としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。


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今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』を読みました。

今村夏子さんらしい独特な雰囲気がある作品で、読了後はなんともいえない余韻を味合わされました。

以下、あらすじと感想になります。



『むらさきのスカートの女』のあらすじ


近所に住んでいて、周りの人間からは「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが私は気になって仕方がありません。

「むらさきのスカートの女」を観察していると、定職にはつかず働きたいときだけ働いたり、いつも公園の同じベンチでクリームパンを食べていることが分かりました。

私は彼女と友達になるために、彼女を私の職場で働くように誘導しました。

誘導がうまくいき、彼女は私と同じ職場で働き始めることになりました。

しかし、彼女は他の職場の仲間とは仲良くしているようなのに、私はなかなか仲良くなることができません。

結局私は今まで通り彼女を観察し続ける日々が続くだけなのです。

異様なほど「むらさきのスカートの女」に執着する私と、少し変わった「むらさきのスカートの女」の奇妙な物語。はたして私とむらさきのスカートの女の関係はどうなるのだろうか…。



感想(ネタバレあり)



変化するむらさきのスカートの女


むらさきのスカートの女の印象は、本作を読み進めるにつれて少しずつ変化していきます。

物語の序盤では"わたし"が語っているように、容姿と行動が特徴的で周りからは不気味なやつだという印象がありました。

しかし、読み進めていくにつれて「むらさきのスカートの女って普通の人じゃない!?」と印象が変化していきます。

物語の序盤では求人誌を見ていくつもバイトの面接を受けては落ちるというのを繰り返すシーンがあり、"わたし"から人たちからも少し変わっていて社会になじめない人なんだという印象を持たれていることが分かります。

でもこれも清掃業を始めて挨拶の仕方などを学んだ場面で考え方が変わりました。

むらさきのスカートの女は社会になじめないのではなく、なじみ方をしらないだけの人だったのです。

人に挨拶をする、お礼を言うという基本的なことを学んだだけで根が真面目な性格も活きて、仕事仲間からはすごく親しまれていきます。

物語の中盤ぐらいまでは、むらさきのスカートの女って普通で子ども好きの優しい人なんだという印象をもっていましたが、その印象も物語がクライマックスにせまるにつれて変化していきました。

むらさきのスカートの女に対する印象が変化した理由は所長と不倫していることが同僚からばれたことがきっかけです。

このことが原因で今までは優しくしてくれていた同僚たちのむらさきのスカートの女に対す態度は大きく変化していきます。

それに合わせてむらさきのスカートの女の態度も変化していき、悪い奴という印象を読者に植え付けることになりました。

しかし、本当にむらさきのスカートの女は悪者だったのだろうか。

もちろん不倫をしていたことは良いとは思わないが、この物語はあくまで"わたし"の視点と噂だけでむらさきのスカートの女を語っていたため、周りの噂のようにうち鍵をかけて仕事をさぼっていたのも真実か分からない。

もしそのようなことをしていたとしても他の人間もうち鍵をかけてコーヒーを飲んだりしていたのでむらさきのスカートの女だけが悪いとは思わない…。

この物語をとおして私は、むらさきのスカートの女を貶めようとする集団の狂気から恐怖を感じました。


異常な"わたし"(黄色いカーディガンの女)


この物語の真の主人公はむらさきのスカートの女ではなく"わたし"だと思っています。

物語の序盤から分かるのですが"わたし"は異常な人間です。

一見普通の人間として少し変わったむらさきのスカートの女に憧れているようにも見えなくもないです。

しかし、むらさきのスカートの女を知りたいがあまり自分の生活の全てをむらさきのスカートの女にささげている光景は狂気を感じました。

まず、むらさきのスカートの女と仲良くなるために同じ職場で働こうという考えがふっとんでいます。

普通の人ならどうしても仲良くなりたい場合、公園で声をかけたり、スマホの連絡先を教えたりするのではないのでしょうか。

物語を読み進めるにつれてむらさきのスカートの女が気になるというより、”わたし”がどんなことをするのかが気になってきて仕方がありませんでした。

物語終盤のむらさきのスカートの女を逃がすシーンなんて、自分が逃げるための用意が周到すぎて驚かされました。

その行動力があれば家賃ぐらいどうとでもなっただろうと言いたくなりますが、そのエネルギーの大半をむらさきのスカートの女に対して使っていたのでまあ無理か…。


物語のラストでは公園で黄色いカーディガンの女がむらさきのスカートの女がいつも座っていたベンチに座りクリームパンを食べていました。

このとき子どもに肩をたたかれた黄色いカーディガンの女はどういう気持ちだったのだろうか…。

憧れていたむらさきのスカートの女のようになれたことに喜びを感じているような気がして恐怖しかかんじられないような終わり方でした。



まとめ


むらさきのスカートの女は集団の狂気を感じることができる作品でした。

それと同時に"わたし"を通して憧れの人に追いつこうとする人間の異常性も感じることがでしました。

むらさきのスカートの女は本当に面白い作品ですので未読の方はぜひ読んでみてください。






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今までVisual Studioをインストールしている環境でしか、C#をコンパイルしたことがなかったのですが、Visual Studioがない環境でもC#をコンパイルしたいと思い方法を調べました。

