本で2018年5月24日に発売したゲーミングキーボードです。ロジクールが独自に開発した「ROMER-G」というメカニカルスイッチを使用しているのが最大の特徴だ。ROMER-Gは入力の速さ、高耐久性、静穏性を売りとしている。

G512シリーズには以下の3通りのタイプがあります。
  • リニア
  • タクタイル
  • クリッキー
リニアとタクタイルはG512シリーズの発売当初から存在しており、クリッキーは日本では2018年7月5日から発売された。それぞれの特徴を以下にまとめます。

リニアはRomer-G Linearと呼ばれるメカニカルスイッチが使われており赤軸キーボードに近い特徴がある。そのためG512シリーズの中で特に静穏性が高いという特徴がある。

タクタイルはRomer-G Tactileというメカニカルスイッチが使われており茶軸に相当する。G512シリーズ発売当初はタクタイルがゲーミングキーボードとしての需要が高かったがクリッキーの登場により状況は変化した。

クリッキーはGX Blue Clickyと呼ばれるメカニカルスイッチが使われている。GX Blue Clickyと呼ばれる名前から分かる通り青軸キーボードに似た性能である。PCゲーマーがロジクールに青軸のキーボードを求めていたのでその需要に答えることのできたキーボードだ。

それぞれのメカニカルスイッチがCHERRY MXスイッチの赤軸、茶軸、青軸に似ているといったが冒頭でもいったように耐久性などがすぐれていることからROMER-Gのほうが良いキーボードだと考えられる。




実際にG512 クリッキーを使ってみた感想
ここからは私が実際にG512 クリッキーを使用してみて感じたことをまとめます。

キーの打鍵感についてだが、今までメンブレンのキーボードしか使ったことがないというのもあり使い始めた当初はキーが重く入力していて疲れると感じていたが、しばらくして慣れてくるとあまり疲れてこなくなった。

またキーを押した感触が青軸に似ていることからしっかりしているためキーの入力が成立していないという打ち損じが起こらない。また入力音が心地よくキーボードを打つのが楽しくなった。

ただ打鍵音が響くため職場などの多くの人がいる場所で使うのはあまり向いていないかもしれない。自宅などの打鍵音を気にしない環境で使うのがおすすめだ。音が気になる場合はクリッキーよりもリニアのほうが良い気がする。

またこのキーボードはゲーミングモードに切り替えることができゲーミングモードの間はWindowsキーなどのキーに触れても反応しないようにできるためゲーム中の誤作動を防ぐことができる。

その他にもロジクールの全てのキーボードに言えることだがロジクールのソフトウエアを使うことでLEDランプを自分の好きな色に変えられるところもいい。私はG512のシンプルなデザインにあう水色のLEDを採用している。

個人的な感想としてゲーミングキーボードとしてならG512のクリッキーは最高のキーボードであると思う。ただ仕事で使ったりあまりゲームをしない人ならばリニアのほうがおすすめだ。



最後に
15000円と少し値段ははったが本当にこのキーボードを選んでよかった。G512のおかげでメカニカルキーボードの良さに気づくことができた。

またお金がたまったらリニアや他のメーカーのキーボードを買ったりして時と場合でキーボードを使い分けたりしてみたいな。



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Windows10を使って機械学習をしてみたいと思いPythonでTensorFlowを使える環境を整えてみたのでインストール方法をまとめました。


TensorFlowを選んだ理由

TrnsorFlow(テンソルフロウ)とはで機械学習の分野で使用するためのOSS(オープンソフトウェアライブラリ)で、Pythonでも使用することができます。

Pythonで利用できる機械学習用のライブラリは他にもChainer(チェイナー)や Caffe などがありますがその中でTensorFlowを選んだ理由は利用者が多く情報を探しやすいからです。

以前Chainerを使用していたがTensorFlowよりは情報が少ないイメージがある。

また使い方が分かりやすく誰でも簡単にニューラルネットワークを組めるところも魅力的だ。



TensorFlowのセットアップ手順
これからTensorFlowのインストール手順を説明していきます。今回はPythonのディストリビューションである Anaconda を使ってセットアップしていきます。


1. Anacondaのインストール
Anacondaは下記のページからダウンロードすることができます。理由がなければPython3を選び基本的に最新バージョンで大丈夫なので64bitか32bitの自分に合ったほうを選択してダウンロードしましょう。

https://www.anaconda.com/download/
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インストーラをダウンロードしたらそれを起動しインストールを進めていきましょう。基本的に細かい設定をしたい人以外は Nextをクリックし続けるだけで問題ありません。

インストールにはしばらく時間がかかるのでゆっくり待ちましょう。インストールが完了すると下記のような画面が表示され次に進むとVSCodeをインストールするか聞かれます。これはインストールしなくても問題はありませんので私はskipをクリックしました(Visual Studio Codeを使ってデバッグなどするならばインストールしても良いと思う)。
tensorflow2
tensorflow
以上でAnacondaのインストールは完了です。



2.Microsoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3のインストール


TensorFlowを使うにはMicrosoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3をインストールする必要があるので下記のページからインストールしてください。すでにインストールしている人はとばしてください。

https://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=53587


3. TensorFlowのイントール(CPUバージョン)
Anacondaのインストールが完了したら次はTensorFlowをインストールしていきます

TensorFlowにはCPU用のものとGPU用のものがあるのですがまずはCPU用のもののインストール方法を説明します。GPU用のものを使う人は下にGPUバージョンのインストール方法を記しているのでそちらを見てください。

まず最初にスタートメニューからAnaconda Promptを起動します。
tensorflow3
起動したら下記のコマンドを入力してください。

conda install tensorflow

もしエラーが出た場合は現在のpythonのバージョンではTensorFlowを使えない可能性があるのでバージョンを落としましょう。(2018年10月8日の時点では3.7ではTensorFlowをインストールできなかったので、3.5にダウングレードしました。)

バージョンを落とすコマンドは下記になります。(3.5にする場合)

conda install python=3.5

バージョンを落としたらもう一度TensorFlowをインストールしてみてください。それで成功するはずです。

TensorFlowがインストールできたらしっかり動作するかテストをしてみましょう。下記のコードを入力してみて実行ができたら正しくインストールできています。エラーが出た場合Pythonのバージョンを変更したりTensorFlowのバージョンを変更したりしてみてください。
import tensorflow as tf
hello = tf.constant('Hello, world')
sess = tf.Session()
print(sess.run(hello))




3. TensorFlowのイントール(GPUバージョン)
TensorFlowで機械学習をGPUで行おうとするとTensorFlowの他にCUDAのインストールとCuDNNをダウンロードする必要があります。


CUDAのインストール
CUDAは下記のページからダウンロードすることができます。

https://developer.nvidia.com/rdp/cudnn-download

Windows10ならWindows10のものをダウンロードしましょう、CUDAのバージョンは9.0以外はTensorFlow対応していないので9.0にしましょう。

TensorFlowとCUDAのバージョンの対応表はこちらで見れます。

私は最初9.2でも大丈夫だと思っていたがそのせいで上手くいかず無駄な時間をとってしまった。
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インストールは指示通り進めていけば簡単にインストールすることができます。



CuCNNのダウンロード
CuCNNは以下のページからダウンロードすることができます。CuCNNをダウンロードするにはアカウントを作成する必要があるので持っていない人は作成しましょう

https://developer.nvidia.com/cudnn

CuCNNはCUDAのバージョンにあったものをダウンロードしましょう。

ダウンロードできたらCuCNNを展開して各ファイルをCUDAのディレクトリにコピーしてください。

cudnn64_7.dll ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\bin
cudnn.h ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\include
cudnn.lib ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\lib


tensorflow-gpuのインストール
tensorflow-gpuのインストールはCPU用のものとほぼ同じでAnaconda Promptを起動し下記のコマンドを入力するだけです。

conda install tensorflow-gpu

インストールが完了したら動作確認をしましょう。下記のコードを入力してみてください。
from tensorflow.python.client import device_lib
device_lib.list_local_devices()
GPUの情報が表示されたら正しくインストールできています。CPUの情報しか表示されない場合は上手く動作できていないのでもう一度バージョンなどを確認してみてください。



最後に
色々と困ったこともありましたが無事インストールできました。今後 TensorFlow を使った機械学習に関する記事も書いていこうと思います。

もし何か分からないことがあれば気軽にコメントしてください。答えられる範囲で答えようと思いますので。



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森見登美彦さんの第2回京都本大賞受賞作の『聖なる怠け者の冒険』を読みました。

『聖なる怠け者の冒険』は『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』などと同じように京都の町が舞台となった作品で他作品で出てきた要素などもおり交ぜられているため森見登美彦さんのファンなら誰もが楽しめる作品となっています。

