としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

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今回は石黒浩さんの『ロボットとは何か』を読んだので紹介します。

この本は自分そっくりのアンドロイドであるジェミノイドやマツコさんそっくりのロボットであるマツコロイドを用いて研究を行っている大阪大学の教授である石黒浩先生が書いたものです。

アンドロイドやロボットに関心のある方におすすめの本となっております。



【目次】
内容
感想




『ロボットとは何か』の内容


本書は以下のような構成になっております。
  1. なぜ人間型ロボットを作るのか
  2. 人間とロボットの基本問題
  3. 子供と女性のアンドロイド
  4. 自分のアンドロイドを作る
  5. ジェミノイドに人々はどう反応し、適応したか
  6. 「ロボット演劇」
  7. ロボットと情動
  8. 発達するロボットと生体の原理
  9. ロボットと人間の未来

第一章第二章では、どうして石黒先生が人間型のロボットであるアンドロイドを作るのかが語られております。一般の人だとロボットを作る目的は日常生活を豊かにしたいという人が多いと思いますが石黒先生は違います。

石黒先生が人型のロボットを作るのは、人間のロボットを作ることで人間についてさらに詳しく知りたいからだそうです。そのため石黒先生はロボットを作る際に人間そっくりの外見のものを作るということにこだわりがあります。

第三章では、自分の娘そっくりのロボットと藤井彩子アナウンサーそっくりのロボットを作ったことについて書かれています。それぞれのロボットを用いた実験の様子や結果、また実験から得た石黒先生の考察が詳しく書かれており面白い章となっております。

男性は、ロボットであったとしても女性のロボットと話すときは緊張するみたいです。ロボット相手に緊張するなんて不思議ですよね。

第四章第五章では、石黒先生そっくりのロボットであるジェミノイドについて解説されています。石黒先生は、自分そっくりのロボットが存在した場合どのような感覚におちいるかを自分を利用して実験しました。またジェミノイドと自分の学生を喋らせる実験を通して学生が石黒先生と喋っている気持ちになるという結果を得ることができた。

第六章第七章では、ロボットの心について言及されている。「ロボット演劇」では人間ではないロボットの役者であったとしても人間の心を動かすことができることを証明しました。

第八章では今後どのようなロボットを作っていくかについて語られている。石黒先生が今後作りたいと思っているロボットは機械学習などを利用して人間のように徐々に成長していくものだ。実際に歩くことを学習させるロボットなど少しずつであるが実装にうつしているみたいだ。

第九章では今後ロボットが発達した場合人間とどういう関係を築いていくのかについての考察がのっている。ロボットに人権は必要であるのか、人間がロボット従うのかそれともロボットが人間に従うのかなどの興味がそそられる内容がのっている。



感想


本書は日本のロボット工学の権威によって書かれているため今後のロボットの発展にかかわることが分かりやすく書かれており、ロボットについて知らない人でも読みやすいような構成になっていた。

また石黒先生は、一般の人と違いとびぬけた発想を持っているため天才の考えを共有することができる本書は非常に勉強になった。

ロボットに心が宿っているのかという問題は非常に興味深い話題であるので、私もロボット演劇を見てロボットに自分は心を動かされるのか試してみたい。ロボット演劇の演出は平田オリザさんが行っているらしく内容も非常に面白いものになっているのだろう。

ロボットに興味がある人には絶対に読んでほしい一冊になっている。ロボットに興味がない人でも今後の社会の変化を考えるうえで一度は読んでもらいたい。







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今回は、湊かなえさんの『豆の上で眠る』を紹介していきます。

湊かなえさんといえばイヤミスの女王ということで衝撃の結末の作品を書くことが多いことで有名ですが、本作も結末に驚かされる作品となっております。


【目次】
あらすじ
感想




『豆の上で眠る』のあらすじ


結衣子が小学一年生の時、二歳上の姉である万祐子が神隠しが起こるという噂がある神社で遊んだ帰りに行方不明になった。

事件の手掛かりとしてスーパーに残された万祐子の帽子、白い車に乗っていたという目撃証言、変質者の噂などがあった。

誘拐から二年がたったある日、万祐子を神社で見つけたという連絡がきた。

家族が万祐子が見つかったと喜ぶ中、二年ぶりにあった万祐子は、結衣子にとって見知らぬ少女であった。

結衣子だけが大学生となった今でも万祐子に対する違和感を抱き続けている。

万祐子はどうして行方不明になったのか。姉は本当に行方不明にあった万祐子であるのか、はたまた別人が万祐子を名乗って成り代わっているのか...



感想(ネタバレあり)


本作も他の湊かなえさんの作品と同じように結末に驚かされる作品となっていました。最後の湊かなえさんからの問いかけに答えるためにもう一度すぐにでも読み返したくなってしまいます。

本作は結衣子の一人称視点で書かれている作品となっています。そのせいか本作を読んでいると自分が結衣子に乗り移っているかのように思ってしまうことがあります。そのため結衣子にとっての異物である万祐子が読者にとっての異物であると感じてしまいます。


最後の「本ものって、何ですか」という問いに答えることのできる人っているんですかね?