今回は、VSCodeを使ってコンパイルしていきます。



.NET Frameworkのパスと通す


C#をコンパイルするためには.NET Frameworkが必要です。

Windowsではデフォルトで.は.NET Frameworkはデフォルトでインストールされています。

C:\Windows\Microsoft.NETにアクセスするとFrameworkとFramework64がありそれぞれ32bit用と64bitようになります。

キャプチャ

今回は64bit用の「v4.0.30319」のパスを通していきます。

パスはコントロールパネル>システムとセキュリティ>システム>システムの詳細設定>環境変数 から通すことができます。

環境変数には「C:\Windows\Microsoft.NET\Framework64\v4.0.30319」を追加してください。



C#のプログラムをコンパイルする


パスが通せたところでC#のプログラムをVSCodeでコンパイルしていきましょう。

まずはVSCodeを起動して、コードが読みやすくなるように拡張機能をインストールしていきます。

拡張機能の検索ボックスで「C#」と入力して検索して、一番上に現れる拡張機能をインストールします。

キャプチャ

これでC#のコードが読みやすくなりました。

今回は、以下のサンプルコードをコンパイルします。

using System;

class Hello
{
    public static void Main()
    {
        Console.WriteLine("Hello World");
    }
}

ファイル名は何でもいいのですが、今回は「Hello.cs」としておきます。

コンパイルしたいC#のコードができたら、コードが置いているディレクトリにいどうしてターミナルに以下のコマンドを入力してください。

csc .\Hello.cs

これだけでコンパイルは完了です。

コンパイルが終わると実行ファイルができるはずなので実行してみるとターミナルに「Hello World」と表示されるはずです。



まとめ


C#をコンパイルするのは難しいと思っていたのですが、やってみたらむちゃくちゃ簡単でした。

本記事で分からないことがあればコメントをください。





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小坂流加さんの『余命10年』を読みました。

内容はタイトル通り、余命10年の女性の人生を描いた作品なのですが、健康に生きることができるのってすごく幸せなことなんだなと感じさせられました。

以下、あらすじと感想になります。
ネタバレもありますので未読の方は、ご注意ください。



『余命10年』のあらすじ


自分が死ぬことなんてまだまだ先のことだと思っていた。

死ぬ前って、もっと自分が特別扱いされて思う存分ワガママできると思っていた。

二十歳の茉莉は、数万人に一人という遺伝性の不治の病にかかってしまい、余命が残り長くても10年であることを知る。

自分が死ぬと分かった当初は、美しさを維持できる年齢で死ぬことができるなんて幸せだと思っていて、死ぬことなんて怖くなかった。

死への恐怖を少しでも薄れさせるために淡々とした日々を過ごしていた。

・周りの人を傷つけないために無理に笑顔でいる必要がある…
・新しいことを始めようとしても、余命がわずかなため志半ばで諦めなければならない…

そんな風に生きようとしていた茉莉だったが、趣味や恋をきっかけに死ぬことに徐々に恐怖を覚えていく。

余命10年の女性を描く切ないラブストーリー。



感想(ネタバレあり)


正直、今私がいきなり病気にかかって余命10年だと言われたとしてどのような行動をするのかは想像することができません。

今までどおりの日常を送りながら死にたいのか、何か特別なことをして死にたいのかも分かりません。

ただ、『余命10年』を読んで、自分がいつ死ぬにしても後悔のないような生き方をしないといけないなということだけは思い知らされました。


生きるとは何


普通に生活をしているだけでは、生きるって何なんだろうとか考えることはありません。

生きるって何なのかって考えることができるのは、おそらく自分が病気で余名わずかだと分かった人のみが考えられることだと思います。

茉莉は、病気になり余命が分かってから10年間をどのようにして生きる真剣に考えます。

そして彼女が選んだ生き方は、途中で命がなくなったとしても、生きることに執着しない人生を送ろうというものでした。

そのため、彼女は趣味でコスプレなどをして楽しみはするが、恋愛などをしてこれ以上自分を大切に思うような人を増やさない生き方を選びます。

この生き方が、小学校時代の同級生の真部和人との出会いで一時はぶれかけることもありましたが、最終的には和人に真実をつげて自分の大切な人にならないような人生を歩みました。


余命が原因で他の人と生じる差


茉莉は、余命が分かってから短大時代の友人などを避けるような生き方を送っていました。

友人を避けていた原因は、余名わずかの自分の人生と周りの友人の人生に差を感じたからです。

友人たちには、恋人を作って結婚して、子どもを産むという未来がありますが、茉莉にはそんな未来はありません。

若いうちは茉莉も無理に笑顔を作ったり周りにあわせたりして生活しようとしていましたが、余命が近づくにつれて、自分と友人たちの差に耐えられなくなります。

頭では、友人が結婚したりするのは幸せなことだと分かっていますが、心のなかではまだまだ生きることができる友人を羨ましく思ったり、憎く感じてしまいます。

こうした茉莉の心情は、自分と違う人間に感じる劣等感をとても分かり約描いているなと感じました。


家族に対する思い


茉莉は自分が亡くなったときに家族が苦しい思いをしないかということを常に考えながら生きていました。

そのため、姉の桔梗が結婚すると決めたときは、友人の結婚を心から祝うことができないのとは違い、自分の代わりに桔梗を支えてくれる旦那さんができたことを心から喜びます。