感想に少しだけだがネタバレもあるので未読のかたはご注意ください。


森見登美彦『聖なる怠け者の冒険』
社会人2年目の小和田君は、仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら夜更かしをすることが唯一のお趣味。そんな彼の前に狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる人物が現れて……。宵山で賑やかな京都を舞台に果てしなく長い冒険が始まる。






感想
読み終わった後最初に思ったことは物語の内容がわずか1日分しかないのに1日分だとは思えないほど充実しているということでした。

しかも主人公の小和田君は倉のなかで妄想を膨らませながら怠け者のように半日近く眠っていたので実質主人公が何もしていない(怠け者としての姿勢を貫いている)時間が物語の半分以上だという…。しかし小和田君のどんな状況でも自分の怠け者としての意思を貫き通すところはどこかかっこいいようにも感じてしまいます。小和田君のような人物を魅力的に見せることができるのは森見登美彦さんだからできる技なんだろうな。


個性豊かな登場人物
内容が充実していたと感じる理由は様々な個性豊かな人物の視点から物語が構成されているからなのかもしれません。本作は主人公の小和田君以外の人物も魅力的なのもいい点です。

後藤所長は人生の達成感を得るために人々の称賛がほしくてぽんぽこ仮面という慈善事業を始めました。しかし、作中では自分が助けてあげた人から追われるという恩をあだで返すような行為をされてしまいます。また自分の休日をけずり怠け者としての本能をおさえてまでぽんぽこ仮面としての活動を行っていることに疑問を抱く場面もあります。最終的に町中の人がぽんぽこ仮面になったおかげでぽんぽこ仮面を引退できたのは後藤所長にとって良かったのだろう。

休日探偵の玉川さんは、浦本探偵とは違い探偵としての意欲は高いが能力がありません。しかも極度の歩行音痴で物語中の大部分は京都の町で迷子になってしまいふらふらとしていました。ただ浦本探偵の「迷うべきときに迷うことも才能」という言葉を聞いていると玉川さんは迷いながらも自分の職務を全うしているように感じます。

恩田先輩と桃木さんのカップルは二人とも休日を計画的な行動を行うことで充実させようという意識がすごかったです。小和田君のように怠け者のような休日がいるなか恩田先輩たちのように休日だからこそ色々なことをして充実させようという人も世の中には多いのだろう。私は本作の登場人物のなかでこの二人が一番好きです。

この他にも多くの人物が登場するがどの人物も本当に魅力的でした。




他作品と関連する要素
他作品で出てきた要素が出てくるのも本作の良いところで、森見登美彦さんのファンならば色々と探してしまうのではないのでしょうか。

偽電気ブラン、猫ラーメン、下鴨幽水荘など他にも様々なものが現れました。

多くの他作品の要素が登場した中で私が特に良かったなと思ったのは津田さんの出演です。これは『四畳半神話大系』のファンにはたまらないのではないのでしょうか。

あの悪友だった津田さんが10年後には蕎麦打ちの職人になっているとは想像もできませんでした。津田さんも歳をとれば丸くなるんだなと思ってしまいました。ひたすら津田の弟子が蕎麦を打ち、それを招待客が食べ続ける無間蕎麦は実際にあるのならば行ってみたい気がしますね。



最後に
森見登美彦ワールド全開の作品を読むと京都の街並みが素敵に描写されているからなのか京都に遊びに行きたくなってしまいます。私も小冒険として来年は祇園祭宵山に行ってみようかな。

あとがきで『聖なる怠け者の冒険』は新聞連載のときや文庫化前では内容が少し違うと書いていたのでそちらも読んでみたいな。

本書を読んだ人のなかで森見登美彦さんの他作品をまだ読んでいない方は他の作品もおもしろいのでぜひ読んでみてください。



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Amazon Echo(アマゾンエコー)を使って何かしてみたいと思い手軽に使えるIFTTT(イフト)を利用してAlexaでLINE(ライン)を送るシステムを作ってみました。


IFTTTとは


IFTTTとは『もし ◯◯◯ ならば ××× する』といった風にサービスをつなげることができるというアプリです。

つなげられるサービスは数百種類もあり、サービスによっては有効に時短できたりします。プログラミングがいらないので誰でも簡単に自分の作りたいサービスを作成できることが特徴です。

今回は『Amazon echoでおはようと言ったらLINEで友人におはようというメッセージを送る』サービスを作ってみます。



IFTTTへの登録

IFTTTへの登録は下記のサイトから行うことができます。

https://ifttt.com

登録に必要なのはメールアドレスだけです。入力フォームにメールアドレスを入力しGet started をクリックするとパスワードを決めるように言われるのでそこでパスワードを決めるだけで登録は完了です。



システムの作成

登録が完了したらいよいよシステムの作成です。

My Applets > Applets > New Applet の順でクリックすると下記の画面に遷移します。
echo1



1. トリガーの選択

トリガーを選択するには this をクリックしてください。

この画面では if ◯◯◯ then ××× の ◯◯◯ に入る要素を選択します。今回トリガーとして利用するのは Amazon Alexa なので Amazon Alexa を選択して Connect します。

選択できるサービスの数が多いので検索ボックスを利用すると簡単に見つけることができます。


2. トリガーの手段の選択

次に利用したトリガーの手段を選択します。

今回は Alexa に特定のメッセージを言うとLINEを送るようにしたいので Say a specific phrase を選択します。
echo2




3. トリガーとなるメッセージの入力

ここでトリガーとなるキーフレーズを入力します。

今回は「おはようと送って」をキーフレーズにします。
echo3



4. トリガーが入力されたら何をするのかを選択する

次にトリガーが入力されたら何を行うかの that をクリックします。

今回は入力があったらLINEでメッセージを送るのでLINEを選択します。

LINEを選択したら次は Send message をクリックします。

ここではメッセージを送るグループとメッセージの内容を決めます。
echo4


以上でシステムの作成は完了です。できあがったら実際にテストしてみましょう。

メッセージを送りたいグループにあらかじめ Line Notifyを招待しておく必要があるので注意してください。

Alexaでトリガーを発動するには今回の場合「Alexa おはようと送ってをトリガー」という風にトリガーをつける必要があります。



最後に
今回 IFTTT を使って Amazon Echo でLINEでメッセージを送信するシステムを作成しました。

メッセージを直接設定できたり、グループだけじゃなく個人にもLINEを送ることができればよかったんですけどね。

今のところ祖父母や子どもが家に帰ったときの確認ぐらいしか使い道が思い浮かびません。

IFTTTは手軽に使えるぶんできることに制限がかかっているなという印象が残りました。

もしこの記事を読んで興味を持ったらPCだけでなくスマホでも簡単に作成できるので独自のシステムを作ってみてください。





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表紙とタイトルのインパクトで購入した村田紗耶香さんの最新作である『地球星人』を読みました。

『地球星人』というタイトルを最初に見たとき地球の人間が宇宙で何かする話とかだと思っていたのですが読んでみると想像と違う内容で驚かされました。

村田沙耶香さんらしい現代の人間に対してメッセージ性の強い作品となっていました。



村田沙耶香『地球星人』
私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。地球では、若い女は恋愛をしてセックスするべきで、恋ができない人間は、恋に近い行為をやらされるシステムになっている。地球星人が、繁殖するためにこの仕組みを作り上げたのだろう──。

本作は大きく分けると奈月の子供時代と大人時代の二部に分けることができます。


奈月の子供時代


小学4年生の秋級

物語は小学4年生である奈月が一年ぶりに祖父と祖母が住んでいる秋級を訪れる場面から始まります。

家族の中で自分の居場所がないと感じている奈月にとって夏に親戚が集う秋級で一年前に恋人になったいとこの由宇に会うのが楽しみでした。奈月と由宇にはそれぞれお互いにしか話していない秘密がありました。

奈月の秘密は自分が魔法少女であり、ポアピピンポボピア星の魔法警察からやってきた使者であるピュートからもらったコンパクトで変身することができ、ステッキで魔法を使うことができるというものです。

一方由宇の秘密は自分が宇宙人であり秋級に来る度に宇宙船をさがしているというものです。

二人にとって幸せな秋級での時間が続くと思った翌日に姉の貴世がいとこにからかわれたことでヒステリーの発作をおこしわずか二日という短い期間で奈月は実家に帰ることになってしまいます。

奈月は帰る前に由宇に結婚して結婚してとお願いします。由宇は奈月の言葉に対して結婚しようとかえします。

二人は針金で作った指輪をつけあい恋人になったときと同じように二人だけの決まりを作ります。
  1. 他の女の子と手をつないだりしないこと
  2. 寝るときに指輪をつけて眠ること
  3. なにがあってもいきのびること。
二人の約束は一見子どもらしくどれもかわいいものなのですが、三つ目の由宇が決めた「なにがあってもいきのびること。」という約束が今後の展開に大きな影響を与えます。



