としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

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ゲーム開発初心者がUE4の極め本と呼ばれている『Unreal Engine4で極めるゲーム開発』をUE4の現時点の最新バージョンである4.26.2を使って勉強していきます。

極め本を最新バージョンで勉強したい人の役に立てれば幸いです。あくまで最新バージョンと極め本の差を紹介する記事ですので、極め本と並行して読んでいただければ幸いです。




本記事では、『第3章 UE4のインターフェイスと基本的な操作方法』を勉強していきます。



3.1 「サンドボックス」プロジェクトを作成する


3.1.1 プロジェクトの作成


ゲームを選択して、次へをクリックします。

キャプチャ

Blankを選択して、次へをクリックします。

キャプチャ

ブループリントが選択されていることを確認して、プロジェクト作成をクリックします。

キャプチャ




3.2 アンリアルエディタのインターフェイス


3.2.2 モード


モードパネルの場所がツールバーへと移動しています。

キャプチャ


3.2.4 ワールドアウトライナ


名前がワールドアウトライナからアウトライナに変わっています。

キャプチャ


3.2.6 ツールバー


モードパネルが追加されているのに加えて、アイコンの名前が微妙に変化しています。

保存   → 現在のレベルを保存
マーケットプレイス → マーケット
マチネ   → シネマティクス

キャプチャ





3.3 ビューポートの操作


極め本にはカメラタイプの種類が4種類と書かれているが、7種類に増えている。

キャプチャ


パースペクティブ
キャプチャ


キャプチャ


キャプチャ


キャプチャ


キャプチャ

前面
キャプチャ


キャプチャ



3.4 レイアウトのカスタマイズ


レイアウトのリセット方法が変わっています。

[ウィンドウ] → [レイアウトをロード] → [デフォルトのエディタレイアウト]を選択することでレイアウトがリセットできます。

キャプチャ



まとめ


本記事では、『第3章 UE4のインターフェイスと基本的な操作方法』の最新バージョンでの変更点を紹介していきました。

細かい部分が意外と変わっていますね。

近いうちに次は第6章の変更点の紹介記事を書きます。

第6章の変更点の紹介記事を書きました。






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Kindle Singleで三浦しをんさんの『天上の飲み物』を読みました。

もともとサントリーのPR詩に寄稿されていた作品であるため、主人公はワイン大好きの吸血鬼という設定でした。

以下、あらすじと感想になります。



三浦しをん『天上の飲み物』のあらすじ


永遠のときを生きることができる吸血鬼。

彼らは同族同士で恋をすることがなく、子どもを作ることができないため一族を増やすためには好きになった人間に血を与えるしか手段がない。

あるとき、一人の男の吸血鬼が自分の生活を変化させるため、人間と同じように朝早く起き、血の代わりに料理を食べるようにした。

そんな人間のような吸血鬼を最も虜にしたものはワインだ。

甲州産のワインにはまった吸血鬼は居住地を日本へと移し、現在は酒屋の2階でアルバイトをしながら暮らしている。

吸血鬼は現在一人の女性と恋仲にあった。彼女は吸血鬼と同じようにワイン好きだ。

彼女との生活が続いたある日、彼女から結婚願望があることを聞かされる。

吸血鬼は彼女に血を与えて永遠のときをともに過ごすことを選ぶのか、それともいつものように一人女性の元から去ることを選ぶのか…。



感想(ネタバレあり)


吸血鬼と女性が恋仲になるというのはよくある設定なのですが、本作では他の作品よりも吸血鬼が人間らしいという設定がよかったです。

にんにくも十字架も平気な吸血鬼で、食事に関しても牛丼にはまっていたりして人間の生活に溶け込みすぎていて人間との違いが分からないというの面白いです。

アルバイトしながら大学に通う苦学生でそこらのダメ人間よりも人間らしい生活を送っている気がしますね。



吸血鬼の苦悩


本作は永遠のときを過ごすことができる吸血鬼の苦悩を描いていました。

吸血鬼は永遠のときを生きることを退屈に感じてしまい、人間のような生活を送り始めます。

しかし、どれだけ人間に近づこうとも老けることのない吸血鬼は人間のように愛する人と永遠に生きることができないという悩みがあります。

唯一永遠に生きる方法として愛する人に自分の血を与えるという手段がありますが、これをしてしまうと吸血鬼にしてしまった女性に対して好きという気持ちが薄れてしまうという制約がありました。

こうした吸血鬼の生き様を見ていると人生に限りがあるというのは幸せなことかもしれないと感じてしまいました。

多くの人間は永遠のときを若いまま過ごしたいと思っているかもしれませんが、それが実現してしまうときっと吸血鬼のようにいつかは退屈に殺されてしまう人生が待っているに違いません。

人間の人生には限りがあり、終わりがあるからこそ今を少しでも充実した時間にしようと努力できるのでしょうね。





ワインの描写について


本作がもともとサントリーのどのようなPR詩に乗っていたのかは分かりませんが、甲州ワインを押しているだけあってサントリーがだす甲州ワイン関連のPR詩に載っていたことが予想できました。