また、茉莉が亡くなる直前に桔梗に子どもができたことで、自分の空いた席を桔梗の子どもが埋めてくれる、またはそれ以上のことをしてくれることが分かり安心します。

こうした茉莉の家族に対する心情を読んでいると、親よりはやく亡くなることを親不孝だと感じるなど茉莉は本当に家族が大好きなんだとなということを感じさせられます。

それと同時になんかしらの原因で家族と上手くいっていなかったとしても、自分が亡くなるときに必ず親や兄弟は悲しむので、自分だけではなく家族にも後悔が生まれないような生き方をしていかなければならないということを実感させられました。



まとめ


本作は生きるということについて、死を実感したことのない我々に考える機会を与えてくれる作品でした。

『余命10年』はフィクションですが、実際に余命10年という宣告を受けた著者が書いたということもありすごくリアリティのある作品となっていました。

また、映画化も決定しているみたいですのでこちらもどのように茉莉の生き方が描かれるのかが楽しみですね。

小坂流加さんの作品で『生きてさえいれば』もおすすめですので興味のある方はぜひ読んでみてください。









キャプチャ

小坂流加さんの『生きてさえいれば』を読みました。

こちらは『余命10年』よりも前に書かれた作品で小坂流加さんが亡くなった後に発見され、出版されることになったみたいです。

本作を通してどんなにつらいことがあったとしても生きてさえいれば、新たな喜びを見つけることができるということを学びました。

以下、あらすじと感想になります。



『生きてさえいれば』のあらすじ


どんなに辛く悲しいことがあったとしても生きていれば、恋だって始められる。
生きてさえいれば人は幸せになることができる。

小学生の千景は大好きな叔母・春桜の見舞いに来た日、羽田秋葉様と知らない人の宛名が書かれている手紙を春桜が大切に手元に置いているのを見つけた。

心臓の病気で病室を出ることができない春桜に代わり、千景は一人東京から大阪へ手紙を届けることを決意した。

大阪で春桜が手紙を届けたかった相手であるかつての恋人・秋葉と出会った千景は、そこで自分の知らないかつての春桜の青春の日々を知ることになる…。


読者モデルで大学のアイドル的存在である春桜。

父の形見を持ち続ける秋葉。

二人は大学で出会ったことをきっかけにお互いに少しずつ惹かれあっていたが、そんな二人に過酷な運命が訪れる。

命の大切さと純粋な思いを描いた、奇跡のラブストーリーがはじまる。



感想(ネタバレあり)


この作品は生きることの価値について書かれている素晴らしい作品でした。

道徳の教科書としてとりあげても問題ないのではないかと思うぐらいです。(性的な描写とかもあるから小学生には無理か…)


『生きてさえいれば』で得た教訓


『生きてさえいれば』を読んで得た教訓は、冒頭でも述べた通り生きてさえいれば幸せが訪れるということです。

長い人生で辛いことや悲しいことがいつ訪れるかが分かりません。

突然病気にかかったり、大切な人を亡くしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、人生はこのような辛いことだけではなく、楽しいことや嬉しいことといったたくさんの幸せも訪れます。


千景は物語の序盤では、いじめにあっていることが辛く春桜の手紙を届け終えたら自殺しようと考えていました。

しかし、秋葉と出会いを春桜の過去の話を聞くことで、生きてさえいれば幸せが訪れるということに気が付きます。

作中に明示的には書かれていませんが、千景はこれからどんなに酷いいじめに自殺しようとは二度と考えないでしょう。

春桜と秋葉が再び再開できたよう、千景もいつか辛いことを乗り越えて幸せに出会うに違いありません。


著者の小坂流加さんは若くして病気にかかっており自分が長くないことが分かっており、生き続けることができる人は幸せだと感じていた想いを本作に込めているような気がしますね。


家族の絆


本作はタイトル通り生きてさえいれば幸せだということがメインテーマですが、もう一つのテーマとして家族の絆が描かれています。

春桜も秋葉も両方とも自分が若いときに父や母を亡くしてしまっています。

唯一残った肉親は二人とも兄妹(姉妹)だけです。

しかし、春桜は冬月と仲良くしたいがお互いに劣等感を感じながら生きているため、二人は仲良くすることができませんでした。

また、秋葉も別の義父との子である夏芽に対して、半分しか血がつながっていないことから嫌悪感をいだいています。

お互いに唯一の肉親とは上手くいっていませんでしたが、秋葉は交通事故で義父と母をなくし、妹の夏芽が半身不随の怪我を負ったことをきっかけに一方的に嫌悪感をいだいていた妹との関係をみなおすことになります。

千景が秋葉を訪ねた段階では、大学時代とは違い本当に兄妹が仲良くお互いを想いあっていることが伝わってきました。

春桜と冬月に関しては、仲良くしている描写はありませんが怪我をした春桜のために冬月が大好きだった仕事を辞めていることなどから、仲良くはなれないが冬月も春桜に対して家族の絆を感じていることが分かります。

