としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

2020年08月


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C++でint型やfloat型などの数値を文字列に変換する方法が分からず、いくつか方法を調べたので忘備録として記録しておきます。




sprintfを使用した方法


sprintfはC++のライブラリではなくCのライブラリを使う方法で、数値から文字列変換の一番王道な方法な気がします。
#include 

int main(void){
	char iStr[50] = {0};
	char fStr[50] = {0};
	
	int iNum = 123;
	float fNum = 4.56;
	
	sprintf(iStr, "%d", iNum);
	sprintf(fStr, "%f", fNum);
	
	printf("%s\n", iStr);
	printf("%s\n", fStr);
	
	return 0;

}

ただこの方法は数値の長さがchar配列のサイズより大きい場合、バッファオーバーフローを起こす危険があるので以下のようにsnprintfを使ったほうがいいです。



snprintfを使用した方法


snprintfは上記のsprintfのバッファサイズが指定できる版です。
#include 

int main(void){
	char iStr[50] = {0};
	char fStr[50] = {0};
	
	int iNum = 123;
	float fNum = 4.56;
	
	snprintf(iStr, sizeof(iStr), "%d", iNum);
	snprintf(fStr, sizeof(fStr), "%f", fNum);
	
	printf("%s\n", iStr);
	printf("%s\n", fStr);
	
	return 0;

}







ostringstreamを使用した方法


こちらはC++のライブラリであるsstreamの中のostringstreamを使用した方法です。

char配列に変換するために「ostringstream → string → char配列」という流れがあるので少し分かりにくい方法な気がします。

ただ、fstreamとかを使い慣れている人にとっては読みやすくなるのかもしれません。
#include 
#include 
#include 

int main(void){
	std::ostringstream iOss;
	std::ostringstream fOss;
	
	int iNum = 123;
	float fNum = 4.56;
	
	iOss << iNum;
	fOss << fNum;
	
	printf("%s\n", iOss.str().c_str());
	printf("%s\n", fOss.str().c_str());
	
	return 0;

}



to_stringを使用した方法


stringクラスのto_string関数を使った方法ですが、個人的には今までの方法の中でこの方法が一番分かりやすいと思っています。

ただし、C++11以降でしか使えないという欠点があり、過去のプロジェクトでC++98などの古い言語規格を用いている場合、使用できないという欠点があります。
#include 
#include 

int main(void){
	std::string iStr;
	std::string fStr;
	
	int iNum = 123;
	float fNum = 4.56;
	
	iStr = std::to_string(iNum);
	fStr = std::to_string(fNum);
	
	
	printf("%s\n", iStr.c_str());
	printf("%s\n", fStr.c_str());
	
	return 0;

}



最後に


いくつか数値を文字列に変換する方法を書きました。

このほかにもっと良い方法があればコメントで教えていただければ助かります。



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本城雅人さんの『去り際のアーチ』を読みました。

『去り際のアーチ』はプロ野球に関する短編が8編収録されています。

主人公がプロ野球選手の他にコーチ、審判、ウグイス嬢など多様な視点でかかれている短編集でした。

以下、各物語の感想を書いていきます。






塀際の魔術師


この物語の主人公は全盛期を過ぎた2000本安打直前の4番バッター、宇恵康彦です。宇恵の最後の去り際がかっこいい作品でした。

最終的に1999本でシーズンを終わってしまいましたが、ずるずるプロを続けるのではなく辞めたのがよかったです。最後に幻となった2000本安打のグッズをファンに無料で配布して、感謝の気持ちを忘れないのもかっこいいですね。

タイトルの「塀際の魔術師」は昔の守備の上手かった宇恵のことをさしているのかと思っていたのですが、違いました。

ラストシーンの風にのってホームランが入ったことがこれまで頑張ってきた、宇恵の気持ちをのせた魔法だったんでしょうね。



スイートアンドビター


この物語の主人公はジャガーズの元監督で現在は解説者を行っている滝澤寿郎です。滝澤のジャガーズに対する愛や感謝を感じられる作品でした。

ジャガーズに対して批判的な解説を行う久保谷と批判を行わない滝澤を比較している作品でした。

ラストシーンで滝澤は、久保谷の真似をして批判的な解説を行います。

しかし、その解説のやり方が自分にはあってないと悟り、ジャガーズと幸せな生活をおくってきたんだから解説をいつ辞めてもいいと思う滝澤には去り際の美しさを感じます。

また、解説を聞いているとたまに批判がきつい解説者がいますが、久保谷のようにジャガーズの選手がファンから批判される怒りのはけ口になっていると思うとそういった実況者もかっこいいですね。






