としおの読書生活

田舎に住む大学院生であるとしおの読書記録を綴ります。主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にも旅行やパソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

2018年09月

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ゲーミングPCでGTX1060を使ってモナコインのマイニングを始めて3週間ほどがたちました。

9月も終わりきりが良いのでどれぐらい採掘できたのか記そうと思います。

RTX20xx シリーズがでた今需要は少ないかもしれませんがこれからモナコインのマイニングを始めようと考えている人の参考になれば幸いです。



マイニング環境
  • GPU:GeForce GTX 1060 6GB
CPUは使用しておらずGPUは初期設定のまま特にいじっていないのでオーバークロック(OC)はしていません。

マイニングプールは VIA Pool を利用しています。



2018年9月のモナコインのマイニング記録

3週間で約4.36 MONA 採掘することができました。
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ゲームをしている時やGPUに負荷のかかる作業をしている時はマイニングをやめていたのでずっと続けていればもう少し採掘量は増えそうですがそれでも想像以上に掘れないですね…。

モナコインの価格が600円ぐらいならまだ気になりませんが150円前後をうろうろしている今すぐの儲けを考えると絶対に損ですね。

Kotoを掘っていた時のようにたくさん掘れるという快感がないのも痛いです。



今後の方針

思った以上に掘れなかったですが今現在他に掘りたいコインも見つけていないのでしばらくはモナコインのマイニングを続けようと思います。

今後モナコインの価格が爆上がりしたりしたらいいんだけどな…。



最後に

本記録を見てモナコインのマイニングをはじめたいと思った人は下の記事にマイニングの始め方をまとめているので参考にしてみてください。

GTX 1060でモナコイン(MonaCoin)をマイニングしてみた。

友人と鹿児島県の喜界島に行ってきたので旅行記録をまとめます。

名前を始めて聞く人も多いと思いますが喜界島は奄美群島に属する一つの島です。

奄美群島に行くのならば奄美大島に行こうと考える人が多いと思いますが、喜界島はビーチで遊ぶ場合でも奄美大島より人が少ないのでお勧めです。



喜界島旅行記


一日目

喜界島に行くには鹿児島空港で乗り継ぐ方法と奄美空港で乗り継ぐ方法の二つがありますが今回は鹿児島空港で乗り継ぐ方法で行ってきました。

鹿児島空港から喜界島行きの飛行機はプロペラ機で私にとって人生初のプロペラ機です!

この飛行機の最大搭乗人数は36名みたいで大阪 - 東京間とかだと考えられない大きさの飛行機でした。

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いざ飛行機に乗ってみると思いの他プロペラの音がすごく慣れるまでかなり時間がかかりました。

機内では添乗員さんのサービスがすごくよく、黒糖を使用したお菓子をもらったり、奄美諸島のニュースがまとめられている新聞をもらったりして移動時間の約1時間があっという間でした。

喜界空港に着くと空港が思いのほか小さくて驚かされました。空港というより小さな駅に来た感覚です。
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空港に到着してから10分ほど歩いて喜界島にいる間宿泊する喜界第一ホテルに移動します。歩いている間も本州では見ることができないハイビスカスなどの植物を見ることができ新鮮な気持ちです。
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喜界第一ホテルに到着するとチェックインの手続きを済ませた後夕食を食べに行きました。喜界島の名物であるヤギ料理を食べることのできる店を探していることをホテルの従業員さんに伝えると道だけではなく親切にお店の空き状況まで確認していただけました。ホテルの部屋も二人部屋を予約したのに部屋が空いていたからか三人部屋にまわしていただき広く快適でした。
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夕食は大吉という店でいただきました。お寿司がメインみたいですが定食もやっているということでヤギ料理の定食を頂きました。定食にはごはんとヤギ汁とヤギからじゅうりが付いていました。

ヤギ汁はさっぱりしていてすごく飲みやすい味付けになっていました。ヤギからじゅうりは好みが別れそうな味です。料理にヤギの血液やホルモンを使っているのもあり最初は獣臭くくせのある味だなと思っていたのですが食べているうちに美味しさに気が付きはまってしまいました。白米やお酒に合う味だという印象が強いです。
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食後は喜界島をすこし散歩しました。民家の近くにあるる石垣を見るとサンゴからできていました。暗くて分かりにくいですがこれがサンゴの石垣です。翌日島を散策しているときにもたくさん見たので島中にあるみたいです。
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二日目