この時点では二人に対して子どもらしく可愛いなという印象でした。



次の秋級まで

その後、実家に戻った奈月は一年後の由宇との再会を楽しみにして過ごしていくのだが、そんな奈月に魔の手が襲いかかります。

それは塾の伊賀崎先生でした。伊賀崎は一見さわやかでかっこいい大学生のアルバイトなのですがその裏の顔はとんでもない変態です。奈月に対して指導という体のいい言葉を使って度々体に触れたりします。

そんな伊賀崎の行為について奈月はすこしおかしいと違和感を感じるのですが、伊賀崎のようなかっこいい先生が自分に好意を抱いているわけがないと誰にも相談をしません。

しかし、伊賀崎の行為がエスカレートしていきついに母親に相談するのですが、母はそんな奈月を「スケベなことを考えるな」と一蹴します。

一年が経ち由宇との再会まで残り一週間となった夏祭りの日、奈月にとって今後の人生を変える大きな事件がおきます。友人の静ちゃんが具合が悪く伊賀崎の家で休んでいると伊賀崎に教えられます。奈月は大切な友人の静ちゃんまで伊賀崎の魔の手に落ちるのではと考えてしまい静ちゃんを助けるために奈月は伊賀崎とともに家に向かいます。

しかし、いざ伊賀崎の家にたどり着くとそこに静ちゃんはいませんでした。静ちゃんが具合が悪いというのは奈月を呼び出したい伊賀崎の罠でした。騙された奈月は伊賀崎に『ごっくんこ』って知っていると尋ねられます。知らないと答えた奈月に伊賀崎は『ごっくんこ』の指導をするといます。

逆らったら殺されると考えた奈月はいきのびるために伊賀崎にしたがいます。『ごっくんこ』をさせられた奈月はまるで魔法を使って幽体離脱をしたかのような状況になりそのまま無意識のうちに家へと帰っていきます。

翌日奈月は意識が戻るのですが体のある違和感に気がつきます。それは味が分からなくなっているとものです。ジュースを飲んでも腐った飲み物を飲んだような気がして味を感じません。しかし、この時点では自分の体に起こった違和感をあまり気にしませんでした。



伊賀崎は本当に最低な人間ですね。もし奈月が相談した時点で母親が奈月の話を真意に受け止めていれば悲惨な事件を止めることができたかもしれないのに…。



再び秋級へ

その翌日、祖父が亡くなったということで葬式のため予定より早く奈月は再び秋級を訪れることになります。秋級で一年ぶりに由宇と再会した奈月は由宇に自分が伊賀崎に殺される前に性行為をしてほしいとお願いします。由宇は奈月が本当にしたいならと了承します。

次の日の夜中、奈月と由宇はセックスを行います。由宇と一緒になれた奈月は幸せな気持ちで眠りに落ちます。しばらくして奈月は目を覚まします。由宇と一つになれたことで満足した奈月は伊賀崎に殺される前に、母親から盗んだ睡眠薬を大量に服用して自殺をしようとします。しかし、自殺をしようとしていることに気がついた由宇は奈月を生き延びなければいけないと言って止めます。由宇の言葉で奈月は自殺を踏みとどまりました。

そうした中、二人がいないことに気がつき探しにきた大人たちに二人は見つかってしまいます。セックスの後服を着ていない二人を見て大人たちは二人を別々の蔵に閉じ込められて反省させられます。奈月は怒り狂う大人たちを見て世界に従順ではなくなった私たちに動揺していると感じます。

翌日、実家に連れ帰られることになった奈月は帰る道中由宇が自分の靴の底に宝物を残していたことに気がつきます。その宝物は昨年結婚式の際に約束した三つの約束事が書かれた結婚誓約書でした。誓約書を読み約束を守ろうと奈月は静かに誓います。



ここまでで過去の回想を除いたら奈月の子ども時代の話は終了です。

奈月は子どもの時点でルールに外れた人間を見てルールに従順に生きてきた人間はそれを許すことができないということに気がつきます。

実際に親として小学生の子どもがセックスをしていたと言われたら衝撃的なんだろうな。本能に身を任せて娘をなぐった父の気持ちも分からなくはない。これは私がルールに従順な人間だからなのか…。

また奈月は人間の住む街は蚕を生産するのと変わらない人間を生産するための工場と表現していますが、的確な発言の気もするんですがなんだか違和感を感じます。




大人になった奈月


再び秋級へ

奈月は3年前の31歳のときに結婚しており現在は千葉のマンションに住んでいました。しかしその夫との結婚生活には他人には話すことができない秘密がありました。

夫と奈月が出会ったきかっけは「すり抜け・ドットコム」というサイトでした。奈月は工場の部品の一部に偽装するために自分と同じような考えを持つ結婚相手を探していました。そこで見つけたのが今の夫です。夫も奈月と同じように工場の部品として機能しているかのように偽装するために結婚相手を探していました。

二人の結婚生活は性行為もなく、家事ですらそれぞれ自分のことのみ行うと言った感じでした。

そうした生活が続く中夫が会社をクビになったことをきっかけに二人は秋級を訪れることになります。都会で育った夫にとって奈月の話す秋級は憧れの場所でした。秋級を訪れる準備をしているうちに奈月は由宇が現在秋級の家に住んでいることを知ります。

秋級を訪れた奈月は久しぶりに由宇と再会します。奈月たち夫婦はこれからしばらく由宇と同じ家で暮らすということで自分たちの秘密を話します。

秘密と同時に自分たちは宇宙人であると話す二人に対して由宇は、「自分はれっきとした地球人だ」とかえします。



ここだけを読むと由宇は子どものころと違って奈月たちとは違い工場の一部の人間になっているような気がしますね。奈月の眠る前にこの家には自分とは違う動物が二匹いるように感じるという台詞からは、人間も他の動物と変わらない存在であるという考えを強調しているようでなんだか不気味です。



魔女を殺した奈月

奈月は久しぶりに訪れた秋級の地で、小学生のとき秋級から連れ戻されてすぐに伊賀崎の家で魔女を殺したことを思い出します。

家に連れ戻された奈月は遊びに行くのはダメだが塾には行けと母親から言われます。

塾に行くと伊賀崎から明日塾は休みだが奈月のために特別授業をするといわれる。その晩奈月はピュートとの作戦会議でピュートから魔女に操られている伊賀崎を助けてあげないと言われる。

伊賀崎を助けることを決意した奈月はピュートと変身コンパクトと魔法のステッキを持ってこっそり家を抜けだし伊賀崎の家へと向かう。伊賀崎の家に着くと伊賀崎から事前に教えられていた鍵を見つけて家に入る。

伊賀崎の部屋に入る直前、以前伊賀崎に『ごっくんこ』を強要されたときのように奈月は幽体離脱の魔法が使えた。幽体離脱した奈月は自分が抜けた体の様子を眺めた。奈月の体は伊賀崎に近づき家から持ってきた草刈り鎌を何度も伊賀崎に振り下ろした。

幽体離脱の魔法はいつの間にかとけており奈月はピュートに言われるがままに1分近く呪文を唱えながら鎌を振り下ろしつづけた。

ピュートから『もういいよ』と言われた奈月は、自分の服が金色の液体(伊賀崎の血)で汚れているのに気がつき、学校の焼却炉で服や使用した道具を燃やし下着姿でリュックを背負ったまま帰宅しそのままシャワーを浴びた。

新学期になり学校で静ちゃんから伊賀崎が殺されたことを教えられた。静ちゃんに誘われて伊賀崎の両親が犯人を探すためのビラを配っているということで奈月もビラ配りに参加した。それから毎日ビラ配りに行き家に帰るとピュートに話しかけた。しかし、ピュートからは同じお礼の言葉しか聞くことができない。

ある日のビラ配りの帰り静ちゃんから狂気は鎌であったことを聞く。ピュートにそのことを相談するとピュートは奈月とはもう喋れないが奈月がポハピピンポボピア星人だと告げられる。その後ピュートはミイラのように一言も喋らなくなった。

その後奈月はポハピピンポボピア星人として孤独で生きていくより早く地球星人に洗脳されたいと考えるようになる。



秋級での生活

二人はしばらく由宇とともに秋級で人間工場から開放された生活を送るのですが、しばらくして貴世がいつまで秋級にいるのかと奈月を訪ねてきます。夫は貴世のことを工場からの使者が来てもとの工場生活に戻されると恐れた。

貴世が帰った翌日の朝、夫から大切な話があると打ち明けられます。その内容は人間であることを捨てるために人間としてのタブーを犯すという内容でした。そのタブーとは家族の男性と近親相姦をするというものです。夫は週末実家に帰り兄と近親相姦することを決意します。