カラスのさえずり


この物語の主人公は中部ドルフィンズのウグイス嬢の大島佐絵です。

大島は昔ながらのウグイス嬢のやり方を批判してくるDJのケンジと対立します。

ケンジの対抗策として、昔ながらのウグイス嬢のやり方を続けるのではなくケンジの盛り上げ方の元となっているメジャーリーグ風の盛り上げ方をしようとした部分が個人的には好きです。

いつまでも昔の方法を続けるのではなく新しいやり方を導入しようとする大島の心意気が素敵ですね。


また、大島のウグイス嬢にあこがれて入社した石堂にウグイス嬢を続けてほしいという、ウグイス嬢にかける大島の情熱もかっこいいと思います。

何か一つのことに夢中になれる人は何歳になっても素敵に感じます。



永遠のジュニア


この物語の主人公は北関ソニックスの石田和一朗です。

北関グループの会長であった親の栄光のおかげで、北関ソニックスのオーナーをしている石田はオーナーとしての仕事ができているか悩んでしまいます。

石田は今まで自分に自身がなかったことが原因でファンと直接向き合ってきませんでした。

しかし、元父の秘書であり、現在は自分の秘書の田崎から表舞台にあがった石田を支えるのが自分の役目だという言葉をうけて、石田は考え方をかえます。

石田がラストシーンで過去の自分の殻をやぶってファンと直接向き合うシーンが爽快な作品でした。



トモ、任せたぞ!


この物語の主人公はヘッドコーチの聡司です。

ヘッドコーチって中間管理で選手と監督の板ばさみになって大変なんだなと感じる作品でした。

聡司は監督に自分の意見は伝えるが、最終的な決定を監督に任せていたことが原因で選手や他のコーチたちからは嫌われる存在でした。

最終的にヘッドコーチをやめて少年野球の監督に着いたことで自分が正しいと思う意見を言うことの大切さに聡司は気づきます。

この物語を読んで上司に対して言いにくいことはあるけど間違っていることははっきり言うことが大切だと感じました。



旅立ちのフダ


この物語の主人公はダブ屋の鉄平です。鉄平は父と野球を見にきたときに昔ダブ屋からチケットを購入したときのことを思い出してダブ屋になりました。

とにかく鉄平のダブ屋の師匠であり、恩人でもある庄司がとてもいい人です。

庄司は若者に対して安い値段でチケットを販売したりすることに、鉄平は疑問を持ちますが、これは未来ある若者に対する庄司の優しさです。

庄司は、鉄平には危険な仕事をまわさなかったことを鉄平はその場では理解できませんでしたが、物語のラストでは鉄平は庄司の優しさに気づくことができたと思います。

これからはダブ屋ではなく他のまっとうな仕事をしてほしいです。


関係ないですけどダブ屋ってまだあるんですかね。インターネットが普及した世の中ではほとんど需要がなさそう…。



笑えない男


こちらは文庫版のために書き下ろされた作品です。

主人公は大学野球で活躍している、投手の誠一です。

誠一はプロとしての道を本心では歩みたいが、会社を経営する彼女の父に大学に通うお金を支援してもらう代わりに婿入りする約束をしています。

しかし、ラストシーンで彼女の父にプロに行きたいと言ったら、父はあっさり引き下がりそのうえ彼女との結婚も認めてくれるというオチでした。

個人的にはこの物語は非現実的な要素が多すぎてあまり好きではありません。(もちろんいい物語なのですが)

ここまでトントン拍子で人生が上手くいくと最初から成功が約束されていたみたいであまり主人公に共感できませんでした。



人生退場劇場


「人生退場劇場」は『去り際のアーチ』のラストとして文句ない作品でした。

今までの物語の主人公は自分で去り際を決めていました。しかし多くの人は自分で去り際のタイミングを把握するのが難しくなかなか辞めるとはいいだせません。

「人生退場劇場」は誰かに去り際を教えてもらうことで思い上がっていた人間が辞めることができるということを語っている作品です。

この短編集を飾るのにこれ以上の作品はないでしょうね。



最後に


『去り際のアーチ』すごくおもしろかったのですが、読了後、野球に詳しかったらもっとおもしろかったのだろうなと感じる作品でした。

この主人公は現実のこの人がモデルになっているとかもありそうですね。

この記事を読んで興味をもってくれた方がいましたらぜひ読んで見てください。







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金曜ロードショーで先日放送されていた『借りぐらしのアリエッティ』を見ました。

人間から隠れて過ごす、小人の世界感が描かれている作品で面白かったです。

あらすじや感想を書いていきます。






『借りぐらしのアリエッティ』とは


『借りぐらしのアリエッティ』とは、2010年に米林監督が初めて監督をつとめたジブリの作品です。

原作はイギリスのファンタジー小説である「小人の冒険」シリーズです。

『借りぐらしのアリエッティ』は、第一作目である「床下の小人たち」が原作となっています。

映画では舞台が日本ですが、原作ではイギリスが物語の舞台となっています。



あらすじ


屋敷の床下で、小人の少女であるアリエッティは両親とともに暮らしていた。

アリエッティたちは、人間に気づかれないように、人間のものを少しずつ借りながら過ごす、借りぐらしの生活をおくっていた。

アリエッティが14歳になった日に、父とともに初めての借りをする約束をしていた。

しかし、その日病気の療養でやってきていた少年・翔にアリエッティは借りをしている姿を見られてしまう。

人間に気づかれたアリエッティはどうなってしまうのか…。






感想(ネタバレあり)