朝食はホテルで鶏飯をいただきました。本場で食べる鶏飯は初めてですが以前本州で食べたものと同じ味であったため朝食向けでさっぱりしておりすごく食べやすかったです。

二日目はレンタカーを借りて喜界島散策をしました。レンタカーは喜界空港近くのお店で借りました。事前にネット予約をしていたためさくさくです。

島を車で走っているとあらゆるところにあるガジュマルが目にはいります。枝から新たに地面に垂らそうとしている根がすごくなんだか神々しい気がします。
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車で喜界島を一望できる中西公園や百之台公園に行ってきました。

中西公園も百之台公園も両方とも景色が一望できたのですが地元の人の話では中西公園の方は近年あまり整備されていないらしいので、景色を見に行くのなら百之台公園がおすすめです。
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風景を見終わった後は走っている途中で見つけたお店でチキン南蛮定食を頂きました。本州より値段が安くてボリューミーな気がします。
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その後、今回の旅行の目的であるスギラビーチに行ってきました。天気が曇りであまりよくなかったのですが海やビーチはとても綺麗でした。水の透き通り具合や砂の質感が本州のビーチとは根本的に違います。

また他にビーチを使用している人が二組ぐらいしかおらず、ほぼプライベートビーチ状態でした。
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ビーチで楽しんだ後はホテルで地元の食材を使用した夕食をいただいたのですが、写真を撮り忘れるというミスを犯してしまった…。



三日目

三日目は午前9時25分発の便で喜界島を出発するのでホテルで朝食をいただき、そのまま空港に向かいました。本日の朝食は和食でした。

空港では島の住民が見送りに来ていたりして朝から人が多かったです。帰りの便は行きの便より少し大きな飛行機で最大搭乗人数は48人でした。プロペラの音もあまり気にならず行きの便以上に快適だった気がします。



最後に

喜界島はとてもきれいで素敵な場所でした。

私も旅行に行く直前まで喜界島のことを知りませんでしたがまた行きたいと思ったぐらいよかったです。次に行くときはヤギの刺身に挑戦してみたいです。

ぜひこの記事を読んで喜界島の存在を知った人は一度足を運んでみてください。

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三浦しをんさんの『愛なき世界』を読みました。

最初は表紙の美しさにつられてなんとなく購入した本ですが、読了後はこの本を読めてよかったと思えるぐらい素晴らしい作品でした。

三浦しをんさんは学術分野が関連する作品をよく書かれていますが本書もその一つです。本書で扱っているのは植物学ですが植物学について知識がない人でも読みやすいように三浦しをんさんらしい工夫が施されていました。




あらすじ


洋食屋の見習いである藤丸陽太は、出前で訪れた東京大学で植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。

しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好きで恋愛には全く興味がない。

見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々……人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか⁉


感想(ネタバレあり)


三浦しをんさんらしい一つのことに集中する人間たちを描いた素晴らしい作品でした。

第一章は藤丸陽太の視点で描かれていたためこのまま最後までずっと藤丸の視点で物語が進行するものだと思っていました。

しかし、二章から四章までという物語の大部分がヒロインである本村紗英の視点で描かれていたのには驚かされました。

本村紗英の視点は自分も分野は異なるが理系の大学院生であるため今後研究を続けていってよいかどうかの葛藤や、いかに自分が今行っている研究が大好きなのかなどの共感できる話が多くまるで自分の物語を読んでいるような気分になりました。

私と同じように多くの理系の学生が本村紗英の悩みに共感を持てるのではないのだろうか。

悩みを持っている紗英とは対照的に料理人として生きると決めて料理の道を極めようとしている藤丸もかっこいいですね。料理人と研究者って全く違う職のように思えますが『愛なき世界』を読んでいると根本的には変わらないのだと分かりますね。

この二人の他にもすべての登場人物が魅力的な作品でした。

またヒロインの本村紗英が植物学の研究を行っているため植物に関する研究や実験の様子が描写されていましたが詳しい知識がない人でも読みやすいように詳しい説明などが施されているのも本作の素晴らしい点です。

この作品を読んでいるだけでまるで自分も植物学の研究者の一人になれたような気分になれます。






『愛なき世界』の意味


タイトルの『愛なき世界』ですが物語を読み始める前はこのタイトルの意味が分かりませんでした。恋愛を求めていない男女の話が描かれるのかなどと思っていましたが全然違う意味でした。