本作では、結衣子がずっと本ものであると思っていた万祐子が本ものではなく、実は偽物であると思い込んでいた万祐子が本ものであった。

実際にこんなことがあったら結衣子みたいに本ものってなんなの色んな人に聞きたくなってしまいそうですよね。物語中で結衣子に本ものとは何なのか説明できる人物が誰であるのか考えてみる。

結衣子に本ものとは何であるのかを説明できるのは万祐子が別の人間であると分かっても受け入れることのできた祖母だけであると思う。

祖母は、万祐子が戻ってきた当初は別の人間であるということに結衣子と同じく違和感を感じていた。しかし万祐子にも事情があると思い最終的には万祐子を本ものであると受け入れるようになった。結衣子と同じ立場でありながら受け入れることのできた祖母は万祐子に本ものとは何なのか唯一説明できる人物だろう。

しかし祖母は亡くなっているため結衣子に説明することはできない。


もし物語の続きがあったとすると結衣子は万祐子を本ものだと受け入れてやり直すことができるのかな?受け入れてもう一度本ものの家族を作ってもらい結衣子には、幸せになってほしい。

湊かなえさんらしく疑問が残る作品で本作もおもしろかった。




本日は先日購入した GTX 1060 を使ってWindowsでも簡単に使える NiceHash(ナイスハッシュ)を使ってマイニング始めてみたのでマイニングの始め方を解説していきます。




NiceHash(ナイスハッシュ)とは


NiceHash(ナイスハッシュ)は採掘効率のよい仮想通貨を自動的に探してマイニングを行ってくれます。払い出しはBTC(ビットコイン)となっています。

NiceHash(ナイスハッシュ)の良いところは本来マイナーがどの仮想通貨を掘れば効率がよいか考えるところを自動的に行ってくれるところです。そのためマイニング入門者でも簡単にマイニングを始めることができます。

またマイニングを始めたいがPCについて詳しくないという人も多いと思いますがNiceHash(ナイスハッシュ)は Windows で利用することができるため手軽に始めることができます。


NiceHash(ナイスハッシュ)の登録方法


NiceHash(ナイスハッシュ)を利用するには下記のURLから登録する必要があります。

https://www.nicehash.com

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画面右上にあるメニューバーをクリックすると下記のような画面が出現するのでREGISTERをクリックしてください。

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そうすると登録画面に移行しますのでメールアドレスとパスワードを入力して登録の手続きを続けてください。

パスワードは大文字、小文字、数字を混ぜて分かりにくいパスワードにしましょう。

登録すると登録したメールアドレスにメールが届くのでメールに書かれているURLをクリックしてください。



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NiceHash(ナイスハッシュ)のダウンロード


次に NiceHash(ナイスハッシュ)でマイニングを行うにはマイニングソフトをダウンロードする必要があるので下記のURLからダウンロードしてください。

https://miner.nicehash.com/

マイニングソフトにはNVIDIA用のものとAMD用のものがあります。使用しているGPUと同じものをダウンロードしてください。

私は NVIDIA GTX 1060 を使用しているので NVIDIA 用のものをダウンロードしました。

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ウィルスバスターなどのセキュリティソフトが反応してしまうことがあるためもし反応するようなら一度セキュリティソフトの設定をオフにしてもう一度ダウンロードしてみてください。


NiceHash(ナイスハッシュ)の設定


マイニングソフトをインストールすればいよいよマイニングの開始ですがその前にいくつか設定をする必要があります。

最初に CONFIGURE の歯車アイコンをクリックしてください。


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そうすると下記の画像の画面に遷移します。ここでやってほしい設定は二つあります。

一つ目は CURRENCY のプルダウンメニューを開いて JPY を選択してください。こうすることで採掘量などが日本円で表示されるようになります。

二つ目は Automatic Service Location のチェックボックスにチェックをいれてください。これをすることでもし今採掘中のサーバーが停電などで落ちてしまった場合でも別のサーバーに移動して採掘を続けてくれます。


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次に WORKER をクリックしてください。


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WORKER ID を設定することでNiceHash(ナイスハッシュ)で表示する名前を設定することができます。

複数のPCでマイニングを行う際などに設定しておくことでどのパソコンでどれぐらい採掘できるのか知ることができるので便利です。

私ももしかしたらもう一台買うかもしれないので一応設定しておきました。

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最後にWalletをクリックしてください。


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NICEHASH USERNAMEの欄にNiceHash(ナイスハッシュ)で登録したメールアドレスを入力してください。

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以上で設定は完了です。


GPUのベンチマーク


HARDWARE DETAILS をクリックしてください。


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ここではマイニングに使用するCPUとGPUのベンチマークをとります。

このベンチマークの結果でハッシュレートが決まり、BTCの採掘量が決められます。

ベンチマークを取りたい機器にチェックを入れて BENCHIMARK ALL をクリックしてください。

私の場合CPUが corei7-930 という化石を使っているため、NiceHash(ナイスハッシュ)に対応していないのでGPUのみの選択となりました。CPUはマイニング効率にあまり影響がないので気にしません。


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BENCHIMARK ALL をクリックするとベンチマークの設定がでますが STANDARD を選択してください。

ベンチマークには少し時間がかかりますが、しばらくするとベンチマークが終了しマイニングを始めることができます。



マイニング開始


STARTボタンを押すことでマイニングが始まります。

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マイニングを始めると下記のような画面が立ち上がります。採掘速度であるハッシュレートを確認することができます。

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マイニングを終了する際は STOP をクリックしてください。

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マイニングの成果報告


NiceHash(ナイスハッシュ)を使用してマイニングを開始してから二週間ほどになりますが現状どれぐらい採掘できているのか報告します。

私の場合ゲーム用のPCでマイニングを行っているため一日中マイニングを行っているわけではありません。ゲームをしているときはマイニングソフトを停止しています。

一日約 0.00012000 BTC(100JPY)ほど採掘できています。(2018年6月7日の報告)