また、ラストシーンで夏芽と秋葉が二人のもとにやってきたことで、春香は夏芽と秋葉をきっかけにこれからさらに冬月とつながることが想像できます。


若者の中には父が嫌いだ、母が嫌いだなんて言っている人が多いかもしれませんが、この作品を読んだ人はきっと家族の大切さに気がつくんでしょうね。



まとめ


『生きてさえいれば』を読んだことで毎日仕事が辛いなど小さなことで疲れていましたが、その辛さと同じかそれ以上に人生では楽しいことがいっぱい待っているんだということを再認識することができました。

明日からもどんなに辛くてもいつか訪れる幸せのために頑張っていきたいです。


小坂流加さんの他の作品として『余命10年』もおすすめですので未読の方はぜひ読んでみてください。









先日、Windowsで初めてrobocopyコマンドを使ってファイルをコピーする機会がありました。

その際にファイルを速くコピーする方法を調べたので忘備録として記録します。



robocopyの基礎


robocopyコマンドはファイルサーバ同士の同期を目的に作られたコマンドです。

robocoyは「Roubust File Copy」の略で確実なファイルコピーという意味を持ちます。

FastCopyなどと違いWindowsに標準装備としてインストールされています。


ファイルをコピーす方法


robocopyでは以下のコマンドでファイルをコピーすることができます。

robocopy コピー元 コピー先



robocopyのオプション


robocopyのオプションはコマンドプロンプトで以下のコマンドを入力することで確認することができます。

robocopy /?

今回は、その中でも代表的なオプションをいくつか紹介します。

オプション説明
/MT[:n]n個のスレッドのマルチスレッドでコピーする。スレッドの数は1~128までの値
/MIR前回から更新のあったファイルだけコピーする。
/R:n失敗したコマンドに対してn回再試行する。
/W:n再試行と再試行の間にn秒待機時間を持たせる。
/NP進行状況を表示しない。

個人的に使ってみた感じ上記のオプションさえしっていれば基本的には困りませんでした。





ファイルを高速でコピーする


まずはオプションを変更してできる限りファイルを高速でコピーする方法を紹介します。

個人的に色々調べてみたところ以下のコマンドを使えばデフォルトでrobocopyコマンドを使うより、ファイルを速くコピーすることができました。

robocopy コピー元 コピー先 /MT:8 /MIR /R:1 /W:1 /NP

/Rや/Wオプションはデフォルト値が大きいのでかなり短くしています。

/MTオプションは環境によってチューニングが必要ですね。


今回、以下のようなディレクトリ構成で各フォルダに2KBのファイルを10000個ずつ入れて、コピーの毒度をrobocopyコマンドで計測してみました・

C:\TEST
├─1
├─10
├─2
├─3
├─4
├─5
├─6
├─7
├─8
└─9


計測結果は、24.0555624秒でした。


ちなみに上記でコピーしたフォルダにもう一度同じフォルダをコピーしてみようとしたところ、0.3133898秒で終わりました。

/MIRのオプションが有効に働いていますね。



startコマンドを使ってより早くしてみる


先ほどの計測結果よりも早くしようと思い調べてみたところ、startコマンドを使ったら早くなると書かれていたので試してみました。

一つのフォルダに対して一つのアプリケーションを起動してみます。

batファイルは以下になっています。

start robocopy C:\test\1 C:\test2\1 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\2 C:\test2\2 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\3 C:\test2\3 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\4 C:\test2\4 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\5 C:\test2\5 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\6 C:\test2\6 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\7 C:\test2\7 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\8 C:\test2\8 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\9 C:\test2\9 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP
start robocopy C:\test\10 C\test2\10 /MT:1 /MIR /R:1 /W:1 /NP

計測結果は、24.476545でした。

あれ早くない!?スレッドの数とか調整したら早くなるのかな…。



まとめ


robocopyコマンドを使えばバックアップを速くできることが分かりました。

毎日や毎週のように短い頻度でバックアップをとっている場合、robocopyコマンドの/MIRオプションが有効に働くことも分かりました。

コピーコマンドで困った際は、ぜひrobocopyコマンドを使ってみてください。






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喜多喜久さんの『恋する創薬研究室』を読みました。

こちらの作品は、喜多喜久さんが得意とする化学と恋愛を組み合わせた小説です。

ラブケミストリーシリーズとかと比べると爽やかな恋愛小説というよりは、女性の恋愛に対するどろっとした様子などが描かれており、従来とはひと味違う作品でした。

以下、あらすじと感想になります。



『恋する創薬研究室』のあらすじ


理系の大学院生である花奈は、イケメン助教授である北条智樹に恋をした。

しかし、彼女はこれまでの人生で恋人ができたことがない。

その上、実験が下手で研究も上手くいっておらず恋どころではない状況…。

そんな彼女のもとにある日一通のメールが届いた。その内容は、学内で噂されている恋愛相談事務局に来てほしいというものだ。

恋愛相談事務局に努める早凪に出会ったことで、パッとしない理系女子から卒業しようと一念発起し、恋を叶えるための奮闘を始める。

ところが、花奈の前に美人で成績優秀なライバルが立ちふさがり、不気味な脅迫状まで届くように…。

果たして彼女の恋は届くのだろうか。

恋愛、実験、謎解きが合わさったラブコメ×理系ミステリーがここに開幕!