読了後私は『愛なき世界』には二つの意味があるのだと思いました。

一つ目は作中でも言われていたように植物の世界のことですね。植物の雄しべと雌しべは人間とは違いお互いを愛し合っているから子孫を残すわけではありません。植物の本能として子孫を残し続けるだけです。ですからこれが一つ目の愛なき世界の意味になります。

二つ目は研究者(職人)の世界のことです。本作にでてくる多くの研究者が研究一筋で恋愛のことなど考えていません。松田研究室に所属しているメンバーたちも岩間以外は恋人がいません。恋人がいる岩間でさえも学会のときしか彼氏とあえず会ったとしても研究に集中しているわけではないので愛をはぐくんでいるとは言えません。そのため研究者の世界が愛なき世界だと思いました。

また物語の冒頭で藤丸の師匠である円谷も若いころは妻がいたが料理に没頭するあまり出て行かれたと書かれています。こうしたことから一つのことに没頭する人間は愛なき世界にしか存在でいきないということを示しているのではないのでしょうか。


ラストシーンで藤丸と本村の関係は


藤丸と本村の関係は読んでいる側からしたらすごく歯がゆい感じでした。

藤村が本村に対して一途であるのに対して、本村は藤村が本気で自分のことを好きなのが分かっているため無下に扱えませんでした。

読者側からしたら藤村すごくいい人っぽいから早くくっつけばいいのにって思っている人が多かったのではないのでしょうか。

作中では、藤村が本村の研究の成功とともに二度目の告白をしますが、植物学者として生き続けたい本村は藤村のことを振ってしまいました。藤村のことは嫌いではないだろうにそれでも研究一筋の道を選ぶ本村の植物大好きな思いが分かりますね。

二人が恋人関係になることはありませんでしたがいつかは二人もくっつくのではないのでしょうか。

藤村の師匠である円谷は花屋の女性店主であるはなちゃんと年をとってから一緒に暮らし始めましたがそれは未来の藤村と本村の関係を表しているのかもしれません。


最後に


三浦しをんさんの作品を久しぶりに読みましたがやっぱり面白いですね。

本作を読み終わった今自分も植物を育てたい気分です。

藤村を見習って私もサボテンを育て始めようかな。





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湊かなえさんの『ポイズンドーター・ホーリーマザー』が文庫化されていたので購入してみました。短いながらも湊かなえさんらしいイヤミスが味わえるみたいなので楽しみです。

今度WOWOWで連続ドラマ化するみたいですね。



湊かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた古郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。だが、理穂とメールで連絡を取るうちに思いがけぬ訃報を聞き……。(「ポイズンドーター」)母と娘、姉と妹。友だち、男と女。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる。

本作は以下の6つの短編から構成されています。
  • マイディアレスト
  • ベストフレンド
  • 罪深き女
  • 優しい人
  • ポイズンドーター
  • ホーリーマザー
以下各短編についてネタバレを含んだ感想になりますので未読のかたは気を付けてください。






マイディアレスト

マイディアレストは妊婦の妹が殺人事件に巻き込まれて殺害されてしまい、姉が刑事に事情聴取をされている場面から始まります。

物語の序盤では姉に対して妹や母親の態度が酷いなと感じてしまっていたのですが物語を読み進めていくにつれて不穏な空気がでてきます。

最後の場面では、蚤をとる要領で妹のお腹をつぶしてその後顔をつぶしてしまいます。最後の「誰が何度あの夜のことを私に訊いても、答えは同じだ。——蚤取りをしていました。」という文章にはぞっとしてしまいました。

途中ででてきた猫の蚤取りが殺人につながっているとは思いもよりませんでした。

この物語は姉の目線で物語がしんこうしているため姉はかわいそうな人に移りますが、客観的にみると無職でいつまでも結婚せず家族から見ると姉はお荷物でしかありませんね。

母親が姉に対して厳しく、妹に対して厳しくないのも母親が物語中で言っているように年齢の問題であったり、姉を育てたことで育児慣れしてきたというところもあるんでしょうね。