以下、感想になります。


小人目線のかわいい世界観


小人の目線で描かれた人間の世界観がとてもかわいらしいです。

待ち針がアリエッティには武器となっていたり、クリップが髪どめになっているなど小人たちにとって人間の使っている道具一つ一つが特別なものです。

アリエッティたちが住む家も、小さな家具などドールハウス使われているようなものを実際に生活でつかっていてかわいらしいです。


また、時計の音など人間にとっては何気ない音でもアリエッティたちからしたら巨大な音に感じます。

人間と小人の感じ方の違いを上手に表現しているので、見ているとまるで自分も小人の世界にいるような気分を味わうことができます。


アリエッティと翔の関係性


アリエッティと翔の関係性を見ることで人間と小人がどういった関係なのかが分かります。

物語の中で翔はところどころアリエッティに歩み寄ろうとしますが、小人たちにとって人間は恐怖の対称でしかありません。

そのため、砂糖をあげようとした翔にアリエッティは「もう私たちに、関わらない」といった言葉を投げかけます。


ただ、物語の最後でアリエッティは人間の中にはハルさんのような小人にとって悪い人もいるが、全ての人間が悪いわけではないことに気がつきます。

最初の場面では、受け取らなかった角砂糖を翔から受け取ったことがその証明です。


小人に執着するハル


家政婦であるハルはネズミの駆除業者を呼ぶほど小人たちを捕まえることに執着します。

小人たちに執着する理由が物語序盤では、どこかに見世物として売り飛ばしたいのかなぐらいに思っていました。

しかし、物語が進んでいくに連れて、ハルが小人を見たということが真実であるということを証明したかっただけだと分かります。


ハルは車の止め方などから自分勝手の性格であるのが分かりますが、もう少し小人に配慮した行動をすればよいのにと思ってしまいました。

おそらく、ハルさんにとって小人を捕まえるのは、子どもが昆虫を捕まえるのと同じ感覚なんでしょうね。だから小人の生活が脅かしているということを考えることができなかったのでしょう。



最後に


『借りぐらしのアリエッティ』の感想をネットで調べていると賛否両論ありますが、個人的には好きな作品でした。

また映画のラストシーンのあとアリエッティたちがどうなったのかは、原作の「小人の冒険」シリーズを読むことで分かるみたいなのでそちらも読んでみたいと思います。






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今回は、湊かなえさんが書かれた『未来』を紹介します。

湊かなえさんといえば数々の大ヒット作を書かれていることで有名な作家で、多くの作品が映画化またはドラマ化されています。

本作はデビュー作の『告白』を書かれてから、10年目の作品となっており今度はどんなどんでん返しの結末が待っているのか読む前から楽しみの作品でした。




あらすじ


病気で父を亡くした小学四年生の章子のもとにある日、住所も差出人名前もない手紙が届いた。

その手紙の冒頭には「私は二〇年後のあなた三〇歳の章子です。」と書かれており、未来の自分から届いた手紙であった。

手紙の内容は未来の章子しか知らないようなことが書かれていたため、その手紙を信じた小学生の章子はその日から未来の章子に返事を書き始めた。

物語は、未来の章子への返事が書かれた手紙とともに進んでいく。



感想(ネタバレあり)


本作も他の湊かなえさん作品と同じく色々と考えさせられる作品となっておりました。湊かなえワールドが大好きな人であればすごく気に入る一作になっていると思います。

私は湊さんの他の作品もほとんど読んでいますがこの『未来』が一番好きかもしれないと思えるほどお気に入りの作品となりました。

冒頭の未来の章子からきた手紙を読んだ瞬間から早速タイトル回収かと興奮し、その後読めば読むほど続きが気になり気がつけば一日で読み終わっていました。




「章子」~エピソードⅠ


私は、湊かなえさんの作品を読む際は、どういうオチが待っているのか冒頭から警戒しながら読みます。本作では最初の未来の章子からの手紙を読み、その後最初の章子の返事を読んだときから違和感を感じていました。

まず、この手紙には四年生までに習う漢字しか使われておらずひらがなが多く使われていました。その手紙を読んだ時点ではまだ小学四年生である章子に未来の章子が配慮したのかなぐらいに思っていました。