作中に有美が上質なワインを茶碗で飲んでいる描写がありますが、これはワイン好きにとっては衝撃的ですよね。

せっかくいいワインなんだからグラスもしっかりと厳選して飲みたいところなのにそれを茶碗で飲むとは…。

このときばかりは永遠のときを生きる吸血鬼の気持ちが理解できない私でも、吸血鬼と同じくもったいないという気持ちになってしまいました。

PR用に書いている作品だけあって読んでいたらワインが飲みたくなってきた。



まとめ


今回は三浦しをんさんの『天上の飲み物』を読みましたが、単行本化されていない作品を読めるのがKindleのいいところですね。

これからもKindleを使って単行本化されていない作品を読んでいきたいです。






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乾くるみさんのジグソーパズル48を読みました。

タイトルのようにジグソーパズルみたいに読み進めていくたびに謎が解けているようで面白かったです。

本作は私立曙女子高等学院を舞台とした短編小説で、本書のタイトルから短編のタイトルまで全てがAKB48の曲名というなかなか斬新な作品でした。

登場人物もAKBのメンバーのアナグラムになっておりAKBファンなら楽しんで読めるかなという作品でした。

以下、あらすじと感想になります。



あらすじ


私立曙女子高等学院には、問題児と優秀な生徒たちばかりを集めるクラス通称マルキューが存在する。

ある日、家が貧乏でゴスロリショップでアルバイトしていたことがばれた問題児?である小和田七緒がマルキューに移動してきた。

彼女の家庭の事情を知ったマルキューのメンバーは彼女が高校の特待生資格を取れるように勉強を教えることとなった。

試験後無事特待生となれた小和田七緒だったがその結果にはマルキューメンバーの密かな策略が実行されていた…。

このほか、いきなりデスゲームが始まる「ラッキーセブン」、

いちごの盗難事件が発生した「GIVE ME FIVE」、

自分が住んでいるアパートで起きた殺人事件を解き明かす「三つの涙」、

スマホを盗んだ半にを見つけ出す「女の子の第六感」、

背後から人を殴った犯人を突き止める「偶然の十字路」、

友のために協力する女子高生を描く「ハチの巣ダンス」の六篇を収録。



感想(ネタバレあり)



ラッキーセブン


こちらは乾くるみさんが出している『セブン』にも収録されている作品です。

久しぶりに読んだのですが、主人公の鹿島田春とともにデスゲームに挑んでいるような気持ちになれてハラハラして面白いですね。

おそらくボードゲームや人狼とかが好きな人は相手の裏の行動を考えながらゲームすることが多いと思うので、田春とともに相手の裏を考えていた人が多い気がします。

個人的には千織との戦いが最終局面感があって一番好きです。

短編ということもありますが、本作のデスゲームを起こした眉子はなかなかぶっ飛んでますよね。

悪魔に頼りまくった結果自分の寿命が短いのをいいことにデスゲームを始めるとは…。



GIVE ME FIVE


事件自体は苺を盗んだ犯人を捜すという可愛らしいものでしたが女性の嫉妬の恐ろしさを感じさせられる作品でした。

事件が起きたと伝えに来た縄取が犯人だというのは予想できなかったので、犯人が分かったときは裏をかかれたなという気持ちになりました。

犯人が相手をだますために事件を起こすなんてよくありそうな展開な気もしますが、いちごを盗むという可愛い事件が原因で真相を突き止められなかった気がします(笑)





三つの涙


個人的には今回の短編の中で一番好きな作品でした。

オチの恐ろしさに乾くるみらしさを感じることができました。

三つの涙は悲しみの涙、嬉し涙、悔し涙だよと聞いた直後に母親が殺人犯だと分かり、三つ目の涙は悔し涙ではなく恐怖の涙だというオチにぞっとしました。

イニシエーション・ラブとか好きな人にはこの作品は絶対に読んでもらいたいと思いました。



女の子の第六感


中った(あたった)をなかったと読んだことが原因で発生した事件の真相を解いていく物語でした。

一休さんのようなとんちがきいたような話で笑えました。

ただ、女子高だけどジェンダー問題を意識した準制服の設定をもう少し生かしてほしかったです。

せっかく主人公が準制服着てるのに意味ないやんという感じでもったいなく感じました。



マルキュー


女子高生が貧乏生徒のために勉強を教えてあげるという良い物語だと思いましたが、オチでやられてしまいました。

まさか勉強を教えて成績を上げようとしたのではなく、別の生徒が七緒の名前で答案を提出していたとは…。

でも確かにこの不正方法は賢いなと思いました。

答案用紙を後ろから集めるような学校だと名前を入れ替えて書いていたとしても気が付かないような…。

学生には知ってほしくない不正テクニックですね。



偶然の十字路


被害者の右音がずっとトイレから戻った後に被害にあったということでみんなのトイレに行く時間をもとに事件を解こうとしたが検討違いだったというオチでした。

実際、殴られて無意識の状態で漏らしたとしても後片付けされたら漏らしたことを覚えてないのかな?