一遍目からここまで衝撃的な作品が掲載されていると思わなかったので驚かされてしまいました。



ベストフレンド

ベストフレンドは大学四年の時に初めて脚本コンクールに応募し、九年目にしてようやく最終選考に残り優秀賞を受賞することができた漣涼香(さざなみすずか)が主人公です。

漣涼香は授賞式の日に最優秀賞の大豆生田薫子(まみゅうだかおるこ)と涼香と同じ優秀賞の直下未来(そそりみらい)と出会います。

授賞式の場で涼香は審査員三人中二人は涼香の作品を最優秀賞に推していたのに涼香のあこがれの存在である野上浩二が病気を盾に薫子の作品を最優秀賞に選んでいたことを知る。

その後涼香が書いた別のプロットが野上の手で映像化されるが評判が上がらず打ち切りされてしまう。一方薫子は脚本家として着実に成功をおさめる。

涼香は成功する薫子と自分の違いに耐えられなくなり、いつしか薫子のことを疎ましく思う。

最後の場面で凱旋帰国する薫子を涼香は花束を持って待つが薫子を刺そうとする人物から薫子をかばって涼香はなくなってしまう。


最後の涼香が刺される場面が本当に衝撃的でした。私は涼香が薫子を恨んで嫉妬から空港で薫子を刺そうとしているのだと思っていました。しかしそれは勘違いであったみたいで涼香は薫子を最初は恨んでいたかもしれないが徐々に才能を認め始めて最後は純粋に脚本家としての良きライバル(親友)として花束を渡しにきただけでした。

一方涼香を刺した直下は、涼香と違い薫子の才能を認めることができず最終的に薫子を殺そうとするという暴挙に出ます。

物語の途中でたびたび出てくる "『』" の台詞は涼香の心情ではなく直下のブログに書き綴られていた言葉だったとは…。

この物語の終わり方は正直爽やかなものではないが最後の最後に涼香と薫子のお互いが脚本家として競いあうことができる親友だと気が付くことができたのは良かったのかもしれない。




罪深き女

この物語は電気店で刃物を振り回して死傷者十五名を出した黒田正幸容疑者の知り合いだとして警察に彼のことを話す天野幸奈が主人公です。

天野幸奈は警察に黒田正幸は母子家庭で苦労していたことを伝え子ども時代には幸奈が母から虐待される正幸に食べ物を与えていたことなどを教えた。

最終的に幸奈と正幸の関係は正幸が幸奈を母親から解放するためにアパートを燃やしてしまいそれぞれが母親を亡くして孤児院に引き取られてしまい二人の関係は終わってしまいます。

そして事件の一週間前に二人は電気店で再開します。幸奈は再会を喜び今の自分が幸せであることを伝えましたが、正幸が幸奈だけ幸せになっていることを恨み殺人事件を起こしたと幸奈は話します。

しかし、今までの幸奈の話を警察から教えられた正幸は反論します。

そもそも正幸はもともと母親に虐待されていなかったが正幸の母の再婚を憎んだ幸奈の母の嫌がらせが原因で暴力を受けるようになった。

火事を起こしたのも幸奈を救うためではなく自分の母の暴力に耐えきれなかったからだ。

殺人事件を起こしたのも運の悪い人生に嫌気がさしただけで正幸は幸奈のことを覚えてすらいなかった。


幸奈の警察への証言は見当違いのものばかりでしたね。幸奈は自分のいいように思い出を解釈していただけで正幸にはなんとも思われていませんでした。

もし正幸が幸奈一家にであっていなければ幸せに暮らせいていたのかがきになりますね。

正直幸奈が不幸に酔いしれているだけだと分かった状態で「罪深き女」をもう一度読み直すと胸糞が悪い話で気持ち悪いですね。



優しい人

会社の同僚ときていたバーベキューで奥山友彦が殺害され、犯人は交際相手の樋口明日実であるとされている。この物語では友彦を知る人物と明日実の心情から事件の真相が浮かび上がってきます。

友彦を知る人物の証言はどれも似たような内容で友彦は自己主張が苦手だが頭がよく優しいというものばかりでした。

明日実の心情では明日実の小さいころからのエピソードが語られている。子どものころから母親に人に優しくするのが当たり前だと教え込まれてきました。

そのため社内でも気持ち悪いといわれている友彦にたいして同情していまい優しくしてしまいました。その結果友彦から勘違いされてしまい、明日実は友彦からのストーカー被害に苦しめられることになります。明日実をそれを上司や警察などに相談するが相手にされません。