電気代を正確に計算していないので詳細な値は分かりませんが一日数十円ほど設けていることになります。PCを放置しているだけでこれだけ設けることができるのでお得かもしれません。また今後BTCの価格がさらに上がるかもしれませんので未来への投資だと考えれば悪くないと思います。

儲かるのはいいのですがマイニングにはデメリットもあります。

まず私は、ワンルームの部屋に住んでいるため夜寝るときにもマイニングを続けているとGPUファンの音がうるさいと感じました。慣れるまでなかなか眠れなかった(笑)

もう一つはGPUに負荷をかけるためGPUの寿命を縮める恐れがあります。そのため、もしマイニングを行うのならば温度管理はきちんとしましょう。私はGPUの温度は常に70℃前後になるようにしています。80℃を超えると故障の原因になりますので気を付けましょう。


またBTCがある程度たまったらBitFlyerなどのウォレットに移動させたいと思いますのでその記事は後日書こうと思います。





MSI GTX1060 ARMOR 6G OCV1 [GTX1060/GDDR5 6GB] トルクスファン採用したARMOR 2X 搭載GTX1060グラフィックボード


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今回は、森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』を読んだのでそちらを紹介していきます。

『ペンギン・ハイウェイ』は2010年に日本SF大賞を受賞しており、2018年8月17日から映画が上映されるほどの人気作です。

作者の森見登美彦さんは、自身の京都大学での生活をもとに書かれた『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』などの作品を書かれている方です。

私は、大学生以外が主人公の森見登美彦さんの作品を読むのは本作が初めてであったためとても新鮮な気持ちで読ませていただきました。




『ペンギン・ハイウェイ』のあらすじ


小学四年生のアオヤマ君は毎日きちんとノートを書き、たくさん本を読むため大人にも負けないほどいろいろなことを知っている。

ある日、アオヤマ君の住む町に突然ペンギンが現れた。

ペンギンが突如現れた事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることが分かったアオヤマ君は、お姉さんとペンギンの謎を研究することにした。

研究を進めていくうちに現代科学では証明ができないような様々な事象が起こる。

アオヤマ君はペンギンの謎を解き明かすことができるのか。



おもしろいポイント


私は、本作の魅力は二つあると思う。

一つ目は、物語の主人公となるアオヤマ君の変化であると思う。

アオヤマ君は、勉強熱心であり小学四年生だとは思えないほど賢い人物である。ただその賢さがゆえに物語の序盤などでは、どんな物事も理論的に解決しようとする。それゆえに恋愛などの理論で説明できないことにはうとい人物となっている。

そのためアオヤマ君が歯科医院のお姉さんを魅力的に感じるのはおっぱいがあるからだなどの謎理論を展開しおっぱいの魅力について考える場面などがあり非常におもしろい(笑)

そんなアオヤマ君の考え方が物語が進むにつれて変化していくのが魅力的だ。


二つ目は、森見登美彦さんの不思議な世界観だ。

森見登美彦さんは他の作品も独特な世界観を持っている作品が多いが本作も不思議な雰囲気を持っている作品となっている。

突如現れるペンギンや不思議な生き物、<海>と読んでいる謎のものなど…

どこにでもある普通の世界観にこういった不思議な要素を自然と取り入れることができているのも本作の魅力だ。本作を読んでいると自分も同じ世界にいるような不思議な感覚を味わうことができる。

森見登美彦ワールドを体験してみたい人にはぜひ読んでほしい。



感想(ネタバレあり)


読了後の感想として最初に思ったのは、アオヤマ君は強い子であると感じた。

物語の最後にアオヤマ君の大好きであったお姉さんが <海> が消えるとともにいなくなってしまうが、それえでも泣かないアオヤマ君はとても強い子であると思った。

私は、アオヤマ君がお姉さんのことを好きであると分かったのにその直後お姉さんがいなくなったため涙を流してしまった。アオヤマ君が泣かないのに私が泣くのもおかしな話である。

アオヤマ君はこの不思議な出来事の研究を突き詰めることでいつかお姉さんと再会することができ一緒に海に行くことができると考えているから泣かなかったのかな…。もしそうであるならアオヤマ君にはお姉さんにぜひ再開してほしいと思う。


本作を読み終わったあと私なりにお姉さんとは何者であったのか少し考えてみたが正体が分からない。本当不思議なお姉さんだ。

物語の中でお姉さんはペンギンを出すことができ、ペンギンは<海>をつぶすことができるため時空を調整することができる人物であると書かれている。

お姉さんの正体を解き明かすにはそもそも<海>とはなんなのかということを考えなければならない気がする。

海が出現した時期とお姉さんが現れた時期は同じなのか?それとも海が現れたからお姉さんが不思議な人物に変化したのか…考えているときりがなく分からない。

この記事を書き終わったら考察が書いているブログを捜して自分なりに改めて考えてみたい。


最後になるが、『ペンギン・ハイウェイ』は魅力的な作品であった。本作を読んでいると私もアオヤマ君、ウチダ君、ハマモトさんと一緒に<海>の研究をしている気分になれた。読んでよかった。







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今回は、野口悠紀雄さんが書かれた『入門 ビットコインとブロックチェーン』を紹介していきます。