記憶が混濁しているとはいえどうなのかが気になりました。



ハチの巣ダンス


生徒たちの友情を描いた作品ということでマルキューと内容が被っておりジグソーパズル48の最後をしめる短編としては個人的には微妙かなという印象の作品でした。

みんなで悪い男からスマホを取り戻そうぜというところまではまだよかったのですが、最後千草と虹華が双子だったというオチはいらなかった気がした。

最後にパズルのような箪笥を開けていく設定なのは本書のタイトルともあっていて良かったと感じただけに残念でした。



まとめ


ジグソーパズル48は全体としてみたら面白い作品もありよかったのですが、乾くるみさんの作品だと考えると少し物足りない印象が残りました。

リピートやイニシエーション・ラブが好きな自分としてはタロットシリーズ的な作風を本作にも求めてしまいました。

パズル的な要素が好きな人にはおすすめですのでぜひ読んでみてください。






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C#からDOSコマンドなどの別プロセスを実行する方法が分からず、方法を調べたので忘備録として記録します。


C#でコマンドを実行する


結論からになりますが以下のコードでDOSコマンドを実行することができます。

using System;
using System.Diagnostics;

class ExecuteCom
{
    public static void Main()
    {
        ProcessStartInfo processStartInfo = new ProcessStartInfo("cmd.exe""/k dir");
        Process.Start(processStartInfo);
    }
}

コードの簡単な説明になりますが、ProcessStartInfoの第一引数にコマンド、第二引数にコマンドの引数を与えてあげて、Process.Start()をコールすることでコマンドを実行することができます。

今回はdirコマンドを実行してみた例になります。



コマンドが終了するまで待つ方法


先ほどのコードではコマンドを終了することを待たずにプログラムが進んでしまいます。

そこで、同期的にコマンドを実行させたい場合は、process.WaitForExit()を使いましょう。

先ほどのコードを改造して同期的にコマンドを実行しているサンプルコードは以下の通りです。(クラス名などは変わっていないため省略しています。)

ProcessStartInfo processStartInfo = new ProcessStartInfo("cmd.exe""/k dir");
Process process = Process.Start(processStartInfo);

// プロセスが終了するまで待機
process.WaitForExit();
// プロセスを終了させる
process.Close();

process.WaitForExit()の後に書いているprocessStartInfo.Close()はプロセスを終了させるためのコマンドです。

これをコールしないとゾンビプロセスが残ってしまうのでコールし忘れには気を付ける必要があります。



コマンドプロンプトを非表示にする


コマンドを呼びだすたびにコマンドプロンプトの窓が起動するのが嫌な場合、ProcessStartInfoクラスのプロパティを変更することで非表示にすることができます。

変更するプロパティは以下の二つです。

  • CreateNoWindow
  • UseShellExecute

先ほどのコードを改造してコマンドプロンプトが表示されないようにしていきます。

ProcessStartInfo processStartInfo = new ProcessStartInfo("cmd.exe""/k dir");
processStartInfo.CreateNoWindow = true;
processStartInfo.UseShellExecute = false;
Process process = Process.Start(processStartInfo);

これでコマンドプロンプトのウィンドウが開かなくなりました。



まとめ


C#のプログラムからコマンドを実行したい場合、ProcessクラスProcessStartInfoクラスを使えばよいことが分かりました。

出力結果などをC#側で取得する方法などもあり色々できそうなので気になる方は調べてください。







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Kindle Singleで読むことができる池井戸潤さんの『なるへそ』を読みました。

珍しく経済的な内容が絡まない池井戸潤さんの短編作品ですが、オチも面白く思わずなるへそと呟いてしまいました。

以下、あらすじと感想になります。


【目次】
あらすじ
感想
まとめ




池井戸潤『なるへそ』のあらすじ


いつも「準備中」の札がかけられている一見お断りの小さな寿司屋『皆藤』。

この店で月に一度、4人の男たちが毎回一人のゲストを招いて『黒焦げ蜘蛛の会』と名付けた買いを開いている。

この夜、招かれたゲストは落語家のごぼう。

話しの流れで、ごぼうは4人の男たちに自らの悩みを打ち明けることになる。

彼の悩みを解決しようと議論を交わす4人であったが、いくら考えても分からない。

そんなときある意外な人物がごぼうの悩みを解決することになった。

池井戸潤が送る短編ミステリ小説。






感想(ネタバレあり)