感想(ネタバレあり)


本作は最後にどんでん返しを狙ってイヤミスな感じにしようとしていたのだろうが、個人的な感想としては正直微妙だなといった感じの作品でした。

もともと喜多さんのさわやかな恋愛小説を読みたいという想いがあったので、より微妙に感じてしまったというのもあると思いますが、作品としても全体的にまとまりにかけているのかなという印象が残りました。

ラストも後味悪いような、悪くないような微妙な感じだったり…どちらかに振り切ってくれていたらもっと面白かったのかな?

少子化対策で恋愛相談室があったり、インフルエンザの薬を作っていたり物語のテーマとしてはなかなか面白そうなものが多い気がしたのも相まって残念な作品でした。

悪いところばっかり語ってもあれなので以下は個人的に驚かされた部分などについて書いていきます。


早凪の正体について


ラストシーンで早凪の正体が敏江だと分かったときは、結構驚かされました。

敏江は、智輝から見たらおじいちゃんの奥さんだったのでまさか20代の早凪だとは思いませんでした。

敏江を事故に巻き込んでしまったのが早凪だと思っていたり、敏江が足が悪いことも年寄りだから足が÷悪いという風に読者に想像させるような書き方をしていたため、敏江と早凪が同一人物であったということを予想できませんでした。

正体を知るまでは智輝君おばあちゃんのことが好きなんてなかなかやるなとか思っていたのですがまさか年下だったとは…。

そりゃあ若くて心がきれいな女性がいたら花奈ちゃんは負けちゃうだろうなという感じでした。


登場人物が全員悪い人物に見えてしまう


『恋する創薬研究室』の登場人物ってほとんどの人がなんかしらの嘘をついていたり、性格が悪い奴だったりしてあんまり好きになれませんでした。

物語の都合上、智輝君や花奈ちゃんも悪い奴に見えてしまうのは仕方ないかもしれないけどもう少し挽回の要素がほしかったです。

特に花奈ちゃんは恋愛初心者で奥手という設定だったので、もっとうぶな恋愛を描いてほしかった…。

まさか、脅迫を受けたふりをして智輝君の気をひこうとするなんて相当悪い奴ですよね…。

早凪も恋愛相談院という立場だから智輝に恋人ができないことを心配していたという設定も分からなくはないが、そんな協力をしてほしくなかったですね。


また、花奈のライバルとして描かれていた結崎もただただ性格の悪い奴という風な感じで気がついたら物語からフェードアウトしていましたね。

ジャンプ漫画じゃないから友情を書けとは言わないものの、結崎が智輝を好きになった理由などを掘り下げて感情移入させてほしかったです。


実はラブケミストリーと同じ世界線


『恋する創薬研究室』は大学は違えど別作品の『ラブケミストリー』と同じ世界線で起きている物語でした。

花奈が大学院入試を受けたしばらく後に藤村君がプランクスタリンの合成ルートに関する論文を提出していることが書かれていましたね。

世界線が同じっていうのは、喜多喜久さんの作品が好きな身として嬉しかったのですが、花奈が実は合成の天才だったという設定はいらなかった気がしました。

藤村君は特殊な能力もあるが毎日論文を読むなどかなりの努力家なので合成ルートを見つけることができたのは納得がいくが、大学院で問題を見ただけの花奈が合成ルートを見つけることができたのは納得いきませんでした。



まとめ


『恋する創薬研究室』は個人的には喜多喜久さんらしくない微妙な作品でした。

すすんで人に読んでほしいと感じる作品ではありませんでした。

喜多喜久さんの作品が好きな方なら読んでみてもいいかもしれませんが、ラブケミストリーとかの感じが好きだという人は私のようにがっかりする可能性が高いです。

もし、当ブログをみて読んだひとがいるなら感想を教えてほしいですね。







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Flutterでカメラを使ったアプリを作ってみたところ、エミュレータでは正しく動作したのですが、実機で動かしてみたところカメラが起動しませんでした。