明日実は友彦が最後一緒にバーベキューにいけば諦めてくれるといったのでそれを了承します。

しかしバーベキューの場で友彦は彼氏を人質に脅迫し、明日実に結婚をせまります。その行為に嫌悪感をいだいた明日実はテーブルにあった包丁に手を取り友彦を刺し殺します。


友彦の周りの人間の話を聞いてると友彦はとても優しい人物のように見えます。しかしそれは表向きの話でした。ブログで人の悪口をかくなど友彦は裏の顔をもっていました。

一方明日実も表向きは友彦と同じく優しい人です。しかし明日実は優しいのではなく人から頼まれたことを断れずにやっているというタイプでした。

最後の優しい人の証言はとても深いですね。優しいことは素晴らしいのかもしれませんが我慢して優しくしたり無理して優しさを背負わせるのはあまりいいことではないのかもしれませんね。

周りの人間ももし優しい人を見かけたらそれを拍手して見守るのではなくその優しい人の手助けをするべきなんでしょうね。



ポイズンドーター

この物語の主人公は女優である藤吉弓香です。彼女は母親に女で一つで育てられたが、レール通りの人生を歩むのが苦痛となり母親の言動にストレスを感じるようになる。

そんな弓香に社会的なテーマを取り上げて討論する番組のオファーが届く。テーマは "毒親" でした。毒親に苦しんでいる子どもたちの励みになると思い、オファーを引き受ける。

その番組のあと親友である理穂から弓香の母親がなくなったという連絡が届く。

世間では毒親のエピソードや弓香が出版した本が原因で自殺したのではないかと噂されている。


この物語のタイトルは毒娘だ。親をテレビやネットなどで批判するような人間は毒娘(毒息子もいるだろうが)だと言いたいのだろう。

親が子どものころをテレビなどでほめることはあっても批判することはない。一方子どもはネットやテレビを通じて親を批判することがある。

世間一般からみれば毒なのは親ではなく子どもなのかもしれない。




ホーリーマザー

『ホーリーマザー』はポイズンドーターの後の物語で、弓香の友人の理穂視点です。

理穂の義母は弓香の母の友人であり、弓香が母のことを毒親であると公表したことが許せなかった。理穂は義母のことを疎ましく思いながらも義母の抗議文に訂正を加えた週刊誌に送る手助けをした。

そんな中、理穂に弓香から久しぶりに連絡が入りヒステリックな調子で会えないかといわれる。

弓香と再会した理穂は弓香の母の佳香は毒親ではないと反論し、本当の毒親を知っていると伝える。ただ理穂の言いたいことは弓香には通じませんでした。

弓香と別れた理穂は娘から嫌われて毒親だと思われたとしても自分が母にしてもらったように育てたいと考える。いつか娘も母は自分のために厳しかったのだと分かってくれるから。


毒親の基準って難しいですね。少し厳しいぐらいだったら子どもは親のことを毒親だと思うことはないかもしれませんが、継続的に厳しいのが続くと精神的にまいってしまい親のことを毒親認定しまう可能性があります。

一方物語中に登場したマリアの母親のような人物は娘を金儲けのために売るというどをこした毒親だ。理穂は毒親と言っていいのはこういう人物だけであると言っているが本当にそうなのだろうか?

母親が全員完璧な聖母のような存在になるのは無理だろう。たあだ子どもにさえ将来的に聖母(良い母だったと)思ってもらえれば、毒親と悪態づかれることはないので教育成功なのだろう。

弓香も結婚して姑と出会うことがあったら自分の母のことを毒親だといわなかったのかもしれないですね。



最後に

ここまでご覧いただきありがとうございます。

どの短編もメッセージ性が強く深く考えられる話ばかりでした。また多くの話が読了後後味が悪かったのではないのでしょうか。

私は本作の中では一番『ベストフレンド』が好きです。最後に涼香がなくなったのは後味が悪かったですがまだハッピーエンドと言えるのではないのでしょうか。

みなさんはどの話が好きですか?