池井戸潤さんが得意な銀行や企業が関係する経済的な物語ではありませんが、登場人物のテンポの良い会話が面白い作品でした。

この作品自体は30ページほどの短い作品ですが、オチがしっかりしていて短編でここまで面白いミステリ小説が書けるなんてさすがだという感じです。

この物語の主人公が落語家ということもあり、落語的な物語を書こうとしたことが伝わってきました。


この物語のオチは子どもがカタカナの『メルヘン』という文字を『ナルヘソ』と読み間違えているというオチでした。

確かにこうして文字を横に並べてみると、メルヘンとナルヘソを読み間違えてしまうのも分からなくはありませんね。角度を変えたらだんだんそう見えてくる気がします。

物語を読みながら『なるへそ』ってどんな店なんだろうと考えていたため冒頭にも述べた通り、この物語のオチを読んだとき思わずなるへそと呟いてしまいました。

嘘をついていない子どもの言葉に、まんまと騙されている大人5人の様子は何度読んでもおもしろいですね。



まとめ


『なるへそ』はいつもの池井戸潤さんとは違うテイストの作品でしたが、さっくり読める作品で面白かったです。

他にも池井戸潤さんがこういった短編を書いているんだったら読んでみたいですね。





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浅原ナオトさんの『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』を読みました。

web小説が原作ということとタイトルから読む前はライトノベルのような感じの内容だと思っていたのですが、LGBTという難しい題材を上手く扱っている作品でした。

この作品を読むことでLGBTの人の気持ちを理解するのにつながるのではないのでしょうか。

以下感想を書いていきます。ネタバレも含むので未読の方は注意してください。



あらすじ


男子高校生である安藤純は、同性愛者であることを家族にも友人にも告白することができず辛い日々を過ごしていた。

あるとき、同性愛者の作品を楽しむ、いわゆる腐女子と呼ばれる同級生の三浦紗枝と友達になる。

彼が仲良くなっていくうちに紗枝は純に恋愛感情を抱き彼が同性愛者と知らないまま告白することになる。

純は紗枝に自分がホモであることを隠したまま告白を受け入れた。

しかし、時間がたつにつれて真実を隠すのが辛くなってきた純にある事件が起きた。

その事件をきっかけに彼らの関係は予想外の方向へと進んでいく。

同性愛者であることを告白できない少年の奮闘を描いた物語。



感想



LGBTについての考え方が大きく変わった


本作の主人公である安藤純は高校生の少年で年上の男性が好きないわゆる男性同性愛者(ゲイ)です。

彼がゲイになったのは幼いときに両親が離婚してしまい、母親と二人で暮らすことになったことで父親の愛情に飢えてしまったという要因があります。私は知らなかったのですが、LGBTにの人たちは生まれた段階からLGBTの人はほとんどおらず、後天的な要因でLGBTになる人が多いみたいです。

純は男性が好きだが、将来的には女性と結婚して家族がほしいという夢がありました。私は今まで同性愛者の人は社会的名誉のために異性としかたなく結婚し、その結果子供ができている人ばかりだと思っていたのですがこれは偏見だったみたいで、家族が欲しいけど異性を愛することができないという悩みを抱えている人もいるみたいです。

純はまさにこのタイプで、彼女になった三浦さんと性行為に及ぼうとしますが女性と肌を触れ合っても性的興奮を覚えることができず最後まで性行為をすることができませんでした。

また、一部のLGBTの人には普通の人と違うのが嫌だという気持ちを持っている人もいるみたいで、異性に性的興奮を覚えることができない自分の存在が嫌だと感じる人もいるみたいですね。

これらの他にも本書を通して以前よりLGBTに対する理解が深まりました。本書を読んで気が付いたのは私はけっこうLGBTに対して偏見を持っていたみたいです。これは大きく反省しなければならない点です。





マイノリティには周りからの理解が必要


LGBTに限った話ではないのですがマイノリティの人が楽しく生きることのできる世の中を作るためには周りの理解が必要だと再認識しました。

小野が純がゲイであるということを学校中に広めたことが原因で、純は自殺未遂をしてしまうほど追い詰められてしまいます。

純が孤独な存在だったらこのまま立ち直れなかった可能性がありますが、三浦さんや亮平、純の母親がLGBTだからといって差別するのではなく、理解しようとしてくれたおかげで純は立ち直り再び高校に通い始めることができました。

一方、ミスター・ファーレンハイトには理解者が彼氏であった従兄しかおらず、家族からも普通になれと言われ続けた結果自殺をしてしまいます。もし、ミスター・ファーレンハイトの周りにも理解者がいれば純と生きたまま会うことができたかもしれません。

マイノリティの人たちは自分たちの理解者として、ネット上で見つけた自分と同じ仲間だけではなく、マジョリティの存在がマイノリティのことを理解してくれることを求めています。

人間は同調圧力が強い動物であるがゆえに、少数派の存在を恐ろしく感じてしまいがちです。しかし、少数派の人たちを差別して生きるのではなく、ともに楽しく生きていける世の中を実現するために理解しようとしなければなりません。

私はもし親友がマイノリティの存在であったとしても、亮平のように差別することなく親友を大切にしていける存在になりたい。


青春小説としても良かった


作品のテーマからどうしてもLGBTのことばかり感想で出てきてしまいますが、『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』は青春小説という点で見てもなかなか面白かったです。なのでLGBTには興味がないけど青春小説が好きという人にも読んでもらいたいですね。

中高校生が読んだら亮平や三浦さんの思いに同調できる人が多いのではないのでしょうか。大人が読んでも昔のことを思い出せるだろう。

三浦さんは初めて自分が好きになってしまった人が同性愛者であり、その事実を知った後も自分のことを見てもらおうと努力を続けていました。努力を続ける三浦さんの行動一つ一つがかわいくて終盤は終始キュンキュンしまくってしまいました。結果的に純が男性が好きという点は変化せず、三浦さんと純は別れてしまいましたが一生ものの親友となることができたので良かったのではないのかもしれません。