この問題に対する解決策を調べたので紹介します。

今回は、以下のサンプルコードを使ってカメラが動くことを確認しています。





実機でカメラを動かす方法


結論になりますが、実機でカメラを動かすためには、

android→app→src→main→AndroidManifest.xmlに

<uses-permission android:name="android.permission.QUERY_ALL_PACKAGES"/>

の一行を入れてあげる必要がありました。これを追加しただけでカメラが起動するようになりました。

どこに入れればわからないという人もいると思うので、AndroidManifest.xmlのサンプルを以下に乗せておきます。

<manifest xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android"
package="com.example.camera_sample">-
<uses-permission android:name="android.permission.QUERY_ALL_PACKAGES"/>
<application
android:label="camera_sample"
android:icon="@mipmap/ic_launcher">
android:requestLegacyExternalStorage="true"
<activity
android:name=".MainActivity"
android:launchMode="singleTop"
android:theme="@style/LaunchTheme"
android:configChanges="orientation|keyboardHidden|keyboard|screenSize|smallestScreenSize|locale|layoutDirection|fontScale|screenLayout|density|uiMode"
android:hardwareAccelerated="true"
android:windowSoftInputMode="adjustResize">
<!-- Specifies an Android theme to apply to this Activity as soon as
the Android process has started. This theme is visible to the user
while the Flutter UI initializes. After that, this theme continues
to determine the Window background behind the Flutter UI. -->
<meta-data
android:name="io.flutter.embedding.android.NormalTheme"
android:resource="@style/NormalTheme"
/>
<!-- Displays an Android View that continues showing the launch screen
Drawable until Flutter paints its first frame, then this splash
screen fades out. A splash screen is useful to avoid any visual
gap between the end of Android's launch screen and the painting of
Flutter's first frame. -->
<meta-data
android:name="io.flutter.embedding.android.SplashScreenDrawable"
android:resource="@drawable/launch_background"
/>
<intent-filter>
<action android:name="android.intent.action.MAIN"/>
<category android:name="android.intent.category.LAUNCHER"/>
</intent-filter>
</activity>
<!-- Don't delete the meta-data below.
This is used by the Flutter tool to generate GeneratedPluginRegistrant.java -->
<meta-data
android:name="flutterEmbedding"
android:value="2" />
</application>
</manifest>






AndroidManifest.xmlを変更する必要があった理由


AndroidManifest.xmlを変更する必要があった理由ですが、Android11以降でデバイスにアクセスする方法が変更されたことが原因みたいです。

Android11以前の端末なら、上記のような変更なしでもカメラにアクセスできるみたいですね。

Android10nまでの情報がWeb上に多く存在していたため、原因を突き止めるのになかなか苦戦してしまいました…。



まとめ


Android11以降ではカメラを使用するためには、AndroidManifest.xmlを変更する必要がありました。

同じことで悩んでいる人の参考になれば嬉しいです。





本記事ではAndroid Studioで作成したFlutterアプリを実機でデバッグする方法を紹介していきます。

例としてgoogle pixel 4a でFlutterのサンプルアプリを動かしていきますが、開発言語や端末が違う場合でも基本的に同じ方法で実行することができます。



Android端末を開発者設定に変更する


Android Studioで開発したアプリを実行するためには、Android端末の開発者設定をONにする必要があります。

やり方ですが、最初に設定→デバイス情報画面を開きます。

Screenshot_20210530-220644

次にデバイス情報画面をスクロールして一番下にある、ビルド番号を7回タップします。

Screenshot_20210530-220654

するとPINの入力が求められますのでPINを入力してください。

これで開発者設定をONにすることができました。



アプリを実行する


Android端末の設定ができたところでアプリを実行してみましょう。

今回はFlutterのサンプルプロジェクトを実行していくので、Android Studioを作って新規プロジェクトを作成します。

キャプチャ

新規プロジェクトが作成できたらUSBケーブルを使い、PCとandroid端末を接続します。

接続が成功したら、Debug端末の選択メニューに自身のAndroid端末の機種名が表示されるので、そのたんまつを選択してください。

今回の例ではgoogle pixel 4aを使用しているので、Pixel 4a(mobile)を選択します。

キャプチャ

端末を選択することができたら、実行ボタンを押下してください。

キャプチャ


すると自分の端末でアプリが実行されます。

Screenshot_20210530-233826





実行できない場合の対処法


上記の方法で実行できない場合の対象方を紹介していきます。


USBケーブルが充電専用でデータ転送ができない場合


充電しかできないようなUSBケーブルを使用している場合、実行することができません。

この場合は、データ転送ができるケーブルを買いなおすしか対処法がありません。

以下のケーブルはデータ転送にも対応しています。




USBデバッグ設定がOFFになっている


ケーブルはデータ転送用だが実行ができない場合、開発者向けオプションのUSBデバッグ設定がOFFになっている可能性があります。

この場合、設定→システム→詳細設定→開発者向けオプション設定画面を開き、USBデバッグ設定をONにしましょう。



まとめ


本記事では、自分が開発したAndroidアプリを実機で実行する方法を紹介しました。

エミュレータでのテストには限界があると思うのでぜひ実機でデバッグする方法をマスターしてください。







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瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』を読みました。

中学駅伝をテーマに描かれている作品で、思春期の複雑な精神状態や人間関係を描いている小説でした。

読了後は、もう一度自分もこんな青春を過ごしたいと思うようなさわやかな気分になりました。

以下、あらすじと感想になります。




『あと少し、もう少し』のあらすじ


駅伝で毎年県大会に出場していた中学校で部長の桝井が三年生になった春、陸上部の名物顧問が移動になった。

代わりにやって来た顧問は、これまで運動経験がない美術教師である上原だった。

上原が頼りないと感じていた、桝井は自ら中学最後の駅伝大会に向けて部活関係なしで駅伝に向いているメンバーを募り練習を始めるが…。

駅伝のメンバーは、元いじめられっ子で陸上部の設楽、不良-授業をまともに受けない大田、足は速くはないが頼みを断れないジロー、プライドの高い吹奏楽部の渡部、陸上部の後輩の俊介、そして部長の桝井だ。