しかし章子が返事を書いた手紙には四年生以降に習う漢字も普通に使っていたため未来からの手紙は三〇歳の章子ではなく現在同じ時間軸にいる人物が書いたのではないのかと考えました。

しかし、悲しいことに最初の章での私の推理はここで終わってしまいました(笑)

なぜなら、未来からの手紙が冒頭以降届かないんです。これでは推理のしようがありません。そのうえ、章子の生活がどんどんひどいことになっていくため推理よりも物語よりに集中してしまうんです。

林先生いい人だけど怪しいなとか思っていたら案の定だし、おばあちゃんにお母さんは人殺しだと言われるし、章子はいじめられひきこもるし、早坂がろくでもない人間だし…

読めば読むほど章子どうなっちゃうんだろうと気になってしまい手紙が誰からきたとかどうでもよくなってしまいました。

最初の章の「章子」が終わりエピソードⅠを読んだところでやっと手紙が誰からのものなのかなんとなく予想ができました。

亜里沙にも同一の手紙が届いたことから、私にはすでに未来からの手紙は未来からのものではないという予想があったため章子と亜里沙の共通の知り合いの篠宮先生だと考えました。序章で章子がもしかしたら篠宮先生が書いたかもしれないということを書いていたこともヒントとなりました。





エピソードⅡ


エピソードⅡで手紙を書いたのが篠宮先生であると分かりました。

手紙の差出人が分かったのは良かったのですが、エピソードⅡも教師のありかたについて色々と考えさせられる内容でした。

湊さんの作品に出てくる教師はだいたいの人物がかわいいそうだが、いい人という設定の人物が多い気がします。

篠宮先生は作品を読んでいると児童理解もきちんとできておりすごくいい教師であると伝わってくる。ただ、昔学費に困りいけない動画にでていたのが分かったことから退職を求められます。

これは実際に保護者の立場だとどう考えるのだろう。篠宮先生に教師であり続けてほしいと思う人は少数派なのだろうか?

校長先生が言っていた子どもに知られても大丈夫なのかという意見は分からなくもない。

しかし、実際に篠宮先生ほどよい先生がいた場合やめてほしくないと思う人も多いはず。

篠宮先生についてその後どうなったのかは詳細には書かれていないが原田君と今後も幸せに暮らし続けることを祈るばかりだ。

エピソードⅡを読み終わった時点で、残っていた謎は章子のお父さんとお母さんはどういう関係ということだけす。


エピソードⅢ


エピソードⅢでは父の良太と母の文乃(真珠)のことが書かれていました。

この章を読んで、森本誠一郎がすごく魅力的だと感じました。

エピソードⅢの冒頭で、森本は悪魔みたいで殺されても仕方ないと思いました。

しかし、読み進めていくにつれ、森本にも森本なりの悩みがあったのだと分かりとてもかわいそうな人物であると分かりました。

最後の森本からの手紙を読んだときは涙が止まりませんでした。森本には真珠とともにドリームランドに行ってその後も良太と仲良く過ごしてほしかった…。


終章


終章はハッピーエンドなのかバッドエンドなのか人によってとらえ方が変わる終わり方をしていました。私個人としては、ハッピーエンドだと思います。

章子と亜里沙の両方が物語上では、これまで常に一人で悩み続けてきました。

これまでの章では、お互いにやっと悩みを相談することができた相手が章子は亜里沙、亜里沙は章子と親友どうしでした。

終章前までは、相談できる相手はお互いだけであったが、終章で章子は相談できる相手が周りにたくさんいることに気づくことができました。

二人がすぐに幸せな生活を送れるかどうかは分かりませんが、30歳になるときには一緒にドリームランドに行き手紙に入っていたしおりを手に入れて未来からの手紙を本物のものとするんでしょうね。


ブログを書きながら気がついたが主要人物のほとんどが父か母のどちらかを亡くしている片親なんですね。このことを意識しながらもう一度読み返すと違った視点で楽しめるのかもしれません。


疑問点


読了後に二つの疑問が残ったのでこの疑問が分かる人がいればコメントで教えてほしいです。

  1. フロッピー(エピソードⅢ)を読んだ章子は父親に対してどういう気持ちをもったのか?
  2. 智恵理さんはフロッピーの内容を読んで自分の意志で家を燃やすことを決めたのか?
よろしくお願いします。



最後に


湊かなえさんの10周年の集大成である『未来』を読んだら久しぶりにデビュー作の告白を読み直したくなったな。

『告白』を読んでからもう一度『未来』も読み直そう。






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湊かなえさんの『サファイア』を久しぶりに再読しました。

『ポイズンドーター・ホーリーマザー』を読んだ影響で久しぶりに湊かなえさんの短編をもっと読みたいと思ったことがきっかけで『サファイア』を読み直しましたがやっぱり面白いですね。