亮平は親友である純のために自分が好きであった三浦さんを諦めるといったなかなか男らしい人物でした。純が同性愛者だと分かったときに亮平の心境は複雑だったはずなのにそれでも親友を守ろうとするところがかっこよかったです。

また、友人キャラとして小野はなかなか良いアクセントとなっていました。小野のようなはっきりと正面からものを言える人物がいたおかげで、本書のテーマのLGBTについて読者が深く考えられるようになっていたのでしょうね。



まとめ


LGBTについて少しでも関心があるかたはぜひ本書を手に取って読んでみてください。

最近の調査では10人に1人がLGBTであると言われています。決してすくなくない数なのでこの機会にLGBTについて理解を深めてみてはいかがでしょうか。




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浅原ナオトさんの『今夜、もし僕が死ななければ』を読みました。

死の近づいている人間が見えるというよくある主人公の設定だったのですが、主人公が成長していく過程でその能力を持っている意味についての結末が結構意外な感じで面白かったです。

以下、あらすじと感想になります。



あらすじ


新山遥には死の近づいている人が分かる。

死が合近づいている人には、胸のあたりに海が見えるのだ。海が見えた人は長くても2週間以内には亡くなってしまう。

遥がどれだけ海が見えた人を救おうと躍起になっても彼らの寿命を変えることはできない。

死が見えるようになったのは、十歳で交通事故に遭い、両親と妹を失ったころからだ。

遥は自分だけがなぜこのような能力を持っていて、どのようなことのために使えば良いのかが分からず悩み続けている。

この能力を持っている意味を見つけるために、遥は死の近い人々に声をかけ死ぬことを伝え寄り添おうとする。

その行動をしたとき、たいていの場合人に煙たがられるが、まれに感謝されることもある。

14歳、17歳、20歳に出会った死が間近な人をきっかけに少しずつ変化していく遥。

24歳になり愛する人ができわが子の誕生を待っていたが、生まれてきた子どもの胸には海が見えた…。

死が見える少年の苦悩と成長を描いた運命の物語。



感想


遥の能力の正体


遥は24歳に子どもが誕生するときまで自分の能力は人の死が見えるというものだと思っていました。

我が子の誕生で彼の能力は死が見えるだけではないうということが分かります。

能力の正体は生まれるときには命が海から来て、死ぬときには海へ還ることを見ることができる能力でした。

この能力の正体が分かったとき素敵な能力だで良かったと思いました。

ただ、自殺をしようとしている人間に対して海が見えないのは、自殺では海に還れないよということを強調しているようで切ない気持ちになりました。

第三幕で自殺してしまったリュウの骨は海にかえされましたが、彼の魂は海に還ることができなかったのでしょうね…。

この作品を読んでどんなに辛くても自殺はするな、最後まで精一杯あがいて生きろということを遥の能力から教えられました。



遥の子どもの誕生シーンについて


遥の子どもに海が見えてしまったとき、私は彼の能力は死を見ることができるだけのものだと思い込んでいたので、両親や兄弟だけでなく子どもまで遥から奪ってしまうのかと物語を読み進めるのが辛い気持ちになりました。

第四幕のタイトルが「二十四歳、『STAND BY ME ドラえもん』」だったこともあり、子どもがすぐに死んでしまったけど、生まれて来てくれたことに感謝するという不幸な結末なのかなと予想していました。

しかし、実際は我が子の胸に海が見えたのは、遥に海から来たのことを知らせて命の祝福を遥にしてもらおうとしていたのです。

このシーンを読んだときは遥良かったねという気持ちがピークに達してい号泣しましたね(笑)



遥が能力を持つ意味


『今夜、もし僕が死ななければ』では物語を通して遥が能力を持つことの意味を悩み続ける様子が描かれ続けていました。

能力を得た当時、同じ能力を持つおばあちゃんが死の近づいている人に死ぬ前に後悔しないように死を知らせてあげているということを教えてもらったこともあり、遥もその影響を受けて死を教えてあげるということを続けていました。

我が子が死ぬかもしれないと思った場面では、遥が涙を流せなくなってしまったことも相まって彼は能力を持つ意味をみんなの感情のゴミ箱になって悲しみで止まっている時間を進めてあげるためだと誤解してしまいます。

しかし、我が子が誕生したことや昔のおばあちゃんの行動を思い出して彼は能力を持っている意味なんてないんだということを悟りました。

これは著者の浅原ナオトさんが生きている意味がないと悩んでいる読者に対して、生きていることには意味がないかもしれないけど、死を選ぶぐらいなら意味なく生きてということを伝えたかったのではないのかと私は思いました。