野口悠紀雄さんは一橋大学名誉教授であり、ファイナンス理論と日本経済論を専門としている方です。そのため本書は専門分野とマッチしているため信頼できる情報を得ることができます。ビットコインとブロックチェーンという新技術と日本経済との結びつきも語られています。




『入門 ビットコインとブロックチェーン』の章構成


本書の構成は以下のようになっています。

  1. ビットコインとは何か?
  2. ビットコインを実際に使うには
  3. 銀行が仮想通貨を発行する
  4. ブロックチェーンとは何か?
  5. ブロックチェーンの応用が広がる
  6. シェアリングエコノミーとブロックチェーン
  7. IoTとブロックチェーン
  8. 分散自律型組織DAOが作る未来社会
本書の前半では、ビットコインの基本的なことから今後どうなるのかを語られています。後半では、ブロックチェーンとはどういった技術であるのか、今後の社会でどのような場面で役立つのかについて言及しています。



ビットコイン


本書の第一章~第三章までは、ビットコインやその他の仮想通貨について説明されています。

第一章では、最初にビットコインが従来の電子マネーとどう違うのかが書かれており簡単に違いを説明すると電子マネーはSuicaであればJR東日本が管理しているという風に管理者がおり、ビットコインの場合管理者がおらず大量のコンピュータによって運営されているという違いがあります。またその他にもビットコインは価格が変動するという違いがあります。

簡単な説明があった後、ビットコインの発行量、種類、安全性、将来性について書かれています。

第一章を読むことで仮想通貨についての基本的な知識を得ることができるため、知識がゼロの人が読む場合でも今後の内容が分かるようになっています。

第二章では、仮想通貨がどういった使い方ができるのかについて説明されています。

最初に仮想通貨の送金方法について説明されている。仮想通貨によっては送金手数料が安くなる場合があるみたいです。また日本ではATMがあらゆる場所にあるため送金に関する問題は発生しないが、ATMが整備されていない国では仮想う通貨であればパソコンやスマホのみで送金ができるので利便性が広がるというメリットがあるようです。

次に仮想通貨の管理の仕方が書かれている。仮想通貨を保有するには仮想通貨用のウォレットを作る必要があるみたいです。現在国内では仮想通貨のウォレットは「bitFlyer」などで開設ができます。

第三章では、銀行が仮想通貨を発行するということに言及されています。

銀行が発行する仮想通貨には三菱東京UFJ銀行などのメガバンクが発行しようとしているものと日本銀行などの中央銀行が発行しようとするものの二つがある。

メガバンクが仮想通貨を発行する理由は、今後ビットコインなどの仮想通貨が浸透することでメガバンクが排除されるのを恐れているからだ。この理由だけを聞くと我々利用者にとってメガバンクの発行する仮想通貨を利用するメリットがないように聞こえるが、我々にも送金手数料が安くなるなどのメリットがある。2018年6月現在三菱東京UFJ銀行が発行しようとしている「MUFGコイン」のテストが行われている。

中央銀行が仮想通貨を発行する理由として、ほかの仮想通貨の利用が拡大すれば、中央銀行の発行する通貨の必要性が低下するからだ。中央銀行の発行する通貨の必要性が低下すれば日本の場合、円の価値が低下しドル社会になるという問題が発生する。現在スウェーデンなどの各国の中央銀行が独自の仮想通貨を発行するために研究を行っている。



ブロックチェーン


第四章~第八章までは、ブロックチェーン技術と応用方法について説明されています。

第四章ではブロックチェーンとはどういった技術であるのかが書かれている。

ブロックチェーンとは仮想通貨の中核的基礎技術であり、電子的な情報を記録する新しい仕組みだ。取引記録をネットワークの参加者全員(マイナー)でブロックという台帳に記入する。

取引記録の台帳を記入するだけならばあまり革新的ではないが注目すべきポイントはネットワークの参加者全員で記入するというところだ。Suicaであれば台帳を書いているのはJR東日本だけであり、もしかしたら改ざんの恐れがあるかもしれない。しかし仮想通貨は取引記録をネットワークの参加者全員で記入するため改ざんをすることができない。

私は、ブロックチェーンという言葉は聞いたことがあったがどういったものであるかについては知らなかった。しかし、第四章を読むことでブロックチェーンについて軽く理解することができた。

第五章第六章第七章では、ブロックチェーンの応用方法について言及している。それぞれ言及されている技術は異なるが注目しているのは情報の改ざんが難しいということだ。

第八章では、DAO(分散自律型組織)について言及されている。

従来の組織には、経営者と労働者がおり近年ではロボット技術の発達に伴い労働者がロボットに置き換えられつつある。DAOではそれとは逆に経営にブロックチェーンを活用することで経営者のいない組織を実現しようという考えである。

もしかすると今後、経営はブロックチェーン、労働はロボットという社会が来るかもしれない。



感想


私が本書を手に取ったきっかけはビットコインとブロックチェーンについて簡単に知っておきたいと思ったからだ。実際に本書を読んだことで読了前と比べると両方の知識が身についたと思う。

私のようにビットコインとブロックチェーンの両方について基礎的なことを知りたい人には本書を進める。

一方ビットコインかブロックチェーンのどちらかに特化して勉強したい人にはあまりお勧めができないかもしれない。本書はあくまで入門書として二つの関連することがらを一冊にまとめているが専門的に知りたい場合この一冊では足りないと感じたからだ。

私も本書を読むことでビットコイン以上にブロックチェーン技術に興味がもったので別の書籍を購入しブロックチェーンについて専門的な内容を勉強したい。



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今回は、朝井リョウさんが書いた『武道館』を紹介します。

 本書は2015年4月に発売され、翌年の2016年にはドラマ化もしています。そして人2018年3月に文庫化しました。

朝井リョウさんといえば平成生まれの作家で、若者の気持ちが込められた作品を書くことで有名です。本書も若者に焦点が当てられています。

武道館で若者といえばどんな人を想像しますか?柔道、空手などの武道をしている学生ですか?