どの物語も宝石が関わる素敵な短編ばかりで湊かなえさんらしさを残しながらも後味の良い作品も混ざっており私のお気に入りの一冊です。

以下、各物語のあらすじと感想を書いていきます。





真珠



あらすじ


序盤は平井篤志が林田万砂子のムーンスター社の製品の歯磨き粉である「ムーンラビットイチゴ味」が林田の人生においていかに重要であるのかという話に耳を傾けながら平井自身もムーンスター社の「マイルドフラワー」というシャンプーと自分の人生の関りを思い出します。

林田の「ムーンラビットイチゴ味」に関する話は最初のうちはいくつか疑問に思う点はありながらも平井も共感しつつ物語が進行していきます。

林田の話が短大時代のことになり、最初に出ていた疑問が平井の中で疑惑へと変化していきます。

彼女は短大時代に同じ「ムーンラビットイチゴ味」を愛用していたことでM子と意気投合します。しかし、M子は寮が火事にあった際にそのまま帰らぬ人になってしまいました。

この話を聞いて疑惑が確信になった平井は林田に火事で実際に亡くなったのは林田万砂子本人で今の林田はM子が整形したのではないのかと問いただします。

最初のうちは林田も反論しますが、最終的に観念して彼女は自身の本当の名前は倫子だと名乗ります。

火事のあった日に林田本人と服を交換し自分がいつも身につけているイヤリングをつけさせたことで倫子本人だと偽装していたのです。

その後倫子は林田のふりをして生きていきますが50歳のころ自分の愛していた「ムーンラビットイチゴ味」がなくなるのを知りそれを阻止したいという欲求のためだけに再び火事を起こします。

平井はムーンスター社から派遣された人間で会社の名誉のために彼女が裁判の場でムーンラビットについて語るのを阻止しなければなりません。また整形した林田の醜さから平井自身も昔整形した自分の妻をこれからも愛し続けることができるのか悩まされます。

物語は平井がこれからの未来に絶望する場面で終わります。


感想


この物語のキーアイテムは「ムーンラビットイチゴ味」という歯磨き粉でしたが厳しい親のしつけで甘いものを禁じられていた倫子は幼少のころから唯一許されている甘いものが歯磨き粉であったため歯磨きが大好きな人間になり歯医者いらづの生活を送っていました。

一方、成り代わられた林田本人も倫子と似たような境遇で生活しており甘い歯磨き粉で歯を磨くのが大好きな人間でした。

この二人のどちらか片方が虫歯があり歯医者に通ったことのある人間だったら倫子の成り代わりのトリックはうまくいかなかったのだろう。二人とも歯形で判別することができなかったゆえに真珠のイヤリングが二人の成り代わりを成功させるための重要なアイテムとなりました。

最後の平井が二つの悩みから未来に絶望する嫌な終わり方は湊かなえさんの作品らしくていいですね。







ルビー



あらすじ


この物語は東京の出版社で働く女性が実家のある島に帰る場面から始まります。

実家の窓からは老人福祉施設「かがやき」が見えます。これまで交渉してきた先で全て断られ、ようやく主人公の母と父が許可して建てられた施設です。

妹の話によると畑仕事の際に「かがやき」の最上階からおーいおーいと声をかけてくれる老人のことを「おいちゃん」と呼んでいました。

最初は母親に声をかけていたおいちゃんですが、父も妹も親しくなり彼と話すことが日課となります。

そんななかおいちゃんから食事に招待され、その際に母は赤い大きなブローチをもらいます。

女性はおいちゃんに関する話を妹としている中、仕事で用意した「情熱の薔薇事件」について語り始めます。

昭和の頃、鉄工場で財産を築き上げたことから「鉄将軍」の異名を持つ男性がいました。鉄将軍は妻への愛情を示すために時価一億円相当のブローチをプレゼントします。

しかし、妻はそれを愛情と受け取らず愛情を求めていた妻は夫の秘書と関係を持ち駆け落ちしようとします。鉄将軍がいない隙を見計らって逃げようとするが、駅のホームで二人は鉄将軍と出会ってしまいます。

それを見た鉄将軍は二人を自宅に連れ帰り問いただします。その際に激高した鉄将軍は二人を切りかかります。

そのご鉄将軍は無期懲役、妻は死亡、青年は行方不明で妻に捧げたブローチを持って逃げたのではないかと言われています。

話をしているうちに様子がおかしくなった妹を姉は問いただします。鉄将軍はおいちゃんなのではないかと。

最初のうちは言い訳をしようとする妹ですが、最終的に老人ホームの職員の園田君から鉄将軍に関する話を聞いていたことを白状します。

実はかがやきという老人介護施設は元受刑者専用の老人ホームでおいちゃんこそ姉の話にでてきた鉄将軍でした。

二人はお互いに母親がもらったブローチから話をそらそうとして物語は終わります。


感想


この物語に登場する父親と母親は誰にでも優しい聖人のような存在でした。そんな夫婦を気にいったおちゃんは母親に自分が愛した人に送ったブローチをおくったのでしょう。

物語の終わり方は良い解釈も悪い解釈もできるでしょうがおそらく悪い解釈が正解でしょう。

良い解釈は姉妹ともにブローチのことは黙り続けてこれからも両親がおいちゃんと上手くやってほしいという解釈です。しかしこの解釈は欠点だらけでもし姉妹ともに両親のように聖人的な存在であれば高価なブローチの話になっても口の中が乾いたりはしないだろう。