なので私が今後自分の生きている理由について悩むことがあれば『今夜、もし僕が死ななければ』を思い出してとりあえずがむしゃらに生きていこうと思いました。



まとめ


『今夜、もし僕が死ななければ』は後悔がないように前向きに生きていこうよということを教えてくれる作品でした。

私には自分の死を予想したり、人の死を見ることができませんがいつ死ぬことがあっても後悔が残らないようにしたいと思いました。

本作を読んで浅原ナオトさんの別の作品に興味を持った方は以下の作品もおすすめですので読んでみてください。









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本記事ではVisual Studioを使ってWPFの開発環境を構築する方法を紹介していきます。



Visual Studioのダウンロード


最初にVisual Studioをインストールします。

すでにインストール済みの人は読み飛ばしてもらっても大丈夫です。

Visual Studioは以下のリンクからダウンロードできます。



コミュニティ版は学生、個人利用者、オープンソース貢献者は無償で使用できるみたいです。マイクロソフトは心が広いですね。

以下の画面の赤で囲まれている部分をクリックすることでダウンロードすることができます。

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ダウンロードが完了したらインストーラを起動してください。

インストーラを起動したら続行をクリックします。

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次に.NET デスクトップ環境にチェックを入れてインストールボタンをクリックしてください。

そうするとインストールが始まります。

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インストールが完了すると一度PCの再起動を求められるので再起動してください。

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再起動がしたらデスクトップからメニューを開いてVの項目にあるVisual Studio2019を起動してください。

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起動するとマイクロソフトアカウントでのサインインが求められるのでサインインしてください。

アカウントがない場合は、アカウントを作成してください。

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サインインすると配色の設定が聞かれるので好みの色に設定してVisual Studioの開始をクリックします。

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以下の画面が起動したらVisual Studioが起動できたためインストールは完了です。

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WPFプロジェクトを作成する


Visual StudioがインストールできたろことでWPFのプロジェクトを作成していきます。

以下の画面から新しいプロジェクトの作成をクリックしてください。

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検索ボックスにWPFと入力して、以下の画像の赤枠で囲っているWPFアプリケーションを選択して次へをクリックしてください。

Visual Basic用などと間違えないように注意してください。

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プロジェクト名や場所は適当なものを入力して次へをクリックしてください。今回はデフォルトのままで進みます。

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ターゲットフレームワークもなんでもいいのですが今回は現時点で最新の5.0を使用します。

ターゲットフレームワークが選択できたら作成をクリックしてください。

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以下の画面が表示されたらWPFプロジェクトの作成は完了です。

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Hello Worldアプリを作成する


プロジェクトが作成できたら、ボタンを押したら画面にHello Worldと表示する単純なアプリを作成します。

ここではあくまでアプリを実行することを目的とするのでコードの意味などは説明しません。

MainWindow.xamlのコードを以下に示します。

<Window x:Class="WpfApp1.MainWindow"
        xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
        xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
        xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
        xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
        xmlns:local="clr-namespace:WpfApp1"
        mc:Ignorable="d"
        Title="MainWindow" Height="450" Width="800">
    <Grid HorizontalAlignment="Center" VerticalAlignment="Center">
        <StackPanel>
            <Label x:Name="Label1" Margin="10" Height="40" Width="200" HorizontalContentAlignment="Center"/>
            <Button Content="ボタン" Height="40" Width="80" Click="Button_Click"/>
        </StackPanel>
    </Grid>
</Window>

MainWindow.xaml.csのコードを以下に示します。

using System.Windows;

namespace WpfApp1
{
    /// <summary>
    /// Interaction logic for MainWindow.xaml
    /// </summary>
    public partial class MainWindow : Window
    {
        public MainWindow()
        {
            InitializeComponent();
        }

        private void Button_Click(object senderRoutedEventArgs e)
        {
            Label1.Content = "Hello World!!";
        }
    }
}

このコードを張り付けて、実行ボタンを押すとアプリが起動します。

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ボタンをクリックすると画面中央にHello Worldと表示されます。

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まとめ


Visual StudioをインストールしてWPFでHello Worldアプリを作成するまで1時間ほどでできました。

関係ないですがいつの間にかホットリロード機能が付いたんですね!








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森見登美彦さんの『新釈 走れメロス 他四篇』を読みました。

近代文学の作品を森見登美彦さんなりに現代風に解釈した作品ということでどんな風に物語が構成されているのか読むまで想像できませんでした。

作品を読んでみると近代文学五篇を見事に森見登美彦ワールドに落とし込ませており、それぞれの作品を独立させるのではなく連作として扱っていて面白かったです。

以下、あらすじと感想になります。



森見登美彦『新釈 走れメロス 他四篇』のあらすじ



山月記


1942年に中島敦が発表した作品。俗世を捨てて「詩」の世界に執着した男の末路を描いている。


京都吉田界隈にて、一部関係者のみに勇名を馳せる孤高の学生、斎藤秀太朗がいた。

彼は、留年と休学を使い分け何年も大学にいながら、小説の執筆活動を行っていた。

かつての友人が大学を卒業していく中、自分の信念を貫き小説を書き続けてきたがその活動は実ることがなかった。

そしてある日の夜、斎藤は山へと消えていく。

斎藤が消えて一年後、ある事件をきっかけに斎藤と後輩の夏目孝弘が山で再開することになる。


藪の中

1922年に芥川龍之介が発表した作品。ある殺人と強盗事件をめぐる証言の矛盾から、人間心理の複雑性を描いている。


映画サークルが作成した、「屋上」という作品について様々な非難が監督の鵜山に寄せられた。

映画の内容は、元恋人の男女が屋上でよりを戻すというものだ。

この映画の問題は主演の男女が元恋人で、監督が女優の現在の彼氏であるということだ。

この作品では「屋上」に対する考えを映画サークルの後輩、斎藤秀太朗、監督を崇拝する後輩、主演女優の友人、主演男優、主演女優そして監督である鵜山の視点から描いている。