本作品は武道家ではなく、武道館を目指しているアイドルの目線で書かれた本です。

昨今、アイドルはCDに握手券が付属しているのに賛否両論があったり、恋愛禁止であるなど様々な問題を抱えていますがそういった問題に対して朝井リョウさんがどう考えているのかということが書かれている作品となっています。




『武道館』のあらすじ


女子高生の愛子はNEXT YOUというアイドルグループのメンバーの一人である。

NEXT YOUの結成から一年が過ぎたある日グループの中心的存在でありダブルセンターとして活躍していた杏佳から女優業に専念するためにNEXT YOUを卒業したいという申し出があった。

杏佳の卒業によりNEXT YOUの二年目はほぼゼロからのスタートになったが、愛子たちは、日々レッスンを重ねたり、ファンが喜ぶ工夫を考える努力を行うことで着実に武道館の夢が近づいてきた。

そんな中、NEXT YOUにもある出来事をきっかけに、恋愛禁止、炎上、得点商法、握手会などの全てのアイドルが抱える問題が降りかかってくる。

果たして、NEXT YOUは武道館でライブを行うことができるのか…。



テーマはアイドル


本作のテーマはアイドルです。アイドルの目線から見たアイドルとしての働き方や日常生活、炎上などの様々な問題などが書かれています。

本作の冒頭ではメンバーの一人が卒業してしまいます。ファンから見るとメンバが一人いなくなってしまうことは非常に寂しいことです。

そのメンバーが推しメンであればグループの追っかけをやめてしまう人もでてくるでしょう。

では、メンバーから見て一人卒業してしまうのにはどういう問題があるのでしょうか。

問題には様々なものがあり、メンバーが欠けたことによるパフォーマンスの見直し、 そのメンバーの推していたファンが離れてしまうなど。

上記のような問題をアイドル目線で書かれているのが本作の特徴だ。またアイドルとしてではなく一人の人間としてどう考えているのか書かれているのも本作の魅力だ。



感想(ネタバレあり)


『武道館』を読んでアイドルについて色々と考えさせられました。正直私はアイドルの握手券商法などがあまり好きでないため握手券商法をしているアイドルはあまり好きになれません。

しかし本作では、握手券を買って来てくれるファンに対して愛子が「自分に会いに来てくれる人全員にアイドルではなく一人の人間としてお礼を言いたくなる」と考えている描写があります。

この描写を見て私は、そういう風に考えてくれてファンを大切にしてくれるアイドルがいるのならば、握手券をCDなどに付属することを全面的に否定するのは間違っているのかなと思いました。

また本作では、恋愛が原因でNEXT YOUが解散の危機におちいってしまう場面があります。

愛子も翠も一人の少女として好きになってしまった相手に会いたくて我慢が出来きないという場面がありますが、これを見てアイドルの恋愛禁止を提唱しているファンがどう考えるのかが気になります。

愛子は自分も恋愛をしている一人の少女として翠のことを止めることができませんでした。

反対にるりかは、アイドルとしての自覚がかけているということで愛子と翠に対してすごく怒っていました。

きっとるりかは、アイドルはファンに夢を売るのが仕事であると考えているキャラだたのでしょう。

そしてアイドルファンの代弁をするために朝井さんが意図して用意したキャラなのではないのかと思います。

『武道館』を読んだアイドルファンの方がいましたらアイドルの恋愛についてどう考えているのかコメントで教えてほしいです。



最後に


アイドルファンの人もそうでない人もアイドルとはどういうものなのかを考え直すことができるのでぜひ本作を読んでほしいです。

また若い男女の甘酸っぱい恋愛が好きだという方も楽しめる作品になっていると思います。


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今回は、川島隆太さんが書かれた『スマホが学力を破壊する』を紹介します。

川島隆太さんは東北大学の教授をしている方で、少し前に『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の監修を行っています。

ゲーム監修にも携わっていますが川島隆太先生は、ゲームを全然しないみたいです(笑)。



【目次】
内容
感想




内容


本書の構成は下記のようになっています。
  1. 第一章:スマホを使うだけで成績が下がる!?
  2. 第二章:睡眠不足が成績低下の原因か
  3. 第三章:スマホが先か学力が先か
  4. 第四章:LINE等インスタントメッセンジャーの影響
  5. 第五章:テレビやゲームの影響
  6. 第六章:どれだけの生徒がスマホ等を長時間使用しているのか
  7. 第七章:勉強中のスマホ使用の実態
  8. 第八章:メディア・マルチタスキング
  9. 第九章:スマホが脳発達に悪影響を与えている
  10. 第十章:スマホ依存度評価

本書はほぼ全ての章で図とグラフを使いスマホが及ぼしている影響を説明しているため視覚的にも分かりやすい本となっております。

第一章では、最初にどうして川島先生がスマホの影響で学力が低下していると思うようになったのかということを説明しています。その後、スマホを操作している時間と成績の関係をグラフを用いて解説しています。