翌朝夫は兄と近親相姦をするために家を朝早くにでていきます。夫が出ていった秋級の家で由宇は奈月に夫がいない間は二人でここに止まるわけにはいかないと言い、いとこの陽太の家に泊まらせてもらうことになりました。奈月はその晩一人で秋級の家で眠ります。

翌日の昼頃になり夫が戻って来たが帰ってきた夫は近親相姦に失敗し父に追われていました。夫の父が秋級を訪れてきて奈月と夫の二人を無理やり工場へと連れ戻します。



地球星人とは


工場に連れ戻された奈月は家族からの取調べが行われます。取調べ内容は工場としての義務を果たすためにどうして夫と『仲良し』をしないのかというものでした。奈月が恐れていた工場の道具として機能していないことを言われる日々がやってきたのです。

取調べが続くある日、奈月は姉の貴世から『仲良し』できないのは昔塾の先生にいたずらされたからではないのかと言われます。実は姉は奈月と伊賀崎の関係を知っており、それだけではなく奈月が伊賀崎を殺したことも知っていたのです。姉は犯罪者の家族になると世界に従順な存在では亡くなると分かっていたため、奈月が犯行に使用した道具を隠していました。そして姉は話の最後に真当な人生を送るために夫と『仲良し』をしろと言います。

翌日奈月は工場に戻ろうとしている夫に一緒に逃げないかと言います。夫はそれを了承し逃げるとともに地球星人へ洗脳されかけている由宇を助けに行こうと秋級の家へと再び向かいます。

由宇を迎えに行くと最初は由宇も地球星人と同様に真当な人間として生きるために工場から出ていくことに反対しますが、話を続けると由宇はある真実を打ち明けます。由宇は昔からいきのびるために周りの命令に従っていただけで現在も命令に従って地球星人になろうとしていたことを告白します。告白のあと由宇も夫婦とともに工場から逃亡することを決意します。

秋級の家に逃亡した奈月たちはそこで地球星人とは別の生き方をしようとします。三人の合理性の基準は『いきのびること』で少ない貨幣で食料を買うのがもったいないと気がつけば食料を盗むようになったりした。

そんな地球星人としての生活が続くある日、秋級の近くの道路で起きた土砂崩れが原因で秋級の人々が秋級から出て行っていることを知る。人が少なくなった秋級で食べ物を盗みお酒を飲んだ。

翌日の朝、頭に強い衝撃が走り目を覚ますことになる。衝撃の正体は地球星人からの攻撃であった。既に夫と由宇が殺されているかもしれないと考えた奈月は地球星人から身を守るために近くにあったトロフィーで地球星人を殴り殺した。いきなり襲撃してきた地球星人の正体は伊賀崎の両親だった。伊賀崎が死んだ理由を知った両親は仇をうつために奈月を殺しに来たのだった。

伊賀崎の両親を殺した3日後、土砂崩れが原因で他の地球星人が秋級に戻ってこないため奈月たちは食料の調達手段を失い食料はつきかけていた。そこで以前殺した地球星人の肉を冷凍しておこうと由宇は提案する。

夫と奈月もその提案に賛同したが、奈月はそれをしたらもう地球星人として生きていけないことを恐れ最初は地球星人の解体作業に参加しなかった。しばらくして奈月が由宇たちの様子をみにくと二匹目の地球星人を解体しようとしていた。それを奈月も手伝うことにし最初のうちは抵抗があったがいざ解体してみると地球星人はただの肉でしかなかった。

その日三人は地球星人を使った料理を食べた。その料理を食べた奈月は伊賀崎に『ごっくんこ』させられていらい感じられなくなっていた味を感じられた。口が治ったのだった。

食事を食べ終わった三人は今後食料が尽きた場合お互いを食べあわないかという話し合いをする。話し合いの結果一番おいしい人物から食べることになり三人はそれぞれの味を確認する。

それからしばらくした明るい日、三人の元に地球星人がやってきた。その地球星人の正体は奈月の姉と母であった。三人の腹が膨らんだ姉と母からは悲鳴があがった。

悲鳴を元にやってきた救助隊員は三人に「あなたたちは人間か」と訪ねる。由宇は流暢な地球星人の言葉で「ポハピピンポボピア星人です。」とかえす。その後三人は手を取り合い地球星人の住む星へとゆっくり歩んでいった。




感想

今年一番の衝撃作を読んでしまったと思うほどの衝撃的な作品でした。

今まで考えていた常識が本当に正しいものであったのかが分からなくなってしまいます。

本作の主人公を含む奈月などの人間の中でマイノリティの存在であるポハピピンポボピア星人の気持ちも分からなくはないけど多くの人はそのようにはなれないでしょう…。

読み終わってから気持ちの整理をするためにもう一度読み直しましたが、衝撃的すぎてなかなか気持ちを落ち着かせることができませんでした。

作中で村田沙耶香さんは街のことを人間工場であると表現していますがこれはなんだかとても気持ちの悪い表現です。しかし、言われてみればアパートやマンションなんて人が共同して生活しており他の知能が高い動物(宇宙人)からみれば蚕が集まって暮らしているのと変わらないのかもしれません。

この物語では、奈月たちを除く三人は人間工場の道具としての義務を果たすことが義務といったような感じで生きており、人間工場の道具として役に立たないマイノリティの存在を道具として正しい姿に戻そうとします。作中では、道具としての役目を果たせそうにない姉が工場の道具として役にたちそうな奈月を見て羨ましがる場面などもありとにかく道具として生きていくのが絶対の世界です。

そんな世界を気持ち悪く思った三人は自分たちは地球星人ではないということでポハピピンポボピア星人として生きていきます。三人は地球星人とは別の生き物ということで食料が尽きていたという理由もありますが地球星人を食べる描画などもありました。

物語の最後で男女共に腹を膨らませていた彼女らは性行為をしなくても工場としての義務を果たすことのできるポハピピンポボピア星人になれたということなのだろうか?


物語の本質とはずれますが、奈月は子ども時代から不思議な考えを持つ人物ではあるけれどもし伊賀崎に目をつけられていなかったら地球星人として真当な人生を送れていたような気がするので少し気のどくです。奈月の家族がまともな人間であれば今頃由宇と幸せになれていた可能性もありますね…。


ところで皆さんはどの人物が好きですか?

私は奈月の夫の智臣のいかれ具合が気に入り智臣が一番好きです。会社の金を平気で着服したり、近親相姦をしようとしたりとにかくクレイジーな存在でした。三人のなかでも特に考えがぶっ飛んでいるところがなんだかおかしかったです。



最後に

あらすじも簡単にはまとめましたが省略した部分も多いので地球星人を未読の方はぜひ読んで欲しいです。

読了後あなたの中の常識はどうなっているのでしょうか…。


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ゲーミングPCでGTX1060を使ってモナコインのマイニングを始めて3週間ほどがたちました。

9月も終わりきりが良いのでどれぐらい採掘できたのか記そうと思います。

RTX20xx シリーズがでた今需要は少ないかもしれませんがこれからモナコインのマイニングを始めようと考えている人の参考になれば幸いです。



マイニング環境
  • GPU:GeForce GTX 1060 6GB
CPUは使用しておらずGPUは初期設定のまま特にいじっていないのでオーバークロック(OC)はしていません。

マイニングプールは VIA Pool を利用しています。



2018年9月のモナコインのマイニング記録

3週間で約4.36 MONA 採掘することができました。
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ゲームをしている時やGPUに負荷のかかる作業をしている時はマイニングをやめていたのでずっと続けていればもう少し採掘量は増えそうですがそれでも想像以上に掘れないですね…。

モナコインの価格が600円ぐらいならまだ気になりませんが150円前後をうろうろしている今すぐの儲けを考えると絶対に損ですね。

Kotoを掘っていた時のようにたくさん掘れるという快感がないのも痛いです。



今後の方針

思った以上に掘れなかったですが今現在他に掘りたいコインも見つけていないのでしばらくはモナコインのマイニングを続けようと思います。

今後モナコインの価格が爆上がりしたりしたらいいんだけどな…。



最後に

本記録を見てモナコインのマイニングをはじめたいと思った人は下の記事にマイニングの始め方をまとめているので参考にしてみてください。

GTX 1060でモナコイン(MonaCoin)をマイニングしてみた。

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湊かなえさんの『サファイア』を久しぶりに再読したので記事を書きます。

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』を読んだ影響で久しぶりに湊かなえさんの短編をもっと読みたいと思ったことがきっかけで『サファイア』を読み直しましたがやっぱり面白いですね。