寄せ集めの六人は県大会を目指して、襷をつなぐ。

それぞれが、あと少し、もう少し、みんなと走りたいという意思を持ちながら襷をつなぐ姿に涙が止まらなくなること間違いなしの青春駅伝小説。



感想(ネタバレあり)



駅伝というスポーツの見方


駅伝と言えば箱根駅伝やニューイヤー駅伝などがテレビで放送されたりしていますが、これまで私はこれの駅伝を流し見する程度で真剣に見たことがありませんでした。

そんな駅伝に興味のなかった人間からしてみたら、駅伝は複数人で襷をつなぐだけであとは個々人で走るため団体競技というよりは個人競技という印象が強かったです。

しかし、『あと少し、もう少し』を読んでみて駅伝に対する理解が大きく変わりました。

駅伝では、区間ごとに走っている人間は一人かもしれませんが、各区間の走者は、チーム全員の気持ちを持ちながら走り、そして自分の想いをのせて襷をつないでいるんだということを本作から学ぶことができました。

本作は、各章で一人の走者に視点をあてながら物語を描いていましたが、物語のはじまりは襷を受け取るシーンで始まり、終わりは襷を繋ぐシーンで終わります。

各人物の想いが襷に乗っていることが分かり毎章、冒頭と末尾では泣いてしまいました。


この作品を読んだことがきっかけで今まで真剣に見たことがなかった駅伝を真剣に見てみたいと思いました。


メンバーの魅力


本作に登場する駅伝のメンバーは全員魅力的でした。

第一走者である設楽は、これまでプレッシャーをかけられないと速く走ることができなかったです。

しかし、この駅伝をきっかけにプレッシャーをかけられて無理に走るのではなく、期待されていることで頑張ろうという気持ちが芽生え成長していきます。


第二走者である大田は、努力してもできないことを恥ずかしく思い、最初から頑張ることを放棄した結果、不良になってしまいました。

この不良になったきっかけは中学生の心情を上手に描いているなと思いました。実際に大田のような理由で勉強をあきらめた人は多い気がします。

それでも、駅伝を走ることで努力することは恥ずかしいことではないということに気が付き努力している姿にとても感動しました。


第三走者であるジローは、家族の影響もあり周りに頼まれたらどんなことでも断れない人物でした。

最初は桝井がメンバーを集めるために頼みを断ることができないジローをメンバーに選んだのかと思っていましたが、実際はジローのようなムードメーカーが団体競技では大切なので選ばれていたのでした。

壮行会でジローが大田を怒るシーンでは、ジローの責任感の強さを感じることができジローかっこいいなと感じました。


第四走者である渡部は、一見いけ好かないやつのようにも見えます。

しかし実際は、両親がいなく祖母に育てられたという理由だけで周りにできない人間だと思われたくないために、どんなことにでも全力を尽くす努力家の人間でした。

作中で上原も渡部のことを一番中学生らしいと言っていますが、それに対してすごく共感できました。

周りと違うなど些細な理由でいじめなどに発展する中学社会でみんなと変わらないように生活したいという渡部の想いは全てのメンバーの中で最も中学生らしかったです。

個人的には全てのメンバーの中で渡部が一番好きです。


第五走者である俊介は、唯一中学二年生で後輩という立場でした。

俊介は桝井に対して尊敬だけではなく、恋愛感情のような特別な思いを持っていました。直接的には描かれていませんが、現代を考慮した少し他とは違うという人物を上手に描いていたなと感じました。

他とは違うという風に見られたくない、渡部と俊介の絡みは、読んでいて色々と考えさせられるものがありました。


第六走者である桝井は、行動力がある部長に適任という人物でした。

しかし、桝井は終始走りに関しては昔のようにうまく走ることができないという不調を抱えていました。

終盤でその不調は病気が原因だと分かりましたが、周りに相談することができず一人で悩みを抱え続けてしまいます。

そんな悩みを抱える桝井を他のメンバーが支えようとしていたシーンは、私自身にもしっかりした人物も悩みを抱えているかもしれないため、支える必要があるということを実感させられました。


顧問の上原について


新しく陸上部に就任した上原は、駅伝の練習が始まったときにはかなり頼りない顧問だという印象が強かったです。

中学の部活といえば土日に練習がある部活も多いがそれに不満を言ったり、掛け声は「がんばれ」の一つだったり、正直陸上部の顧問が務まるとは思えませんでした。

しかし、熱血教師ではない上原は人間的としてすごく魅力的だなと私は思いました。

部活がすべてだという教師は個人的な意見になりますが、生徒個人個人を見る力があまり強くない印象があります。

しかし、上原は生徒一人一人に対して教師という立場ではなく人間として向き合っていました。

教師と生徒の関係ではなく、同じ人間同士という関係を作ることができる上原を見ていてこんな先生が自分の近くにいてほしかったなと感じました。

この上原の人間性は、最後の桝井を応援しながら涙を流しているという場面で顕著に表れています。

駅伝メンバーと同じ熱量で仲間になることができている理想の教師だど思います。



まとめ


中学駅伝を通して仲間が繋がっていく様子を感じることができ、感動することができる作品でした。

陸上経験がない方や、私のように駅伝を見たことがないという人でも楽しめる作品ですので未読の方はぜひ読んでみてください。

また、本作のスピンオフ作品として第二区で走っていた不良の大田君を描いている、『君が夏を走らせる』という作品もお勧めですのでぜひこちらもセットで読んでみてください。