第二章では、スマホは直接関係なくスマホの影響で睡眠時間が減少したから学力が低下したのかもしれないということについて言及しています。

もともと睡眠時間が短すぎたり、長すぎたりする子どもは睡眠時間が6~8時間の生徒と比べて成績がよくない傾向にあります。スマホによる影響で睡眠時間が短い子どもが増えたことが学力が低下している原因であれば、スマホは学力の低下に直接的な関係はありません。しかし、調査の結果適切な睡眠時間をとっている子どもであれ、スマホの操作時間が長ければ学力が低下しているということが分かりました。

第三章では、スマホが学力を押し下げているのか、それとも学力が低い子どもとスマホに親和性があるのかということについて説明されています。

川島先生の調査の結果、どんな児童・生徒であれスマホを使用し始めると成績が低下していることが分かりました。スマホを非使用であったり、以前使用していたが使用を中止した生徒らは、成績が上がる傾向があります。

またスマホの使用を開始しても一日の使用時間を一時間未満に抑えることができる生徒らは、成績が低下しません。

第四章では、LINE等のインスタントメッセンジャーの使用時間と学力を比較しています。

インスタントメッセンジャーもスマホと同じで使用時間が長ければ長いほど学力が低下しているみたいです。また、第三章と同様で、非使用の生徒や使用を中止した生徒は学力が上がる傾向があります。

第五章では、ゲームやテレビが学力にどれぐらい影響しているのかということが調査されています。

意外なことに、平日のゲーム時間が一時間未満の生徒のほうが全くしない生徒よりも数学の成績が良いみたいです。ゲームにより空間情報処理能力が高まることが影響しているみたいです。ただゲームをしすぎている生徒はゲームのプレイ時間に比例して成績が下がっているようです。

テレビの視聴時間による成績の影響も意外なことに一日の平均視聴時間が四時間未満であれば全く見ない生徒よりも成績が良いみたいです。これは、まったく視聴しない生徒は、社会への関心が薄いことや、その時間をスマホ操作に使っていることが原因であると推測されています。

第六章では、どのくらいの割合の中学生がスマホを長時間使用しているかについて分析されています。

平成26年と平成29年のデータを比較するとスマホを使用する生徒の割合が増加しています。平成26年には、Lineを使っていない生徒が過半数以上であったが、平成29年の調査では過半数未満になっていた。

第七章では、勉強中にスマホを使用しながらのながら勉強をしている生徒がどれぐらいいるのかについて調査されている。

調査の結果、小学5年生でも過半数以上の児童がスマホを使用しながらのながら勉強をしているみたいです。中学3年生に至っては8割以上の生徒が自宅学習中にスマホを操作しています。

スマホ所有者の生徒の訳3分の2が音楽を聞きながら勉強しており、その他勉強中にスマホでゲームをしている生徒が34%、動画を視聴している生徒が44%、Lineをしている生徒が43%いるみたいです。

数値を見ると勉強をしながら複数のアプリを使用している生徒がいるのが分かりますが、使用アプリの数が多いほど学力が低下する傾向にあります。

第八章では、人間がマルチタスクを行えるのかについて言及しています。結論を言うと、ほとんどの人間がマルチタスクはできないみたいです。

第九章では、スマホが脳の発達に悪影響を与えているのかということに注目しています。スマホなどで文章を入力したり電話で相手と話すのは、手書きで文字を書いたり直接相手と会って話すのと比べて前頭前野が活動しないため脳に影響があるみたいです。

第十章では、スマホ依存度の評価の方法がのっています。

以上で簡単な本書の概要の説明を終わります。本書ではより詳細な川島先生による説明がのっていますので興味がある人には、ぜひ読んでもらいたいです。


感想


以前から若者の間でスマホ依存症が問題になっているという本はいくつかありましたが、学術的にスマホが学力低下と関係があるということについて言及されている本は私が知っている限り本書が初めてです。

本書を読んだことで私もスマホとの付き合いを改めて考え直さなければいけないと思いました。

また、現在の小中学生の多くがスマホで動画を見たり、ゲームをしながら自宅学習をしているということに驚きが隠せませんでした。

このブログを読んだ保護者の方がいれば子どもにスマホがどれほど悪影響を及ぼしているのかを説明してほしいです。また他の保護者の方にも情報を共有していただければよいと思います。

教員の方が読んだのであれば、グラフなどを利用して児童・生徒がスマホの凶悪さを理解できるように説明してもらいたいです。

また自分は、スマホ依存症かもしれないと自覚のある人にも読んでいただきたいです。スマホによる学力の低下は、子供だけではなく大人も深刻に考える必要がある事態です。

ぜひ多くの人に本書を手に取ってもらいスマホとの付き合い方を改めて考え直してほしいです。




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今回は、世界一受けたい授業などで紹介された人気書籍である友田明美さんの『子どもの脳を傷つける親たち』を読んだので本書の要約と感想を書いていきます。

本書は、友田先生の小児科医としての実体験や研究結果が分かりやすくまとめられていました。マルトリートメントと脳の関係がテーマになっています。

友田明美さんは、福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究室および本学附属病院子どものこころ診療部で小児科医として、子どもの発達に関する診療・研究・教育をしている先生です。