どの物語も宝石が関わる素敵な短編ばかりで湊かなえさんらしさを残しながらも後味の良い作品も混ざっており私のお気に入りの一冊です。

本記事はネタバレも含むので未読の方は注意してください。



湊かなえ『サファイア』

あなたの「恩」は、一度も忘れたことがなかった—「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」。私は恋人に人生初のおねだりをした……(「サファイア」より)。林田万砂子(五十歳・主婦)は子ども用歯磨き粉の「ムーンラビットイチゴ味」がいかに素晴らしいかを、わたしに得々と話し始めたが……(「真珠」より)。人間の摩訶不思議で切ない出逢いと別れを、己の罪悪と愛と夢を描いた傑作短編集。






真珠

あらすじ

序盤は平井篤志が林田万砂子のムーンスター社の製品の歯磨き粉である「ムーンラビットイチゴ味」が林田の人生においていかに重要であるのかという話に耳を傾けながら平井自身もムーンスター社の「マイルドフラワー」というシャンプーと自分の人生の関りを思い出します。

林田の「ムーンラビットイチゴ味」に関する話は最初のうちはいくつか疑問に思う点はありながらも平井も共感しつつ物語が進行していきます。

林田の話が短大時代のことになり、最初に出ていた疑問が平井の中で疑惑へと変化していきます。

彼女は短大時代に同じ「ムーンラビットイチゴ味」を愛用していたことでM子と意気投合します。しかし、M子は寮が火事にあった際にそのまま帰らぬ人になってしまいました。

この話を聞いて疑惑が確信になった平井は林田に火事で実際に亡くなったのは林田万砂子本人で今の林田はM子が整形したのではないのかと問いただします。

最初のうちは林田も反論しますが、最終的に観念して彼女は自身の本当の名前は倫子だと名乗ります。

火事のあった日に林田本人と服を交換し自分がいつも身につけているイヤリングをつけさせたことで倫子本人だと偽装していたのです。

その後倫子は林田のふりをして生きていきますが50歳のころ自分の愛していた「ムーンラビットイチゴ味」がなくなるのを知りそれを阻止したいという欲求のためだけに再び火事を起こします。

平井はムーンスター社から派遣された人間で会社の名誉のために彼女が裁判の場でムーンラビットについて語るのを阻止しなければなりません。また整形した林田の醜さから平井自身も昔整形した自分の妻をこれからも愛し続けることができるのか悩まされます。

物語は平井がこれからの未来に絶望する場面で終わります。


感想

この物語のキーアイテムは「ムーンラビットイチゴ味」という歯磨き粉でしたが厳しい親のしつけで甘いものを禁じられていた倫子は幼少のころから唯一許されている甘いものが歯磨き粉であったため歯磨きが大好きな人間になり歯医者いらづの生活を送っていました。

一方、成り代わられた林田本人も倫子と似たような境遇で生活しており甘い歯磨き粉で歯を磨くのが大好きな人間でした。

この二人のどちらか片方が虫歯があり歯医者に通ったことのある人間だったら倫子の成り代わりのトリックはうまくいかなかったのだろう。二人とも歯形で判別することができなかったゆえに真珠のイヤリングが二人の成り代わりを成功させるための重要なアイテムとなりました。

最後の平井が二つの悩みから未来に絶望する嫌な終わり方は湊かなえさんの作品らしくていいですね。




ルビー

あらすじ

この物語は東京の出版社で働く女性が実家のある島に帰る場面から始まります。

実家の窓からは老人福祉施設「かがやき」が見えます。これまで交渉してきた先で全て断られ、ようやく主人公の母と父が許可して建てられた施設です。

妹の話によると畑仕事の際に「かがやき」の最上階からおーいおーいと声をかけてくれる老人のことを「おいちゃん」と呼んでいました。

最初は母親に声をかけていたおいちゃんですが、父も妹も親しくなり彼と話すことが日課となります。

そんななかおいちゃんから食事に招待され、その際に母は赤い大きなブローチをもらいます。

女性はおいちゃんに関する話を妹としている中、仕事で用意した「情熱の薔薇事件」について語り始めます。

昭和の頃、鉄工場で財産を築き上げたことから「鉄将軍」の異名を持つ男性がいました。鉄将軍は妻への愛情を示すために時価一億円相当のブローチをプレゼントします。

しかし、妻はそれを愛情と受け取らず愛情を求めていた妻は夫の秘書と関係を持ち駆け落ちしようとします。鉄将軍がいない隙を見計らって逃げようとするが、駅のホームで二人は鉄将軍と出会ってしまいます。

それを見た鉄将軍は二人を自宅に連れ帰り問いただします。その際に激高した鉄将軍は二人を切りかかります。

そのご鉄将軍は無期懲役、妻は死亡、青年は行方不明で妻に捧げたブローチを持って逃げたのではないかと言われています。

話をしているうちに様子がおかしくなった妹を姉は問いただします。鉄将軍はおいちゃんなのではないかと。

最初のうちは言い訳をしようとする妹ですが、最終的に老人ホームの職員の園田君から鉄将軍に関する話を聞いていたことを白状します。

実はかがやきという老人介護施設は元受刑者専用の老人ホームでおいちゃんこそ姉の話にでてきた鉄将軍でした。

二人はお互いに母親がもらったブローチから話をそらそうとして物語は終わります。


感想

この物語に登場する父親と母親は誰にでも優しい聖人のような存在でした。そんな夫婦を気にいったおちゃんは母親に自分が愛した人に送ったブローチをおくったのでしょう。

物語の終わり方は良い解釈も悪い解釈もできるでしょうがおそらく悪い解釈が正解でしょう。

良い解釈は姉妹ともにブローチのことは黙り続けてこれからも両親がおいちゃんと上手くやってほしいという解釈です。しかしこの解釈は欠点だらけでもし姉妹ともに両親のように聖人的な存在であれば高価なブローチの話になっても口の中が乾いたりはしないだろう。

悪い解釈は二人がこのブローチを狙っているということです。姉妹ともに同じ考えを持っているため片方が狙わないということはありません。高価なブローチを狙った姉妹を抱えて今後この一家はどうなるのだろう…。



ダイヤモンド

あらすじ

この物語は主人公である古谷治がお見合いパーティーで知り合った山城美和にレストランでプロポーズをして受け入れられた場面から始まります。彼にとって今が人生の絶頂なんでしょう。

プロポーズが終わりレストランをでた古谷は店の硝子戸にぶつかって意識を失ってしまった雀を保護します。雀は脳震盪を起こしていたみたいでしばらくしてから意識を取り戻し飛び去って行きます。

その晩、古谷のアパートに昼間助けてもらった雀を名乗る女性が彼にお礼がしたいといって訪ねてきます。雀は神様にお願いして一週間だけ人間に変身できるようにしてもらったというがとても信じられる話ではありません。何か頼んだら帰ってくれると思い古谷は美和の一番欲しいものを調べるように依頼します。

それから二日後、雀は同じ格好で古谷のアパートを訪れます。そして美和の最も欲しいものは鈴木崇史という男性だと答えます。信じられない古谷は、雀に美和のことをさらに調べてくるように依頼します。

翌日、雀は美和は栄養士の専門学校などには通っておらず小さな食品会社で事務をしていることを伝えます。また鈴木は妻子がいる既婚者だということも教えます。

この話をきいて古谷は借金がある鈴木に美和が脅されているのではないのかと考え、雀にデジカメを渡して証拠の写真をとるように依頼します。

翌日、音声しかとれていなかったが古谷の考えは正しく鈴木は借金があるみたいでした。古谷はこの動画を持って美和の家を訪れます。家を教えていない美和は古谷の突然の訪問に驚きつつも部屋に招き入れます。古谷が雀から聞いたことを美和に伝えると美和は鈴木から脅されていたと言います。

美和の部屋からの帰りに古谷はやはり美和は自分のことが好きであると勘違いして帰るのですが、翌日雀からレコーダーが渡されます。そのレコーダの内容は美和と鈴木が古谷をカモにしているうまのものでした。

これにはさすがの古谷も美和からの愛情はなかったということに気づかされます。最後に古谷は雀に美和に渡したダイヤモンドの指輪を取り戻してほしいお願いします。

翌朝、テレビで美和と鈴木が交通事故で亡くなったというニュースが流れます。呆然としている古谷ですがそのときドアのほうから音がします。

ドアを開けるとダイヤモンドの指輪を持った雀が亡くなっていました。古谷はダイヤモンドを雀の翼につけそれとともに雀を埋めてあげます。

それから一週間後警察に美和の交通事故を作った重要参考人として古谷は警察によばれます。

車には事故を起こすための細工や古谷の髪の毛が社内にあったため疑われていました。また、デジカメやレコーダーからストーカー行為をしていたことが疑われています。

物語は古谷が雀のことについて話すかどうか悩んでいる場面で幕をとじます。


感想

この物語は湊かなえさんらしいイヤミスの物語というよりかは世にも奇妙な物語的な話でした。

雀は古谷にとって天使であったのか悪魔であったのか微妙な存在ですね。警察に雀のことを話しても頭のおかしいやつ扱いされるのは目に見えてるし、そないとしてもそれはそれで犯罪者として警察にすんなりと捕まってしまいそうです。