悪い解釈は二人がこのブローチを狙っているということです。姉妹ともに同じ考えを持っているため片方が狙わないということはありません。高価なブローチを狙った姉妹を抱えて今後この一家はどうなるのだろう…。



ダイヤモンド



あらすじ


この物語は主人公である古谷治がお見合いパーティーで知り合った山城美和にレストランでプロポーズをして受け入れられた場面から始まります。彼にとって今が人生の絶頂なんでしょう。

プロポーズが終わりレストランをでた古谷は店の硝子戸にぶつかって意識を失ってしまった雀を保護します。雀は脳震盪を起こしていたみたいでしばらくしてから意識を取り戻し飛び去って行きます。

その晩、古谷のアパートに昼間助けてもらった雀を名乗る女性が彼にお礼がしたいといって訪ねてきます。雀は神様にお願いして一週間だけ人間に変身できるようにしてもらったというがとても信じられる話ではありません。何か頼んだら帰ってくれると思い古谷は美和の一番欲しいものを調べるように依頼します。

それから二日後、雀は同じ格好で古谷のアパートを訪れます。そして美和の最も欲しいものは鈴木崇史という男性だと答えます。信じられない古谷は、雀に美和のことをさらに調べてくるように依頼します。

翌日、雀は美和は栄養士の専門学校などには通っておらず小さな食品会社で事務をしていることを伝えます。また鈴木は妻子がいる既婚者だということも教えます。

この話をきいて古谷は借金がある鈴木に美和が脅されているのではないのかと考え、雀にデジカメを渡して証拠の写真をとるように依頼します。

翌日、音声しかとれていなかったが古谷の考えは正しく鈴木は借金があるみたいでした。古谷はこの動画を持って美和の家を訪れます。家を教えていない美和は古谷の突然の訪問に驚きつつも部屋に招き入れます。古谷が雀から聞いたことを美和に伝えると美和は鈴木から脅されていたと言います。

美和の部屋からの帰りに古谷はやはり美和は自分のことが好きであると勘違いして帰るのですが、翌日雀からレコーダーが渡されます。そのレコーダの内容は美和と鈴木が古谷をカモにしているうまのものでした。

これにはさすがの古谷も美和からの愛情はなかったということに気づかされます。最後に古谷は雀に美和に渡したダイヤモンドの指輪を取り戻してほしいお願いします。

翌朝、テレビで美和と鈴木が交通事故で亡くなったというニュースが流れます。呆然としている古谷ですがそのときドアのほうから音がします。

ドアを開けるとダイヤモンドの指輪を持った雀が亡くなっていました。古谷はダイヤモンドを雀の翼につけそれとともに雀を埋めてあげます。

それから一週間後警察に美和の交通事故を作った重要参考人として古谷は警察によばれます。

車には事故を起こすための細工や古谷の髪の毛が社内にあったため疑われていました。また、デジカメやレコーダーからストーカー行為をしていたことが疑われています。

物語は古谷が雀のことについて話すかどうか悩んでいる場面で幕をとじます。


感想


この物語は湊かなえさんらしいイヤミスの物語というよりかは世にも奇妙な物語的な話でした。

雀は古谷にとって天使であったのか悪魔であったのか微妙な存在ですね。警察に雀のことを話しても頭のおかしいやつ扱いされるのは目に見えてるし、そないとしてもそれはそれで犯罪者として警察にすんなりと捕まってしまいそうです。

物語には関係ないが古谷はこれまで50年間の人生で女性との交際が全くないのが分かるほど初心な人物ですね。普通ならプロポーズする段階までいっておきながら相手の連絡先や自宅を知らない時点でおかしいとなりそうですけどね。

これも古谷がストーカーをしていたと疑われる要因になりそうだ。もしかして雀は古谷の妄想でストーカーを実際にしていたのではないのかと疑ってしまう。



猫目石



あらすじ


この物語は大槻家が隣人の坂口愛子の行方不明になった猫の捜査を手伝う場面から始まります。猫は木の上におり夫の靖史文の手で救出されます。

猫を救出したことをきっかけに坂口は大槻家の住人に対して親しく話しかけるようになります。

そんな中坂口は大槻家が抱えている秘密を家族ごとに話していきます。

夫である靖文には妻である真由子が近所で万引きをしているという秘密を話します。靖文はその話を聞き実際に妻が万引きしているのかを確認しにいきましたが坂口のいう通り本当に万引きしていました。