走れメロス


1940年に太宰治が発表した作品。親友であるセリヌンティウスを救うため、メロスが疾走する様子を描いた熱き友情の物語。


「芽野史郎は激怒した。」

気弁論部に所属する阿呆学生である芽野史郎は、図書館警察の長官によって部室を取り上げられたため、直接長官に直訴しに行った。

かつて恋人と親友に裏切られた過去がある長官は、部室を返す条件として学園祭のフィナーレとしてグラウンドに設営してあるステージで桃色のブリーフ一丁で踊れという無茶なことを提示してきた。

それに同意した芽野だったが、姉の結婚式を理由に一日の猶予をもらい、芽野の人質として親友の芹名を長官に預けた。

しかし、人質にされた芹名は芽野に姉などいなく戻る気がないことを知っていた。

芽野と芹名は長官に真の友情を証明することができるのだろうか。


桜の森の満開の下


1947年に坂口安吾により発表された作品。賊をも狂惑させる、女の恐ろしき「美」を描いている。


大学生の男は小説を書くことを生きがいとしていた。

男には小説を書きあげるたびに尊敬する斎藤秀太朗の元に小説を持っていき、添削してもらうという習慣があったが桜の木の下のベンチに座っている女と出会ったことで男の生活は一変する。

女は斎藤秀太朗の添削が男の作品を潰しているということで、男に添削に持っていくのを辞めさせた。

それからしばらくして男は女のことを小説に書くようになり一躍有名になる。

そして京都から東京に引っ越し、それからも男は成功を続け華やかな生活を送るのだが、男はどれだけ有名になろうと自分の作品に満たされない思いを抱えていた。


百物語


1911年に森鷗外により発表された作品。古来より親しまれる怪談会「百物語」での様子を描いている。


大学四年生の夏に当時配属された研究室から逃げ出し、イギリスに一ヶ月の語学留学に行った後、日本に帰ってきた際に友人のFからの誘いで百物語に参加することになった。

百物語に参加してみたが、人付き合いが苦手な私は百物語の会場での人の多さが嫌になり、夜が更けて怪談が始まる前に帰宅してしまった。

帰り際会場の前で、主催者であり会場の持ち主である鹿島に出会ったが特に引き留められることもなく帰路についた。

翌日、友人Fから百物語の様子を聞くとある疑問を抱くことになる。

主催者の鹿島がFの横に座っているのを目撃したのは、私だけでFは見ていないという。

それどころか私以外に会場に来ていた鹿島を見たものはいないらしい。

はたして鹿島は何者だったのだろうか…。





感想


本作に収録している作品はどれも京都を舞台に描かれています。

『夜は短し恋せよ乙女』や『四畳半神話大系』などと同じ世界感で描かれているためこれらの作品を知っている人は原作を知らなくても楽しめること間違いないでしょう。お馴染みの気弁論部なども物語に登場していました。

近代文学は現代と少し言葉の使い方や時代背景が違うこともありとっつきにくいというイメージがあるのですが、『新釈 走れメロス 他四篇』はそんな人でも読みやすいように描かれています。

本作だけ読むのもいいですが個人的には原作を知っている人ほうが本作と比較することができ、より楽しめると読了後に感じました。

私自身、原作を読んだことがあるのは「走れメロス」、「山月記」、「藪の中」の三作だけだったので他の二作もこれから読もうと思います。


原作を忠実に再現しているわけではない


本作のタイトルについているとおり新釈ということで、原作を完全に森見登美彦ワールドにまるまる置き換えただけではなく少しアレンジを加えています。

例えば走れメロスでは、原作とは違いメロスの代わりとして描かれている芽野は友人を助けにいくつもりがありません。

それでも原作と同じように、助けに行かないことで芽野と芹名の友情を描いています。

このように本作に収録されている作品は内容を完全に再現しているわけではないが、テーマは原作と同じものを描いており、現代でも読みやすいようにアレンジされています。

なのでこうして新釈した物語を読むと、歴史に名を連ねている文学作品は時代背景は違えどテーマはどの時代にも当てはまっていることが分かります。

その影響もあり、本作を読み終わった後には様々な近代文学作品を読みなおして自分なりに現代風に解釈したいなと感じました。


連作にしている良さ


原作はそれぞれが独立しています。

著者も違うし発表された年代も違うので当たり前なのですが、本作ではあえて独立している作品を連作として扱っています。

連作として扱っていることもあり、本書はかなり読みやすいなという風に感じました。

それぞれの作品が独立していることの良さでもあり、欠点でもあるのですが場所や時代背景が違うことが原因ですんなりと物語にのめり込めないことがあります。

本書はそんな欠点を連作とすることで上手に消しているなと感じました。

また、山月記に出てきた斎藤秀太朗は他の全ての物語に出演していることもあり一通り読み終わった後に再び山月記を読むことで斎藤秀太朗の考えをより理解できるに違いありません。