物語には関係ないが古谷はこれまで50年間の人生で女性との交際が全くないのが分かるほど初心な人物ですね。普通ならプロポーズする段階までいっておきながら相手の連絡先や自宅を知らない時点でおかしいとなりそうですけどね。

これも古谷がストーカーをしていたと疑われる要因になりそうだ。もしかして雀は古谷の妄想でストーカーを実際にしていたのではないのかと疑ってしまう。



猫目石

あらすじ

この物語は大槻家が隣人の坂口愛子の行方不明になった猫の捜査を手伝う場面から始まります。猫は木の上におり夫の靖史文の手で救出されます。

猫を救出したことをきっかけに坂口は大槻家の住人に対して親しく話しかけるようになります。

そんな中坂口は大槻家が抱えている秘密を家族ごとに話していきます。

夫である靖文には妻である真由子が近所で万引きをしているという秘密を話します。靖文はその話を聞き実際に妻が万引きしているのかを確認しにいきましたが坂口のいう通り本当に万引きしていました。

娘の果穂には父の靖文あ昼間から図書館に毎日のようにいるという話をします。果穂は父は仕事をしているのでそんなわけがないと思い図書館に確認しに行くのですが本当に父はそこにおりリストラされていたのです。

妻である真由子には娘の果穂の秘密を話します。その秘密は靖文と年齢の近い男性にあっているという話でした。その事実を確認しにいくと確かに果穂は夫と年齢の近い男性にあっており援助交際できなことをしていたみたいです。

その後日、坂口が車にひかれてなくなったというニュースがながれます。

大槻一家はそれぞれの秘密を話し円満に解決したみたいです。


感想

物語の終わりで大槻一家は秘密をお互いに打ち解けあい円満に解決したような感じでした。

坂口が物語の終わりで亡くなっているのはおそらく三人が猫を利用して坂口をうまく誘導し車にひかれさせたのだろう。

大槻家にとって坂口は人の秘密を探しこそこそと話す嫌な奴ですが、坂口のような人間がいたおかげでお互いに打ち解けあえたのではないのでしょうか。

大槻家はそれぞれの秘密が亡くなった後、次に家族全体で坂口を殺したという秘密を抱えていてなんだか不気味です。

この真実を知っているのは坂口の飼っていた猫のみです。



ムーンストーン

あらすじ

この物語は元市議会議員の妻である小百合の回想からはじまります。

妻は夫がはじめて市議会議員選挙に出馬する際に選挙事務所でアルバイトしていたことで夫と知り合い結婚します。

夫は市議会議員として順調な生活を送っており次の市議会議員選も当選確実だと言われていたが所属する党の支部から県会議員の格上げを打診されます。その後、市議会議員を辞職し県会議員選に出馬するが落選してしまいます。

落選後夫は父が経営する建築会社に再就職するのですがこのころから小百合の家庭の様子はおかしくなってきます。夫は県会議員に落選したことでプライドがズタズタになっておりことあるごとに妻に暴力をふるうようになります。

夫の暴力は日に日にエスカレートしていきついに娘にまで暴力をふるいます。そんな夫に耐えきれなくなった小百合は夫の足をすくって転倒させたさいに置物を振り下ろして殺してしまいます。

こうしてたいほされた小百合のもとにある弁護士が小百合を弁護したいと訪ねてきます。その弁護士は小百合の中学生の同級生の久美でした。

久美はもともとひこみじあんな性格であがり症が原因でいじめを受けていました。

そんな久美を救ってくれたのが小百合です。小百合は久美に読書感想文コンクールに出場するように促します。この読書感想文コンクールをきっかけに周囲から久美をイジメる人はいなくなりました。

それから久美は小百合のグループに所属するのですがあることがきっかけでそのグループの友人が久美を親友だと認めてくれていないことを知ります。

それは友人の一人が旅行のお土産を買ってきたときにも露骨にでていました。その友人はお土産にムーンストーンを用いたアクセサリを買ってきたのですが久美の分だけありません。そんな久美の様子を見て小百合はピアスをとり片方を久美にあげ二人で名札の土台の部分につけるようになりました。

その後久美と小百合は高校に進学後疎遠になってしまいましたが、久美は今有名弁護士となっていました。

久美は小百合への恩を忘れずに小百合を守るためにやってきました。小百合が弁護をお願いすると久美が力強いまなざしで小百合に優しく微笑む場面で物語は終わります。


感想

久美と小百合の友情の物語ということでとても後味の良い話です。

小百合はこのあと久美の弁護によって救われたらうれしいな。

ムーンストーンは二人の愛を伝える石だと言われていますが、中学時代に小百合から受け取った愛情を久美が大人になって返そうとするのがすごくいいな。




サファイア

あらすじ

紺野真美は人に何かをしてもらうことのできない女性でした。近所の人から飴をあげると言われても必ず断るような人間です。

しかし、大学時代一人旅をしていたときに中瀬修一と出会い、真美は少しずつ変化していきます。

真美は修一とのやりとりを通じて物をもらう際に重要なのは値段なんかより相手の気持ちであると知ります。手料理を作った際に修一に感謝されたことでこれを知りました。

修一から初めての誕生日プレゼントで口紅をもらいます。口紅に合わせた化粧をしたさい修一からとても綺麗だと言われます。しかし修一には元の顔も好きだから化粧をするのはたまにでいいと言われて口紅はいつも使うような道具にはなりませんでした。

修一の誕生日に真美はオーダーメイドのカバンをプレゼントします。

修一にいつでも身に着けることのできるものをプレゼントした真美は初めて修一に誕生日プレゼントに指輪が欲しいとおねだりします。修一はそのおねだりをやっとおねだりしてくれたねと言って喜んでひきうけました。

しかし誕生日の当日修一は現れませんでした。修一は電車にひかれて亡くなっていました。その夜真美は夢で修一からサファイアの指輪をもらい右手の薬指に毎日つけるように言われます。

翌日修一の姉から真美に渡したいものがあると連絡がはいりました。伺うと夢でみた言葉と全く同じことを書いた手紙とサファイアの指輪が修一の遺品から渡されました。

その一週間後、隣人のタナカから修一が悪徳商法のアルバイトに参加していたことを知らされます。そのアルバイトはタナカが修一に声をかけたみたいで指輪を購入するお金に困っていた修一は悪徳商法と分かったあとも真美に指輪を送るためにそのアルバイトを続けます。

アルバイトの内容は道行く人々にアンケートに答えてもらい、その後オーダーメイドの五十九万円の指輪を売りつけるというものでした。

修一はそのアルバイトで三人から契約をとっており、それがきっかけで恨まれて殺されたのではないのかと真美は考えます。

その事実を修一の姉に打ち明けるのですが、そこで真美は修一が死んだのを自分のせいにしたくないだけだということに気が付きます。

真美が初めてのおねだりをしたから修一は死んだのだと。その後真美は、もう二度と『欲しい』なんて口にしないと誓うのだった。


感想

サファイアはあまり後味の良い作品ではありません。

真美は自分が欲しいとおねだりしてしまったから修一は死んだと考えています。しかし元をただせば騙した修一が悪くさらにたどっていくとアルバイトを紹介したタナカが悪いなど原因を探るときりがありません。

修一は真美の初めてのおねだりが嬉しくて研究室の生活が忙しくても真美のために指輪を買ってあげたかったのだろう。

なんだか複雑な物語です。



ガーネット

あらすじ

ガーネットはサファイアの後の真美を描いた物語です。

真美は大学卒業後、小さな食品会社で働きます。そこの広報部でCM制作を担当したところ大ヒットで賞をもらいます。

その後、夢の中で現れた修一に革表紙の本を渡されます。その本は「あなたが作る世界でたったひとつの本」というタイトルでこの本を修一に手渡されたことがきっかけで真美は作品を書いたところ佳作で文芸誌にのります。

色々なことで成功している真美は会社の先輩の女性から嫉妬され、いやがらせを受けるようになります。いやがらせはだんだんエスカレートしていき最終的に階段から突き落とされ殺されかけます。

この出来事をきっかけに会社を退職し修一を殺した人間も同じような人間だと考え、「墓標」という作品を描き上げます。

この作品が大ヒットし映画化することが決定しました。その映画の主演女優と真美が近々対談することが決まり、対談当日二人は人生を変えた品を見せあったのですが相手が見せてきたのはタナカや修一が販売した五十九万円のオーダーメイドの指輪でした。

