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本記事では、デザインパターンの名著である結城浩さんの『Javaで学ぶデザインパターン入門』を参考にSingletonパターンをC++で実装していきます。



Singletonパターンとは


プログラムを作成するとき、同じクラスのインスタンスを複数作成することがあります。

しかし、中にはこのクラスのインスタンスは、たった1つしか作らないし、作りたくないというものも存在します。

注意深くプログラムを作成してインスタンスを1つしか作らないという方法もありますが、これはかなり手間のかかる作業です。

プログラマが注意してインスタンスが1個しか生成されないプログラムをつくるのではなく、

  • 指定したクラスのインスタンスが絶対に1個しか存在しないことを保証したい
  • インスタンスが1個しか存在しないことをプログラム上で表現したい

場合には、どうしたらよいでしょうか。

この問題を解決するために、インスタンスが1個しか存在しないことを保証するパターンをSingletonパターンと呼びます。



Singletonパターンの登場人物


Singletonパターンは以下のようなクラス構成になっています。

Singleton


Singleton


Singletonパターンには、Singletonクラスしか登場しません。

Singletonクラスの役割はインスタンスが複数個できないようにstatic変数でインスタンスを持ち、getInstanceメソッドでインスタンスを返します。

getInstanceメソッドは、何度呼ばれても同じインスタンスしか返さないという特徴があります。



C++による実装


サンプルとしてSingletonパターンを使用すると一つしかインスタンスを作成しないということを証明するプログラムを作成します。

クラス構成は以下の通りです。


Singleton


Singletonクラス


外部からnewできないようにコンストラクタとデストラクタがpirvateになっているのが特徴です。


ヘッダファイル

class Singleton{
private:
    Singleton();
    ~Singleton();

public:
    static Singleton* getInstance();

private:
    static Singletonm_singleton;
};


ソースファイル

#include <iostream>
#include "Singleton.h"

SingletonSingleton::m_singleton = nullptr;

Singleton::Singleton()
{
    std::cout << "インスタンスを生成しました" << std::endl;
}

Singleton::~Singleton(){
}

Singleton* Singleton::getInstance(){
    if (!m_singleton){
        m_singleton = new Singleton();
    }
    return m_singleton;
}



main関数


上記で作成したSingletonクラスを実際に使用してみます。


ソースファイル

#include <iostream>
#include "Singleton.h"

SingletonSingleton::m_singleton = nullptr;

Singleton::Singleton()
{
    std::cout << "インスタンスを生成しました" << std::endl;
}

Singleton::~Singleton(){
}

Singleton* Singleton::getInstance(){
    if (!m_singleton){
        m_singleton = new Singleton();
    }
    return m_singleton;
}


実行結果

Start
インスタンスを生成しました
obj1とobj2は同じインスタンスです。
End

実行結果からコンストラクタが一度しか呼ばれていないこと、obj1とobj2が同じインスタンスであることが分かりますね。



まとめ


今回は、Singletonパターンを実装していきました。

一つしかインスタンスを作成したいときに便利なクラスです。

ちなみに上記の実装はスレッドセーフではないため、最近のSingletonパターンではインスタンスを作成するCreateメソッドやインスタンスを削除するDestoryメソッドなどを作成してスレッドセーフを保証したりもしています。

スレッドセーフなSingletonパターンを以下の記事で作ってみました。




Singletonパターンは、すごく便利ですがglobal関数的な使い方もできるため試験が行いにくくなるという欠点もあります。

使いどころを考えて使用していきましょう。