『子どもの脳を傷つける親たち』の要約


本書の構成は下記のようになっています。
  1. 序章 :健全な発達を阻害する脳の傷つき
  2. 第一章:日常のなかにも存在する不適切な養育
  3. 第二章:マルトリートメントによる脳へのダメージとその影響
  4. 第三章:子どもの脳が持つ回復力を信じて
  5. 第四章:健やかな発育に必要な愛着形成
  6. 終章 :マルトリートメントからの脱却


序章:健全な発達を阻害する脳の傷つき


序章では、心と脳の関係や脳科学と子どもの発達の関係が簡潔に説明されています。

また子ども虐待の社会的なコストが実数値で出されているため虐待が社会的に重要な問題になっているということが把握できます。


第一章:日常のなかにも存在する不適切な養育


第一章では、最初に虐待が子どもの心にどのような影響をもたらされるかが記されています。

虐待は下記の四種類に定義されています。
  • 身体的虐待
  • 性的虐待
  • ネグレクト
  • 心理的虐待
身体的虐待と性的虐待は、昔から取り上げられる機会が多く分かりやすい虐待です。

ネグレクトというのは、近年取り上げられる機会が増えましたが「育児放棄」のことです。

心理的虐待は、暴言で子どもの心を傷つける虐待です。また、直接子どもに危害を加えるものだけではなくDVを見せるのもこの心理的虐待に含まれます。


次にマルトリートメントについて書かれていました。

虐待といえば偏ったイメージが強く実際に子どもに対して不適切な養育をしていても保護者は虐待ではないととらえることが多いです。

マルトリートメントは虐待をより広く定義した概念です。大人側からの行為がどんなものであれ子どもに不適切な行為であればマルトリートメントです。

マルトリートメントの実例や上記の虐待の定義におけるマルトリートメントの例や解決法が本章では分かりやすく書かれていました。


第二章:マルトリートメントによる脳へのダメージとその影響


第二章のはじめではこれからマルトリートメントが脳のどの部分に影響するのかを分かりやすく説明するために最初に脳に関する説明が図を使い分かりやすく簡単に書かれています。

脳科学について知らない人でも読みやすいように工夫がされていました。

その後、マルトリートメントの種類に伴い脳のどの部分に影響するのかを実験結果をもとに書かれています。

脳の部位によって成長が盛んになる時期が異なるため、マルトリートメントを受ける時期によって脳へ与える影響が異なるみたいです。


第三章:子どもの脳がもつ回復力を信じて


第三章では、マルトリートメントで傷ついた脳の傷は、治るのかを扱っています。

子どもの脳の傷を治すには、薬物療法と心理療法がありますが本書では主に心理療法について書かれています。

心理療法についてそれぞれの実例ごとに病院で実際に行っている療法について古くから行われていることから最新の方法まで詳細に説明されています。

またそれだけではなく実際に保護者が子どもに対して実践できる療法に関する説明もあります。

本章の最後には、実例に基づいたケーススタディものっています。


第四章:健やかな成長に必要な愛着形成


第四章では、古くから発達心理学で扱われている愛着形成とマルトリートメントの関係について書かれています。

愛着形成とは、子どもと養育者との間に心のつながりが生まれることです。

マルトリートメントの影響で愛着形成が正しく行われなければ、人間関係を正しく形成できない人間に成長する恐れがあります。

本章では、その他にも発達障害と愛着障害の違いについて説明されています。

それぞれの障害の症状は類似しているが治療法は異なるため、どちらの障害であるのか判断することは治療を行う上で重要になります。

愛着形成が失敗している子どもと養育者に対しての愛着の再形成の方法ものっています。


終章:マルトリートメントからの脱却


終章では、今後のマルトリートメントの対処法や苦しんでいる子どものために養育者ができることなどが書かれています。



感想


本書はマルトリートメントについて非常に分かりやすく書かれていました。

マルトリートメントという言葉は現在の日本では聞きなれない言葉ですが、子どもを育てる上で重要な言葉となるため多くの人に知ってもらいたいです。

本書の良いとこおろはマルトリートメントで苦しんでいるのは子どもだけではなくそれを行う養育者も傷ついているということに言及されていたことです。

マルトリートメントを行う養育者の多くは自分自身が子どもにとって不適切なことをしているという自覚がないため、そうした養育者を支えるのもマルトリートメントを防ぐうえで重要です。

最後になりますが私は、本書をより多くの人に本書を読んでもらい子どもを傷つける人を減らしてもらいたいと思いました。

子どもと関わる仕事をしている教育者の方々や、現在子育てを行っている養育者の方々、その他多くの人に本書を読んでいただきマルトリートメントの存在を知ってほしいです。







まだ5月なのにすでに夏のように熱い今日このごろです。

本日は少し前に友人から紅茶の茶葉を頂いたのでそちらを飲んだ感想を書こうと思います。

頂いた茶葉はLUPICIA(ルピシア)のシエスタデカフェ・マスカットです。

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また私が普段紅茶を飲まないのを知っていたみたいで、茶葉の他にも紅茶をいれるための道具もいただきました。

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茶こしと茶葉の量を図るための軽量スプーン?をいただいたのですが、ボール型の茶こしなんてあるんですね!これがあれば研究室でも簡単にお茶を入れることができるのですごく便利そうです。

さっそくもらった茶葉と道具を使って紅茶をいれてみました。


シエスタ


最初はシエスタです。シエスタは缶で頂いたので缶のほうに茶葉を移しました。茶葉の中に花びら?のようなものが混ざっています。紅茶って茶葉をローストしているイメージがあったけど緑色のものもあるんですね。

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シエスタは、マテ茶ベースにパッションフルーツで香りづけしたものです。茶葉のにおいを嗅いでるだけでフルーツの良い香りがただよってきていい気持ちになります。これは、紅茶の味にも期待できそうです!