その指輪は修一ではなくタナカが売ったものだと分かるのですが、その女優は当初は恨んだが自分に似合うオーダーメイドの指輪が届きこの指輪のようになりたくないという一心で努力した結果女優になったみたいです。

指輪を買って幸せそうにしている女優を見て真美はないてしまいます。

次にこれだけは手放せない品として真美はオーダーメイドのカバン、女優はタナカからもらったポストカードをもらいました。ポストカードにかかれた「暁の空に輝くガーネットを見つけた」というメッセージを見て真美は女優にその男性と幸せになってほしいというメッセージを残します。

タナカも修一を巻き込んだ罪に苦しんでずっと幸せになれないままでいたのでした。

対談後真美のもとにあるファンレターが届きます。

そのファンレターの送り主は修一から指輪を購入した人物でした。真美のカバンを対談の写真で見て修一の知り合いだと気が付いたみたいです。

そのファンレターの内容はオーダーメイドの指輪のおかげで幸せになれた、修一と真美に感謝を伝えたいという内容でした。

その夜真美はさらに多くの人を幸せにするためにこれからも作品を書き続けることを決意します。

感想

爽やかな終わり方の作品でした。サファイアが暗い気持ちで終わったのに対してこちらは幸せな作品でした。

最初は恨みをきっかけに「墓標」を書き上げた真美でしたが物語の終わりには自分の憎しみの気持ちで作品を書くのではなく人を幸せにするための作品を書きたいと思えたのがよかったです。

タイトルのガーネットのように暗くなった気持ちがこの作品をよんで明るくなったという人が多いのではないのでしょうか。



最後に

どれも面白い短編ばかりでした。

皆さんはどの物語がお気に入りですか?

私は一番ムーンストーンが好きです。小百合と久実の友情がでていて幸せな気持ちになれる作品でした。

次はどの小説を読もうかな。

友人と鹿児島県の喜界島に行ってきたので旅行記録をまとめます。

名前を始めて聞く人も多いと思いますが喜界島は奄美群島に属する一つの島です。

奄美群島に行くのならば奄美大島に行こうと考える人が多いと思いますが、喜界島はビーチで遊ぶ場合でも奄美大島より人が少ないのでお勧めです。



喜界島旅行記


一日目

喜界島に行くには鹿児島空港で乗り継ぐ方法と奄美空港で乗り継ぐ方法の二つがありますが今回は鹿児島空港で乗り継ぐ方法で行ってきました。

鹿児島空港から喜界島行きの飛行機はプロペラ機で私にとって人生初のプロペラ機です!

この飛行機の最大搭乗人数は36名みたいで大阪 - 東京間とかだと考えられない大きさの飛行機でした。

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いざ飛行機に乗ってみると思いの他プロペラの音がすごく慣れるまでかなり時間がかかりました。

機内では添乗員さんのサービスがすごくよく、黒糖を使用したお菓子をもらったり、奄美諸島のニュースがまとめられている新聞をもらったりして移動時間の約1時間があっという間でした。

喜界空港に着くと空港が思いのほか小さくて驚かされました。空港というより小さな駅に来た感覚です。
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空港に到着してから10分ほど歩いて喜界島にいる間宿泊する喜界第一ホテルに移動します。歩いている間も本州では見ることができないハイビスカスなどの植物を見ることができ新鮮な気持ちです。
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喜界第一ホテルに到着するとチェックインの手続きを済ませた後夕食を食べに行きました。喜界島の名物であるヤギ料理を食べることのできる店を探していることをホテルの従業員さんに伝えると道だけではなく親切にお店の空き状況まで確認していただけました。ホテルの部屋も二人部屋を予約したのに部屋が空いていたからか三人部屋にまわしていただき広く快適でした。
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夕食は大吉という店でいただきました。お寿司がメインみたいですが定食もやっているということでヤギ料理の定食を頂きました。定食にはごはんとヤギ汁とヤギからじゅうりが付いていました。

ヤギ汁はさっぱりしていてすごく飲みやすい味付けになっていました。ヤギからじゅうりは好みが別れそうな味です。料理にヤギの血液やホルモンを使っているのもあり最初は獣臭くくせのある味だなと思っていたのですが食べているうちに美味しさに気が付きはまってしまいました。白米やお酒に合う味だという印象が強いです。
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食後は喜界島をすこし散歩しました。民家の近くにあるる石垣を見るとサンゴからできていました。暗くて分かりにくいですがこれがサンゴの石垣です。翌日島を散策しているときにもたくさん見たので島中にあるみたいです。
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二日目

朝食はホテルで鶏飯をいただきました。本場で食べる鶏飯は初めてですが以前本州で食べたものと同じ味であったため朝食向けでさっぱりしておりすごく食べやすかったです。

二日目はレンタカーを借りて喜界島散策をしました。レンタカーは喜界空港近くのお店で借りました。事前にネット予約をしていたためさくさくです。

島を車で走っているとあらゆるところにあるガジュマルが目にはいります。枝から新たに地面に垂らそうとしている根がすごくなんだか神々しい気がします。
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車で喜界島を一望できる中西公園や百之台公園に行ってきました。

中西公園も百之台公園も両方とも景色が一望できたのですが地元の人の話では中西公園の方は近年あまり整備されていないらしいので、景色を見に行くのなら百之台公園がおすすめです。
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風景を見終わった後は走っている途中で見つけたお店でチキン南蛮定食を頂きました。本州より値段が安くてボリューミーな気がします。
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その後、今回の旅行の目的であるスギラビーチに行ってきました。天気が曇りであまりよくなかったのですが海やビーチはとても綺麗でした。水の透き通り具合や砂の質感が本州のビーチとは根本的に違います。

また他にビーチを使用している人が二組ぐらいしかおらず、ほぼプライベートビーチ状態でした。
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ビーチで楽しんだ後はホテルで地元の食材を使用した夕食をいただいたのですが、写真を撮り忘れるというミスを犯してしまった…。



三日目

三日目は午前9時25分発の便で喜界島を出発するのでホテルで朝食をいただき、そのまま空港に向かいました。本日の朝食は和食でした。

空港では島の住民が見送りに来ていたりして朝から人が多かったです。帰りの便は行きの便より少し大きな飛行機で最大搭乗人数は48人でした。プロペラの音もあまり気にならず行きの便以上に快適だった気がします。



最後に

喜界島はとてもきれいで素敵な場所でした。

私も旅行に行く直前まで喜界島のことを知りませんでしたがまた行きたいと思ったぐらいよかったです。次に行くときはヤギの刺身に挑戦してみたいです。

ぜひこの記事を読んで喜界島の存在を知った人は一度足を運んでみてください。

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辻村深月さんの『朝が来る』が文庫化していたので読んでみました。

『朝が来る』は2016年にドラマにもなっている作品みたいです。本作を読んだ後にドラマの配役を見たのですが旦那役にココリコの田中さんはなんかピンとこなかったな。

本作は家族の絆を描いた作品なので家族の関係で悩んでいる人にはぜひ読んでもらいたいです。



辻村深月『朝が来る』

長くて辛い不妊治療の末、特別養子縁組という手段を選んだ栗原清和・佐都子夫婦は民間団体の仲介で男子を授かる。朝斗と名づけた我が子はやがて幼稚園に通うまでに成長し、家族は平穏な日々を過ごしていた。そんなある日、夫婦のもとに電話が。それは息子となった朝斗を「返してほしい」というものだった——。







感想

『朝が来る』は色々と考えさせられる作品でした。物語を楽しんで読むというより特別養子縁組や本当の家族の絆について考えさせられる作品であったという印象が強いです。

本作は40代で子どもを授かった栗原夫婦と10代で子どもを妊娠・出産した片倉ひかりの二つの視点から構成されている作品となっています。

特別養子縁組で朝斗を授かった栗原佐都子の視点では、血のつながりがなくても朝斗が大切であることや特別養子縁組で朝斗を授かるまでの過程が語られており、不妊治療に対する男女間の考えの違いや、養子に対する日本国内での考え方が分かります。

一方朝斗を生んだ実の母である片倉ひかりの視点では、10代で子どもを産むことになった苦難や朝斗を産んだ後の人生について書かれています。若くして妊娠した女性の一例が描かれています。

『朝が来る』では望まれずに生まれてくる子ども、子どもを授かることができない夫婦、避妊の考えが甘く若くして妊娠してしまった女性など実社会で実際に問題となっていることが取り上げられています。

こうした問題に関心のある方にはぜひ読んでほしいです。またこうした問題について詳しく知らない人でも本作をきっかけに興味を持ってほしいです。

私は特に男性に読んでもらいたいと思った作品でした。多くの男性は不妊治療に関して女性だけの問題であると考える方が多いと思いますが男性にも問題がある場合があると知ってもらいたいです。