娘の果穂には父の靖文あ昼間から図書館に毎日のようにいるという話をします。果穂は父は仕事をしているのでそんなわけがないと思い図書館に確認しに行くのですが本当に父はそこにおりリストラされていたのです。

妻である真由子には娘の果穂の秘密を話します。その秘密は靖文と年齢の近い男性にあっているという話でした。その事実を確認しにいくと確かに果穂は夫と年齢の近い男性にあっており援助交際できなことをしていたみたいです。

その後日、坂口が車にひかれてなくなったというニュースがながれます。

大槻一家はそれぞれの秘密を話し円満に解決したみたいです。


感想


物語の終わりで大槻一家は秘密をお互いに打ち解けあい円満に解決したような感じでした。

坂口が物語の終わりで亡くなっているのはおそらく三人が猫を利用して坂口をうまく誘導し車にひかれさせたのだろう。

大槻家にとって坂口は人の秘密を探しこそこそと話す嫌な奴ですが、坂口のような人間がいたおかげでお互いに打ち解けあえたのではないのでしょうか。

大槻家はそれぞれの秘密が亡くなった後、次に家族全体で坂口を殺したという秘密を抱えていてなんだか不気味です。

この真実を知っているのは坂口の飼っていた猫のみです。



ムーンストーン



あらすじ


この物語は元市議会議員の妻である小百合の回想からはじまります。

妻は夫がはじめて市議会議員選挙に出馬する際に選挙事務所でアルバイトしていたことで夫と知り合い結婚します。

夫は市議会議員として順調な生活を送っており次の市議会議員選も当選確実だと言われていたが所属する党の支部から県会議員の格上げを打診されます。その後、市議会議員を辞職し県会議員選に出馬するが落選してしまいます。

落選後夫は父が経営する建築会社に再就職するのですがこのころから小百合の家庭の様子はおかしくなってきます。夫は県会議員に落選したことでプライドがズタズタになっておりことあるごとに妻に暴力をふるうようになります。

夫の暴力は日に日にエスカレートしていきついに娘にまで暴力をふるいます。そんな夫に耐えきれなくなった小百合は夫の足をすくって転倒させたさいに置物を振り下ろして殺してしまいます。

こうしてたいほされた小百合のもとにある弁護士が小百合を弁護したいと訪ねてきます。その弁護士は小百合の中学生の同級生の久美でした。

久美はもともとひこみじあんな性格であがり症が原因でいじめを受けていました。

そんな久美を救ってくれたのが小百合です。小百合は久美に読書感想文コンクールに出場するように促します。この読書感想文コンクールをきっかけに周囲から久美をイジメる人はいなくなりました。

それから久美は小百合のグループに所属するのですがあることがきっかけでそのグループの友人が久美を親友だと認めてくれていないことを知ります。

それは友人の一人が旅行のお土産を買ってきたときにも露骨にでていました。その友人はお土産にムーンストーンを用いたアクセサリを買ってきたのですが久美の分だけありません。そんな久美の様子を見て小百合はピアスをとり片方を久美にあげ二人で名札の土台の部分につけるようになりました。

その後久美と小百合は高校に進学後疎遠になってしまいましたが、久美は今有名弁護士となっていました。

久美は小百合への恩を忘れずに小百合を守るためにやってきました。小百合が弁護をお願いすると久美が力強いまなざしで小百合に優しく微笑む場面で物語は終わります。


感想


久美と小百合の友情の物語ということでとても後味の良い話です。

小百合はこのあと久美の弁護によって救われたらうれしいな。

ムーンストーンは二人の愛を伝える石だと言われていますが、中学時代に小百合から受け取った愛情を久美が大人になって返そうとするのがすごくいいな。






サファイア



あらすじ


紺野真美は人に何かをしてもらうことのできない女性でした。近所の人から飴をあげると言われても必ず断るような人間です。

しかし、大学時代一人旅をしていたときに中瀬修一と出会い、真美は少しずつ変化していきます。

真美は修一とのやりとりを通じて物をもらう際に重要なのは値段なんかより相手の気持ちであると知ります。手料理を作った際に修一に感謝されたことでこれを知りました。

修一から初めての誕生日プレゼントで口紅をもらいます。口紅に合わせた化粧をしたさい修一からとても綺麗だと言われます。しかし修一には元の顔も好きだから化粧をするのはたまにでいいと言われて口紅はいつも使うような道具にはなりませんでした。

修一の誕生日に真美はオーダーメイドのカバンをプレゼントします。

修一にいつでも身に着けることのできるものをプレゼントした真美は初めて修一に誕生日プレゼントに指輪が欲しいとおねだりします。修一はそのおねだりをやっとおねだりしてくれたねと言って喜んでひきうけました。