こういった風に感じることができるのも連作ならではの良さですね。



まとめ


『新釈 走れメロス 他四篇』はタイトル通り有名文学作品を現代風に森見登美彦さんが解釈しなおした作品でした。

近代文学に興味はあるが、文体などに抵抗がある人にとっての入門書としてお勧めです。

また、原作を読んだことがある人でも楽しめるような作りになっていますのでぜひ読んでみてください。






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森見登美彦さんの『夜行』を読みました。

『夜行』は森見登美彦さんの別の作品である『夜よ短し歩けよ乙女』などとは違い、ミステリアスな雰囲気で物語が描かれている作品でした。

読了後には、こういう作品も書けるのかという森見登美彦さんの新境地を感じさせられる作品となっておりました。

以下、あらすじと感想になります。


【目次】
あらすじ
感想
考察
まとめ




『夜行』のあらすじ


京都の英会話スクールに通う男女6人で鞍馬の火祭を見に行った日事件が起きた。

その事件とは仲間の一人である長谷川という女性が姿を消したというものだ。

彼女を見た人間はその日以来いない…。

長谷川が疾走してから十年後、大橋の呼びかけで長谷川を除く5人が集まり、鞍馬の火祭を見物することになった。

久しぶりに京都に来た大橋が集合時間まで街を歩いているとある画廊に長谷川に似た女性が入っていくのを目撃した。

後を追って画廊に入ったがそこには誰もいなかった。

その画廊で大橋は岸田道生という画家の『夜行』という銅版画に出会う。

その話を四人と合流した後に話すとそれぞれが岸田道生の『夜行』にまつわる、怪談のような旅行先のエピソードを語り始めた。

『夜行』と10年前の長谷川の疾走は何か関係があるのか…。





感想


この物語は、最後まで読んでも結局大橋はどうなったのか、長谷川に何があったのかが分からない不思議な物語でした。

タイトルにつけられている『夜行』という名前の通り、少し夜にでかける気分で本を読み始めたら、永遠に朝が来ない夜を歩き続けているかのような気分を味わわされました。

この物語の不思議なところは結末と大橋を除く4人が語った会談の不気味さにあります。

彼らが語ったエピソードの怖いところは結末にオチがなくよく分からないという状況で終わっています。

彼らの物語が一つずつ淡々と続いていきますが、読者からしてみたら中井、武田、田辺、藤村の四人はこの旅行先のエピソードが実話だとしたら生きた人間なのかという疑問が湧いてきます。

全員がこの怪談の中で最後に地獄のような世界に取り残されているので死んでいるのではと感じてしまいました。


また、結末では大橋が別の世界に行き、生きている長谷川と岸田道生に出会いましたが、その世界では長谷川の代わりに大橋が失踪しているという。

そして最終的には元の世界に戻ってきて、大橋が以前よりどこか晴れ晴れした感じで物語が終わります


正直物語が深すぎて、この深さは私が理解できる範疇を超えていました。

オチをあえて書いていないのは物語の答えは読者によって変わるよということを森見登美彦さんが我々に伝えたかったんですかね。

『夜行』は物語全体としては嫌いではないけど、面白い面白くいないで語れる作品ではない気がしますね。



考察


『夜行』という物語を完全には理解できていないので間違った解釈をしているかもしれませんが、簡単に考察をしていきたいと思います。


夜行と曙光の世界


夜行が大橋君がいる世界で、曙光が最終夜で現れた長谷川さんが生きていた世界だとします。

これらの世界の分岐点は、岸田道生の心によって分岐しているのではないかと私は思っています。

どちらの世界でも10年前の鞍馬の火祭を見に6人と岸田は来ていました。

そこで、岸田にとって理想の女性である長谷川さんに語り掛けることができたのが曙光の世界で、理想の女性を自身のものにしようとして殺害してしまったのが夜行の世界なのかなと思っています。

夜行の世界では、岸田は自分が殺した理想の女性を描き続けますがどれだけ描いても彼の闇が晴れることがなく最終的には過労死をしてしまったのでしょう。

結局この物語は、男が憧れの女性にいだいている気持ちを表現しただけの物語というのが私の解釈です。

正直4人の会談の考察や曙光の世界で大橋が疾走していた理由など考えていないのでがばがばですね。

考察というレベルでもない気がします…。

だた物語の楽しみ方は人それぞれなので私ぐらい浅く感がる人がいてもいいでしょう。



まとめ


『夜行』は本当に最後まで謎が多く残る物語でした。

たまにはこういう風に最後まで読んでも結末が分からず読者に考える余地を持たせる物語を読むのもいいですね。







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