
Windows10を使って機械学習をしてみたいと思いPythonでTensorFlowを使える環境を整えてみたのでインストール方法をまとめました。
【目次】
〇TensorFlowを選んだ理由
〇TensorFlowのセットアップ手順
・1. Anacondaのインストール
・2.Microsoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3のインストール
・3. TensorFlowのイントール(CPUバージョン)
・4. TensorFlowのイントール(GPUバージョン)
〇明後日の天気
TensorFlowを選んだ理由
TrnsorFlow(テンソルフロウ)とはで機械学習の分野で使用するためのOSS(オープンソフトウェアライブラリ)で、Pythonでも使用することができます。
Pythonで利用できる機械学習用のライブラリは他にもChainer(チェイナー)や Caffe などがありますがその中でTensorFlowを選んだ理由は利用者が多く情報を探しやすいからです。
以前Chainerを使用していたがTensorFlowよりは情報が少ないイメージがある。
また使い方が分かりやすく誰でも簡単にニューラルネットワークを組めるところも魅力的だ。
TensorFlowのセットアップ手順
これからTensorFlowのインストール手順を説明していきます。今回はPythonのディストリビューションである Anaconda を使ってセットアップしていきます。
1. Anacondaのインストール
Anacondaは下記のページからダウンロードすることができます。
理由がなければPython3を選び基本的に最新バージョンで大丈夫なので64bitか32bitの自分に合ったほうを選択してダウンロードしましょう。

インストーラをダウンロードしたらそれを起動しインストールを進めていきましょう。基本的に細かい設定をしたい人以外は Nextをクリックし続けるだけで問題ありません。
インストールにはしばらく時間がかかるのでゆっくり待ちましょう。
インストールが完了すると下記のような画面が表示され次に進むとVSCodeをインストールするか聞かれます。
これはインストールしなくても問題はありませんので私はskipをクリックしました(Visual Studio Codeを使ってデバッグなどするならばインストールしても良いと思う)。


以上でAnacondaのインストールは完了です。
2.Microsoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3のインストール
TensorFlowを使うにはMicrosoft Visual C++ 2015 再頒布可能パッケージ Update 3をインストールする必要があるので下記のページからインストールしてください。
すでにインストールしている人はとばしてください。
3. TensorFlowのイントール(CPUバージョン)
Anacondaのインストールが完了したら次はTensorFlowをインストールしていきます
TensorFlowにはCPU用のものとGPU用のものがあるのですがまずはCPU用のもののインストール方法を説明します。
GPU用のものを使う人は下にGPUバージョンのインストール方法を記しているのでそちらを見てください。
まず最初にスタートメニューからAnaconda Promptを起動します。

起動したら下記のコマンドを入力してください。
conda install tensorflow
もしエラーが出た場合は現在のpythonのバージョンではTensorFlowを使えない可能性があるのでバージョンを落としましょう。(2018年10月8日の時点では3.7ではTensorFlowをインストールできなかったので、3.5にダウングレードしました。)
バージョンを落とすコマンドは下記になります。(3.5にする場合)
conda install python=3.5
バージョンを落としたらもう一度TensorFlowをインストールしてみてください。それで成功するはずです。
TensorFlowがインストールできたらしっかり動作するかテストをしてみましょう。下記のコードを入力してみて実行ができたら正しくインストールできています。
import tensorflow as tf
hello = tf.constant('Hello, world')
sess = tf.Session()
print(sess.run(hello))
エラーが出た場合Pythonのバージョンを変更したりTensorFlowのバージョンを変更したりしてみてください。
4. TensorFlowのイントール(GPUバージョン)
TensorFlowで機械学習をGPUで行おうとするとTensorFlowの他にCUDAのインストールとCuDNNをダウンロードする必要があります。
CUDAのインストール
CUDAは下記のページからダウンロードすることができます。
https://developer.nvidia.com/rdp/cudnn-download
Windows10ならWindows10のものをダウンロードしましょう、CUDAのバージョンは9.0以外はTensorFlow対応していないので9.0にしましょう。
TensorFlowとCUDAのバージョンの対応表はこちらで見れます。
私は最初9.2でも大丈夫だと思っていたがそのせいで上手くいかず無駄な時間をとってしまった。

インストールは指示通り進めていけば簡単にインストールすることができます。
CuCNNのダウンロード
CuCNNは以下のページからダウンロードすることができます。CuCNNをダウンロードするにはアカウントを作成する必要があるので持っていない人は作成しましょう
https://developer.nvidia.com/cudnn
CuCNNはCUDAのバージョンにあったものをダウンロードしましょう。
ダウンロードできたらCuCNNを展開して各ファイルをCUDAのディレクトリにコピーしてください。
cudnn64_7.dll ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\bin
cudnn.h ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\include
cudnn.lib ➞ NVIDIA GPU Computing Toolkit\CUDA\v9.0\lib
tensorflow-gpuのインストール
tensorflow-gpuのインストールはCPU用のものとほぼ同じでAnaconda Promptを起動し下記のコマンドを入力するだけです。
conda install tensorflow-gpu
インストールが完了したら動作確認をしましょう。下記のコードを入力してみてください。
from tensorflow.python.client import device_lib
device_lib.list_local_devices()
GPUの情報が表示されたら正しくインストールできています。CPUの情報しか表示されない場合は上手く動作できていないのでもう一度バージョンなどを確認してみてください。
最後に
色々と困ったこともありましたが無事インストールできました。今後 TensorFlow を使った機械学習に関する記事も書いていこうと思います。
もし何か分からないことがあれば気軽にコメントしてください。答えられる範囲で答えようと思いますので。
詳解 ディープラーニング ~TensorFlow・Kerasによる時系列データ処理~
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巣籠 悠輔 マイナビ出版 2017-05-30