他にも湊かなえさんの短編が読みたい方には『サファイア』がおすすめなのでこちらもぜひ読んでみてください。


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2016年に芥川賞を受賞した村田紗耶香さんの『コンビニ人間』が文庫化され本屋に大量に積まれていたので購入してみました。

様々な国で翻訳されている人気作品ということで読むのが楽しみでした。


村田紗耶香『コンビニ人間』


「いらっしゃいませー!」お客様がたてる音に負けじと私は叫ぶ。小倉恵子、コンビニバイト歴18年。彼氏なしの36歳。ひびコンビニ食を食べ、夢の中でもレジを打ち、「店員」でいるときのみ世界の歯車になれる。ある日婚活目的の新入り男性・白羽がやってきて……。




感想


ミステリー要素や恋愛要素などがなくただのコンビニ店員を主人公としてためリアルさがとても強い作品でした。リアルさゆえに人間の気持ち悪い部分や現代社会の問題などのメッセージが分かりやすい作品であったともいうことができます。

『コンビニ人間』というタイトルを見たときは変わったタイトルだなぐらいにしか捉えていませんでしたが、本作を読んだ方にはこのタイトルがどれだけこの作品にふさわしいタイトルであったのかが分かるでしょう。

本書は本当にメッセージ性が強い作品であるため、主人公である恵子や白羽を除く作中に登場する全ての人物が普通なように見えてとても気持ちの悪い存在でした。


恵子


恵子は、子ども時代の小鳥のエピソードから分かる通り子どもの頃から奇妙な思考回路を持つ人間です。

普通の子どもであればかわいい鳥が死んでいる、かわいそう、お墓を作ろうとなります。しかし恵子は鳥が死んでいる、お父さんは焼き鳥が好きだ、お父さんのために死んだ鳥を焼いて食べようとい発想がでてきます。

恵子の行動は合理的ですが一般的な社会で受け入れられないもので、このことから恵子はおそらく「サイコパス」であるということが分かります。

成長していくにつれて恵子も徐々に自分がおかしいということに気が付きます。しかし、どうすれば治るのかが分からないためコンビニで働くまでは自分から何もしない、しゃべらない人間になります。

人と関わらない生活を送っていた恵子に変化が現れたのは大学時代に "コンビニ店員" というアルバイトを始めたのがきっかけです。徹底的なマニュアルがあり店と客のために働き社会に沽券できる "コンビニ店員" という仕事は恵子にとって天職でした。

コンビニで働き始めたことをきっかけに人とどう関われば嫌がられないかという生き方も学んでいきます。

それから18年たち36歳になった現在でも他のことに興味を持たずコンビニのためのみに人生をささげており、正に "コンビニ人間" ですね。


白羽


白羽も客観的に見れば恵子と同じで人と関わるのが苦手な社会不適合者です。

しかし本質を見ると二人の違いは一目瞭然です。恵子が人の目などを全く気にしていないのにたいして、白羽は他人からどう思われているのかということを気にしています。

恵子が人間ではない新たな生物である "コンビニ人間" であるのに対して、白羽は普通の生活を送ることができる人間に憧れているだけという印象があります。

白羽という存在がいるおかげで恵子の異質感がより際立ちますね。


"普通" の人々


『コンビニ人間』に登場する恵子と白羽以外の人物は一見普通に見えますが、彼らは "異物を排除したい" という白羽のセリフで言うと縄文時代からプログラムされている人間の本能にしたがって生きています。

この本能こそが "普通" の人間を気持ち悪く見せる要因となっています。

おかしな存在である恵子や白羽に対して普通の人々はアドバイスをしようとするが、その行動の実態は彼らにとって異常な人間の内側に入り込み自身の異物を排除したいという欲求を達成しようとしているだけです。

社会では個性を尊重することができないということ作者の村田紗耶香さんが強調しているように感じます。

個性を尊重できない社会では恵子のような特別おかしな存在でもない限り、白羽が言うように少数派の人間は人生を他者に強姦されているように感じてしまうでしょう。

また作中で恵子は普通の人々は周りの人の行動と同じ行動をとると言うような発言をしていますがこれも人間の本能で人に嫌われないために同調行動をとろうとしているだけなんでしょうね。


最後に


ここまでご覧になっていただきありがとうございます。

『コンビニ人間』は読む人によってとても後味が悪く感じる作品となってしまうのかもしれませんが、作者の村田紗耶香さんは社会の少数派の人を排除するためにこの作品を書いたのではないと思います。

世の中の多くの人に個性的な人も世の中にはいて個性を尊重するのは悪いことではないと伝えたかったのではないのでしょうか。

『コンビニ人間』を多くの人の手に取ってもらうことでいつか個性を尊重することができる社会になればいいですね。

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