石山アンジュ『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』を読みました。

本書を読んで学んだことと感想を以下に記していきます。




組織中心から個人中心の時代へ


これまでの日本では大きな会社に入りマイホームやマイカーを持つことを目的とする人が多くおり、組織中心の社会を歩み続けていました。

しかし近年、インターネット上で個人と個人が直接つながりあい、あらゆることができる時代になりつつあります。こういった技術発展の影響もあり、社会が少しずつでありますが組織中心から個人中心へと移り変わりつつあります。

組織中心の社会では生活に必要なあらゆるサービスを国や企業が提供してくれていました。

しかし、個人中心の社会ではこれまで国などから提供されていたサービスが個人で作ることができるようになりました。個人中心の社会でできあがった国内で行われているサービスを以下に示します。


Uberなどのシェアプラットホーム


これまで各店で行っていた出前サービスがUber Eatsで代用されるようになった。
Uber Eatsの配達者は自分が行いたいタイミングで出前の仕事ができるようになり、会社で働くのとは異なり時間に縛られることがなくなった。

メルカリによる個人間の取引


これまで商品を販売するのは企業の役目であったが、大手フリーマーケットサービスであるメルカリができたことで個人間での取引が以前に比べて活発になった。

SNSによる新しい出会い


インターネットができる前は学校や会社で知り合った人の中で同じ趣味を持つ人を探し仲良くなる場合が多かった。
しかし、近年はSNSが普及したことで世界中どこにいても同じ趣味を持つ者どうしが繋がれるようになった。


個人中心の時代では信頼が必要


個人中心の時代になるにつれて会社で働く人よりも個人で働く人が増えたり、個人間で車や自転車などのものをシェアすることが増えていく。

そんな時代で大切となるものが信頼だ。

メルカリで同じ商品が同じ値段で複数販売されていた場合、どの商品を購入するのか判断する要因は販売者の評価になると思う。評価が低いことは信頼性が低いことになり、メルカリでより多くの商品を売却するためには信頼性が必要となる。

また、個人間で物の貸し借りをする場合も、信頼が低い人には貸したくなくなるだろう。

こうした要因から個人中心の時代で生き抜いていくためには、今まで以上に信頼を高めることが重要になってくる。


個人中心の社会に移り変わるうえでの課題


個人中心の社会が出来上がっていくうえで現在課題となっていることはルールや制度の壁である。

日本では自家用車に他人を乗せて報酬を得るのは法律違反であるため、ライドシェアのサービスを行うことができない。

また、自宅で食事を振舞って報酬を得るのも難しいみたいです。

ただ、民泊の分野では新しい法律ができるなどしているので、徐々に個人中心の社会に向けた法律は整いつつある。

外国に遅れをとらないためにはこうした法律の整備を早急に進めなければならない。



感想


本書を読んで、今までは大企業で働くことが人生を安定させるためには必須であると考えていたが、近年ではその考えが通じないことを認識させられました。

働いている会社名を自分のステータスとするのではなく、自身の能力や人望の広さが今後充実した生活を送っていくために必要であることも分かりました。

また、本書ではUberなどの個人の時間を自由にプランニングして働くことができるサービスなどが紹介されてました。このことから、組織が個人中心の時代で負けないためにはリモートワークなどを活用して場所や時間を選ばない働き方ができるように環境整備を整えていくことが必要だと感じました。

また、シェアエコノミーが使われなくなった資源を有効活用するために行われているというところも面白いと感じました。

こうしたサービスが整うことで過疎化している地方などが今後活気を取り戻す可能性があるのかもしれませんね。


最後に



本記事では『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』の内容を簡単に紹介しただけですので、内容が気になった方はぜひお手にとってみてください。

今後の生き方を考えさせられる本なので読んで後悔することはありません。