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まもなく映画化することで話題の住野よるさんの『青くて痛くて脆い』を読みました。

『青くて痛くて脆い』というタイトルが主人公の「田端楓」を表現するのにぴったりの作品でした。

また、青春小説だということなのでヒロインの秋好が30ページ目ほどで死んでしまったときは衝撃でした。住野よるさんにしてやられたという感じです。

以下に本書のあらすじと感想を書いていきます。




あらすじ


主人公の田端楓は、人に裏切られることを恐れて、人に不用意に近づきすぎないように生きていくことを信条としている。

大学に入学してもその信条を変えず、目立たないように過ごそうと思っていた。しかし、そんな矢先、彼は秋好秀乃に出会った。

秋好秀乃は理想と情熱にあふれていることが原因で周囲から浮いていており、田端楓とは正反対な人物だった。

そんな二人が出会い、秘密結社モアイを作成したのだが…。



『青くて痛くて脆い』の感想(ネタバレあり)



田端楓が取り戻したかった「モアイ」


秋好が楓の前からいなくなってから、二人が築き上げた「モアイ」は秋好や楓が描いていた理想とは別物になってしまいました。

もともとモアイは「なりたい自分になる」というシンプルなコンセプトで結成されました。

楓と秋好はなりたい自分を目指して講演会の出席やボランティアへの参加などの利益にはならないが理想に近づくための活動を行っていました。


しかし、秋好がいなくなってからは当初結成された目標とは違う団体へと徐々に変化していき、楓が4年生になるころには「就活を支援する団体」に変化していました。

楓はかつて二人で掲げていた理想を取り戻すために、友人の力を借りてかつての「モアイ」を取り戻そうとします。



田端楓の本当の想い


楓は最終的に「モアイ」が企業に学生の連絡先が載っていた名簿を無断で渡しているという不正を暴きかつてとは変わってしまった秋好ひきいるモアイを潰すことに成功します。

しかし、モアイを潰して久しぶりに秋好と再会した楓は自分の本当の想いに気がつきます。

楓は、秋好のために昔のモアイを取り戻そうと活動しているように物語の冒頭では描写されていました。

けれども実際は、昔のモアイを取り戻すことで楓は再び秋好が自分のことだけを見てもらいたかっただけだったのです。楓にとって秋好と二人だけで活動を行っていたモアイは理想の居場所だったのです。


モアイを潰したことで自分の過ちにようやく気が付きましたが、もうその失敗は取り返しがつきません。自分が居場所を失ったからといって、相手に同じことをするのは間違いだったことに楓は気が付きます。





『青くて痛くて脆い』の意味とは


このタイトルには楓の若さゆえにとってしまった過ちが凝縮されています。

若い人は青いため、現実を見ようとせず自分のことだけを考えた理想を追う痛い行動をとることが多いです。しかし、そうした痛い行動はたいてい自分よがりで誤りがあり、それに気づいた若者はとても脆いです。

そうした若者を表現する言葉としてこのタイトルは本当にぴったりだと感じました。


住野よるさんの作品のタイトルって独特なものが多いけど作品を読んだら本当にタイトル通りだ感じる作品ばかりなのですごいなと思います。



最後に


本作は2020年8月28日から吉沢亮と杉咲花のダブル主演で映画化されるみたいなのでそちらもすごく楽しみですね。

理想を追い続ける主人公、田端楓を吉沢亮がどのように演じるのかに注目です。


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