しかし誕生日の当日修一は現れませんでした。修一は電車にひかれて亡くなっていました。その夜真美は夢で修一からサファイアの指輪をもらい右手の薬指に毎日つけるように言われます。

翌日修一の姉から真美に渡したいものがあると連絡がはいりました。伺うと夢でみた言葉と全く同じことを書いた手紙とサファイアの指輪が修一の遺品から渡されました。

その一週間後、隣人のタナカから修一が悪徳商法のアルバイトに参加していたことを知らされます。そのアルバイトはタナカが修一に声をかけたみたいで指輪を購入するお金に困っていた修一は悪徳商法と分かったあとも真美に指輪を送るためにそのアルバイトを続けます。

アルバイトの内容は道行く人々にアンケートに答えてもらい、その後オーダーメイドの五十九万円の指輪を売りつけるというものでした。

修一はそのアルバイトで三人から契約をとっており、それがきっかけで恨まれて殺されたのではないのかと真美は考えます。

その事実を修一の姉に打ち明けるのですが、そこで真美は修一が死んだのを自分のせいにしたくないだけだということに気が付きます。

真美が初めてのおねだりをしたから修一は死んだのだと。その後真美は、もう二度と『欲しい』なんて口にしないと誓うのだった。


感想


サファイアはあまり後味の良い作品ではありません。

真美は自分が欲しいとおねだりしてしまったから修一は死んだと考えています。しかし元をただせば騙した修一が悪くさらにたどっていくとアルバイトを紹介したタナカが悪いなど原因を探るときりがありません。

修一は真美の初めてのおねだりが嬉しくて研究室の生活が忙しくても真美のために指輪を買ってあげたかったのだろう。

なんだか複雑な物語です。



ガーネット



あらすじ


ガーネットはサファイアの後の真美を描いた物語です。

真美は大学卒業後、小さな食品会社で働きます。そこの広報部でCM制作を担当したところ大ヒットで賞をもらいます。

その後、夢の中で現れた修一に革表紙の本を渡されます。その本は「あなたが作る世界でたったひとつの本」というタイトルでこの本を修一に手渡されたことがきっかけで真美は作品を書いたところ佳作で文芸誌にのります。

色々なことで成功している真美は会社の先輩の女性から嫉妬され、いやがらせを受けるようになります。いやがらせはだんだんエスカレートしていき最終的に階段から突き落とされ殺されかけます。

この出来事をきっかけに会社を退職し修一を殺した人間も同じような人間だと考え、「墓標」という作品を描き上げます。

この作品が大ヒットし映画化することが決定しました。その映画の主演女優と真美が近々対談することが決まり、対談当日二人は人生を変えた品を見せあったのですが相手が見せてきたのはタナカや修一が販売した五十九万円のオーダーメイドの指輪でした。

その指輪は修一ではなくタナカが売ったものだと分かるのですが、その女優は当初は恨んだが自分に似合うオーダーメイドの指輪が届きこの指輪のようになりたくないという一心で努力した結果女優になったみたいです。

指輪を買って幸せそうにしている女優を見て真美はないてしまいます。

次にこれだけは手放せない品として真美はオーダーメイドのカバン、女優はタナカからもらったポストカードをもらいました。ポストカードにかかれた「暁の空に輝くガーネットを見つけた」というメッセージを見て真美は女優にその男性と幸せになってほしいというメッセージを残します。

タナカも修一を巻き込んだ罪に苦しんでずっと幸せになれないままでいたのでした。

対談後真美のもとにあるファンレターが届きます。

そのファンレターの送り主は修一から指輪を購入した人物でした。真美のカバンを対談の写真で見て修一の知り合いだと気が付いたみたいです。

そのファンレターの内容はオーダーメイドの指輪のおかげで幸せになれた、修一と真美に感謝を伝えたいという内容でした。

その夜真美はさらに多くの人を幸せにするためにこれからも作品を書き続けることを決意します。


感想


爽やかな終わり方の作品でした。サファイアが暗い気持ちで終わったのに対してこちらは幸せな作品でした。

最初は恨みをきっかけに「墓標」を書き上げた真美でしたが物語の終わりには自分の憎しみの気持ちで作品を書くのではなく人を幸せにするための作品を書きたいと思えたのがよかったです。

タイトルのガーネットのように暗くなった気持ちがこの作品をよんで明るくなったという人が多いのではないのでしょうか。


最後に


どれも面白い短編ばかりでした。

皆さんはどの物語がお気に入りですか?

私は一番ムーンストーンが好きです。小百合と久実の友情がでていて幸せな気持ちになれる作品でした。


まだ、読んだことがないひとはぜひ読んでみてください。






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