ボール型茶こしを使ってみたけど便利だ。

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紅茶をいれてみました。色が茶葉によって蒸らす時間や入れる茶葉の量が違うんですね。紅茶の世界は奥が深そうだ。

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飲んでみると口にの中にフルーツの香りが広がりすごく飲みやすいお茶になっていました。これははまりそうです!

ただなんとなくお茶の色が少し薄い気がしたけど茶葉の量が少なかったのかな?それともこういうお茶なのか。次いれるときは茶葉の量を少し増やしてみよう。



デカフェ・マスカット


次にデカフェ・マスカットをいれてみました。こちらは私の知っている紅茶っぽい色をしている。これは名前の通り分かりやすくカフェインがないマスカットティーみたいです。茶葉の時点でマスカットの香りがすごい。

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飲んでみてもすごいマスカットでビックリしました。カフェインが入っていないので寝る前にも安心して飲めますね。マスカット以外の香りのフレーバーティはどんな味がするんだろうか。



感想


今回は、紅茶を始めて自分で茶葉からいれてみましたがはまりそうです(笑)。お茶にあうお菓子とかを用意して飲んだらもっとおいしいんだろうな。

友人に聞いてみると茶葉からいれるほうがティーバッグでいれるよりもお得みたいですので今後は、茶葉を買って紅茶をいれるようにしようかな。

紅茶に関する本を読んだり、他の茶葉も買ってみて紅茶の勉強をしようと思いました。

ルピシア フレーバードティーとティーバッグのセット

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今回は、前川裕さんの『クリーピー』を紹介します。

『クリーピー』は映画化したことから存在を知り購入しました。

ただ、一年間ほど存在を忘れて放置していたのですが、読了後はどうしてもっと早く読まなかったのかと後悔してしまうほど面白かったです。





『クリーピー』のあらすじ


大学教授で犯罪心理学を専門としている高倉は、妻と二人で一戸建てに暮らしている。

ある日、高校の同級生であった刑事の野上から八年ほど前に起きた四人家族の父、母、息子が娘だけを残し失踪した一家失踪事件の分析を依頼される。依頼内容は失踪事件で唯一残された娘が今になり意外なことを言い出したのでその信憑性を判断してほしいというものであった。

この依頼をきっかけに高倉の周りでは不可解な事件が頻発するようになる。野上の失踪、学生同士のトラブル、向かいの家での出火など…。しかしそれは、まだ事件の発端でしかなかった。

不可解な事件の連続から隣人である西野への奇妙な疑惑が生まれる。



ネタバレ


本作のテーマはなり代わりです。なり代わりの同義語に「なりすまし」というものがあります。

なりすましというのは、他の人のふりをして活動することですね。

インターネット上では、SNSなどで特定の個人や組織を名乗ったアカウントを用意し、問題発言などでターゲットにとって不本意な評判を作り出すことです。つまり他人のをして活動することです。

本作はなり代わりがテーマということで他人のふりをした人物が現れるのです。

本作でなりすましをしている人物は二人いました。

一人は、野上の義兄の矢島善雄でした。

矢島は、西野と水田と大和田の三人となり代わりをしていました。

西野となり代わりをしているというのは、本物の西野の娘である西野澪の発言から序盤のほうで分かりました。

しかし、屋島が西野以外の人物ともなり代わりをしているとはその時点では思いませんでした。

物語の内容的に日野市一家三人行方不明事件とも矢島が関わっているのは分かりましたが、まさか本多一家の隣人の水田にもなり代わっていたとは…。

一番驚いたのは、大和田へのなり代わりです。序盤から高倉のゼミ生の燐子に大和田の振りをしてメールをしていたとは。矢島が高倉のことも警戒しあらかじめ策をうっていたことがよく分かります。

もう一人のなり代わりを行っていた人物は、河合園子です。河合は、野上の振りをして高倉に手記を残しました。

物語の結末を読むまで、野上が残した手記をまさか河合が書いたとは思いませんでした。まさか、共犯者が河合だとは…。

河合の手記の内容が9割の真実と1割の嘘からできていたため物語中でもほとんどの人物が騙されていました。読者で河合が野上を殺したと気が付いた人はいたのかな?



感想


『クリーピー』では、たびたびなり代わりが起きましたが身近でなり代わりって起こると思いますか?

田中さん一家は、あまり外に出なかったため西野家のなり代わりに気が付くことができませんでした。実際に私も今住んでいる部屋の隣の住人の顔も知らないため、いきなり人が変わっても気づかないでしょう(笑)。

私以外の人でも都会に住んでいる人や近所付き合いの意識が低い若いひとなんかも、近所の住人がいきなり入れ替わっても気づかなさそうですね。

こうした事件を防ぐためにも日ごろからの近所づきあいって大切なんだなって思いました。

あと、本作で前川裕さんの作品を読むのは初めてになるのですが、情景説明がすごく上手であったため場面の創造がしやすい文章になっていたなと思いました。これをきっかけに前川裕さんの他の作品も読んでみたいと思いました。『クリーピー』の続編として『クリーピー スクリーチ』があるみたいなのでそちらを読んでみようかな。







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