以下多くのネタバレを含みます本作を未読の方はご注意ください。



































栗原夫妻の家族に対する思い

第一章では、朝斗が養子であるが栗原夫妻にとってどれだけ大切な存在であるかが語られています。

朝斗が大空君がジャングルジムから落とされたという疑いをかけられた場面でも朝斗が大空君のことを落としていないという発言を佐都子は信じようとします。

普通の親ならば大空君一家が同じマンションに住んでいるため問題を荒立ててしまうのは自分にとって嫌なので、朝斗が悪くないと思っていてもとりあえず謝っておこうとなる人が多いのではないのでしょうか。しかし。佐都子は不安になることもありましたが謝りませんでした。

結果的に大空君が親に怒られるのが嫌で嘘をついたということでしたが、佐都子のように朝斗が本当のことを言ってるにしろ嘘を言っているにしろ真実が分かるまで信じてあげるというのは家族の絆を育むうえでとても重要なことなんでしょうね。

また片倉ひかりと話し合いをした場面でも栗原夫妻の朝斗に対する思いが分かります。

朝斗にはベビーバトンの方針であるということは関係なく昔から少しずつ自分たちは産みの親ではないということを教えていました。もし朝斗が産みの親に会いたいと言い出せば夫婦はどうにかして片倉ひかりの連絡先を探し出し合わせたに違いありません。

また栗原夫婦は朝斗のことを大切にしていると同時に朝斗を産んだ片倉ひかりにとても感謝していました。

そのため朝斗をネタにしてお金をゆすろうとする女性が片倉ひかりである信じようとしませんでした。彼女に感謝し尊敬しているからこそ朝斗の年齢を間違うなどの小さな疑問が脅迫してお金を盗ろうとしている女性が片倉ひかり本人ではないと確信をもって言うことができたのだろう。



朝斗を授かるまでの長い道のり

第二章では、特別養子縁組の制度で朝斗を授かるまでの栗原夫婦の長い道のりが描かれています。

30代半ばで母親に不妊治療をしたほうがいいのではと言われたことをきっかけに、栗原夫婦は話し合い不妊治療を始めることを決めました。

当初は妻である佐都子のみが不妊治療に通っており夫はどこか他人事でした。こういった妻だけが不妊治療を行っているというのは実社会でもよくある問題みたいで男性は自分が原因でないと思っている人が多いみたいです。

けっきょく妻が夫にも不妊治療に一緒に行くように促したおかげで子どもができない原因は夫にあることが分かりました。

夫は無精子症であるみたいで、原因が分かってから不妊治療を続けるか夫は葛藤しますが最終的に治療を行うことを決意します。女性の不妊治療も過酷ですが男性の不妊治療も多くの時間や痛みが伴うため仕事を続けながら行うのは大変みたいです。

不妊治療を夫婦で続けて四年が経過したころ力尽きた夫の表情を見た佐都子は「もうやめよいうか」と清和に優しい言葉をかけます。

「止めたいって言えなくてごめん」と話す夫の言葉は読んでいて涙が止まらない場面でした。

こうして二人はこれからも二人だけで生きていくことを決めますが、その直後に自宅で特別養子縁組に関する番組を見ます。

特別養子縁組に興味を持ったのは佐都子だけだと思っていましたがインターネットで調べてみると清和が検索した履歴が残っていました。

このことから夫婦ともに特別養子縁組で子どもを授かりたいことが分かり、ベビーバトンの説明会に行くことを決めます。

ベビーバトンの説明会の前半では特別養子縁組を組む条件が厳しいなど暗い話ばかりでしたが、後半には特別養子縁組で実際に子どもを授かった家族が表れて子どもの良さについて語ります。

この説明会の中で特別養子縁組は、「親が子どものを探すためではなく、子どもが親を探すための制度」と説明され栗原夫婦は大人の事情ではなく子どものための制度であるということが分かり子どもを授かる準備を整えます。

それからすぐに広島で赤ちゃんが生まれたという知らせをうけ病院まで直接行き栗原夫婦は朝斗を授かります。その後、片倉ひかりに赤ちゃんを産んでくれたことのお礼を言いにいきます。

朝斗の名前の由来の「朝が来たような思いがしたこと」という台詞から夫婦が朝斗を授かったことで長いトンネルから抜け出せたのが分かりますね。

この章を読んで親のためではなく子どもの未来を助けるために養子をとることは悪いことではないと分かりました。現在の日本では養子は少ないでしょうが、朝斗のような子どもを助けるために養子のための制度を充実させてほしいですね。



片倉ひかりの人生

第三章は、片倉ひかりが赤ちゃんを産む少し前の場面から始まります。

片倉ひかりは四人家族の次女ですがこの家族の父と母は真面目すぎて少しおかしな考えを持っています。

真面目であるがゆえに娘たちの若いうちからの交際を認めなかったり、娘たちが悪い友人と付き合っていないか確認するために携帯を無断で除くなどプライバシーのない家族です。(ここまでするのなら携帯なんて与えなければいいのに)

姉は親の期待通りの私立中学校に合格するなど親の考えていたレール通りの成長を歩みます。一方妹であるひかりは受験に失敗し公立中学校に進学することになってしまいこのあたりから両親との溝ができてきます。

ひかりは中学2年のときにクラスの人気者の巧と両親に内緒で交際を開始します。交際を開始してからしばらくで体の関係を持ちその後ひかりは妊娠してしまいます。

この妊娠するまでの場面は、辻村深月さんが若い男女は避妊についての認識が甘いことを表現したかったのでしょう。またひかりは真面目すぎる親に縛られすぎたばかりにこういった大人びた行動をとりたがったため両親の教育方法にも責任があります。

妊娠が発覚後既に中絶できない段階まできており、出産するしかなく両親はベビーバトンに連絡し広島で出産することが決まりました。妊娠した後も巧も子どもを欲しがっているなどと考えているひかりは読んでいてかなり気の毒でした。

広島では他のベニーバトンの世話になり妊娠している人たちとの共同生活を送ることになりました。同室のコノミは夜の街で働いた末に妊娠してしまった人でした。コノミたちなどからひかりは多くのことを学びました。

もしここでコノミたちに出会わなければひかりの人生はこの先落ちるところまで落ちっていってたのだろう…。

出産が終わり栗原夫婦に子どもを預けたひかりは栃木県に戻ります。母親は世間体を気にして学校には肺炎と伝えていたので妊娠の事実を隠せました。

学校にはひかりが妊娠した事実は伝わっていなかったが母親は

しかしその後も高校受験を失敗し、それを知った母は自分の敷いたレール通りに進まなかった娘に対して「やっぱりね」といいます。

この一言でひかりは母親との関係をたつために高校に入学してしばらくしてから広島のベビーバトンにいくことを決意します。

広島で妊娠中に生活を送っていた寮を訪問したひかりは浅見に住み込みで働かせてほしいとお願いします。それからしばらくベビーバトンで手伝いをしますがその後活動が終了することを知ります。

ベビーバトンの活動終了後も家に帰りたくないひかりは浅見に別の仕事を紹介してもらいそれは住み込みの新聞販売店の仕事でした。

そこで贅沢はできないが地道に働きますが、そこで夜逃げした同僚の借金の保証人になってしまいひかりも同僚と同様に夜逃げしてしまいます。

夜逃げし東京に向かったひかりは横浜のホテルで清掃員の住み込みの仕事を始めます。

清掃員の仕事も給料は安いがコツコツ真面目に働いていたが、そんなひかりのもとに借金取りの男が現れます。

借金から解放されたいあまりにひかりはホテルの金庫の金に目がとまりその金で借金を返してしまいます。

借金は返せたが金庫からお金を盗ったのが管理人にばれてしまいます。盗んだ金を返済するためにひかりは栗原夫婦に金を借りて返済することを決めました。

ここで第一章で栗原夫婦に子どもを返してほしいといっていたのが本物の片原ひかりであったということが分かります。

しかし。栗原家を訪れたひかりは自分がひかり本人でないと言われ、栗原夫妻がありもしない理想のひかりを自分の家族と同じようにみていることに気づき絶望に落ちます。

生きる希望を失いかけたひかりは栗原家を訪れた一か月後ふらふらとホームレスのように徘徊しているのを佐都子に見つけられます。

佐都子の「一緒に行こう」というセリフで物語は終わってしまいますが、その後は栗原夫妻の助けがあり片原ひかりも幸せあ人生が送れているのではないのでしょうか。



最後に

本作は冒頭でも言ったように実際に起きている社会問題を題材として取り上げている作品です。

年代問わず多くのかたに『朝が来る』を読んでもらい様々な問題を受け入れてほしいです。

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