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喜多喜久さんの『はじめましてを、もう一度。』が文庫化されていたので読みました。

最初は、主人公が機械学習を勉強している理由などが物語とはあまり関係ないのでは…とか思っていましたが最後まで読むとそのあたりの理由もわかりおもしろかったです。

終盤ではカフェで読んでいたにも関わらず号泣してしまうほど感動してしまいました。

以下、あらすじと感想になります。

ネタバレもありますので未読の方はご注意ください。



『はじめましてを、もう一度。』のあらすじ


高校二年生の成績トップの理系男子・北原恭介は、学校の人気者である同学年の祐那から突然、「付き合ってください」と告白された。

祐那が恭介をからかうために冗談で告白したと思っていた。

しかし、詳しい事情を聞くと祐那が見た夢通りの行動を起こさないと恭介は、くだん様の呪いで死んでしまうらしい。

つまり告白を断ったら恭介は死んでしまうということだ。

呪いなんてありえないと思っていたが、真剣に話す姿をみて恭介は祐那と付き合い始めた。

思いがけず始まった二人の謎だらけの関係だったが、二人は同じ時間を過ごすにつれてお互いに惹かれあっていく。

しかし、裕那の夢の話には裏があった…。

彼女が言えずに抱えていた秘密とは何だったのか。



感想(ネタバレあり)


従来の喜多喜久さんの作品と比べると現実的な科学要素は、少なめでオカルトチックなくだん様の呪いが中心となっている物語でした。

それでもプログラミングや機械学習といった新しい技術を物語に上手いこと取り組んでいたり、ミステリー要素なんかもあったりして面白かったです。

祐那の夢の真実が明らかになるラストシーンでは、プログラムのように機械的に生きていた人間が恭介ではなく祐那だったということが分かり、物語に登場しているプログラミングの話と上手い事掛け合わせているなと感じました。


小見出しの日付と数字の謎


物語を読んでいて最初になんだこれと思ったのは小見出しにでてくる日付と数字でした。

第一章の最初の小見出しは「2838+1——【2017・3・28(火)】」、二つ目は「2848+1——【2017・4・6(木)】」でした。

この要素をみたとき一つ目と二つ目の小見出しの数字の差からなんとなく日付を表しているということは察することができたのですが、なんの日付かまでは分かりませんでした。

恭介が生まれた日…?とか思っていたのですが恭介は高校2年生なので計算があわない。

プログラミングが物語で出ているから16進数に置き換えるのかとかも思いましたがこれも計算があいませんでした。

私は、祐那が「約8年前にくだん様の呪いにかかった」と言っている場面で数字の正体に気が付きました。

そうこれは佑那がくだん様の呪いにかってから経過した日付だったのです。

しかし、まだ一つだけ疑問がのこっていました。それは、冒頭部だけ「+1」という演算子がついていたということです。

この正体は、物語の終盤で佑那が同じ夢を繰り返してみていとことが分かった場面で正体に気が付きました。

この「+1」は夢の中ではなく、現実世界で恭介と佑那がはじめて、「はじめまして」といった日のことだったのです。

あえてその日を「2839」とは書かずに「2838+1」と書くのはすごくおしゃれですね。


「3000+∞」の世界の二人は果たして幸せなのか


『はじめましてを、もう一度。』は最後にプロローグという題で死んだ祐那と再び出会うために、恭介が作ったシミュレーションの世界で二人が再開したことが描かれています。

再び出会えたことに二人はとても幸せだといった風に物語はしめられています。

これを読んで私は、本当にシミュレーションの世界で再開した二人は幸せなのかという疑問が残りました。

二人が再開できたのはもちろん喜ばしいことですが、それはあくまで恭介が作った仮想シミュレーションの世界でです。

恭介はまだ生きているので、シミュレーションの世界に現実の思考などを持っていくことは可能かもしれません。

一方、祐那は既に死んでいるためこのシミュレーションの世界の祐那はあくまで恭介が自分の理想通りに作成した人間ということになります。

つまり二人は、永遠にシミュレーションの世界で一緒に過ごすことはできるかもしれませんが、それは本当に二人にとって幸せなのか少し疑問に感じました。

もし、現実に自分の好きな時代を再現できるようなシミュレーションシステムが開発されたら、ほとんどの人間がシミュレーション依存になりそうな気がして、恐怖を感じました。


ハッピーエンドだからそれでいいじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、他の方はこのエンディングを読んでどのように感じたのかが少し気になりますね…。



まとめ


『はじめましてを、もう一度。』は単純なSF恋愛小説だというとらえ方もできますが、考えさせられることもありかなり面白かったです。

また、プログラミングという小説では表現しにくいテーマを上手に扱っているなとも思いました。

この作品の影響でプログラミングに興味を持ち始める人とかもでてきそうですね。



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