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喜多喜久さんの『猫色ケミストリー』を読みました。

こちらの作品は、このミステリーがすごいの大賞である『ラブ・ケミストリー』シリーズの第二弾の作品となっています。

甘酸っぱい恋愛要素と化学ミステリーがマッチしていて、本作もさすが喜多喜久さんという作品でした。

以下、あらすじと感想になります。


【目次】
あらすじ
感想
まとめ




あらすじ


計算機科学専攻の大学院生・明人は、人と話をするのが苦手だ。

特に女性の前だと緊張してしまい何を話したらいいのか分からなくなる。

ある日、いつものように学内に住み着いている野良猫を可愛がっていると同級生の女学生であるスバルがやって来た。

緊張しながらも話しをしていると突然目の前に雷が落ちてきて、僕たちは意識を失ってしまう。

気が付くと明人の魂はスバルに、スバルの魂は猫に入り込んでいた。

元に戻るために奔走する、スバルになってしまった明人と猫になってしまったスバル。

一人と一匹は、猫の餌から、研究室で違法な薬物の合成事件が起きていることに気づく。

薬物を混入した犯人の目的は?果たして2人は元の体にもどれるのか?

人と猫が送る有機化学ラブコメ×ミステリー第二弾!



感想(ネタバレあり)


『ラブ・ケミストリー』シリーズの作品ということもあり、『猫色ケミストリー』もミステリー要素よりも恋愛要素が強めという感じでしたが、恋愛物も好きな私としてはかなり楽しめました。

男女の入れ替わりが発生する作品のお約束なのか、本作でも最終的には入れ替わっていた明人とスバルが恋に落ちてしまいましたね。

ただ、今回の猫の餌に違法薬物を混ぜた犯人である雨宮が三浦先生と最後にくっついてしまうというのは少しやりすぎだったような気もしました。円満エンドで終わらせたいという喜多喜久さんの想いがあったのかもしれませんが…。


ミステリー要素の方ですが、スバルの実験を邪魔していた犯人がゼミの後輩だということは、読んでいる途中にすぐ察することができました。動機も分かりやすく、登場した時点でスバルが好きなんだろうなということが分かりましたね。

その代わり、雨宮が違法薬物を作ろうとしていたことには、私は最後の最後まで気づきませんでした。

あえてスバルの実験を邪魔している犯人を分かりやすく書くことで犯人をカモフラージュしようとした喜多喜久さんの罠にまんまとかかってしまいましたね…。

読んでいる途中の予想では、雨宮は同じ高校出身である明人のことが好きとか思っていたのですが、完全に予想が外れていました。


化学要素についてですが、前作とどうよう喜多喜久さんが化学を専攻していたこともあり、化学初心者の私でも分かりやすいように実験の様子が描かれておりました。

化学の説明をする部分も、化学初心者の明人に専門家が分かりやすく教えるという方向で描いていて、説明調だなとか違和感を感じることなく読めたのも良かったです。

本作のラストでは、明人が計算機科学の博士課程に行くのをやめて、三浦研究室の修士課程に行くことになりましたが、喜多喜久さんの作品を読んでいると明人のように化学を勉強してみたいと思わされてしまいますね。

また、雨宮を通して化学も使い方を一歩間違えればとても危険なものだよと忠告しているのも良かったです。



まとめ


『猫色ケミストリー』は恋愛要素とミステリーをうまく掛け合わせている作品でした。

喜多喜久さんが得意な化学も使われていて読んでいると自分が化学者になったかのような気分も味わうことができました。

最後になりますが、本作は前作と世界観は一緒だけど、前作のことを知らなくても読めるという点が個人的には好きです。

もし本作を読んだかたで『ラブ・ケミストリー』を読んでいない方は是非読んでみてください。