PXL_20210610_161339227

道尾秀介さんの『ソロモンの犬』を読みました。

友人から進められて読んだのですが、オチが意外すぎる作品でした。

以下、あらすじと感想になります。



『ソロモンの犬』のあらすじ


2週間前、大学生の同級生である秋内、京也、ひろ子、智佳たちは平凡な夏を過ごしていた。

そんな平凡な日常を突如突き破るかのようにある事件が起きた。

彼らが通う大学の助教授・椎崎境子の一人息子陽介が秋内の目の前でトラックにはねられた。

陽介がはねられた原因は、陽介の飼い犬オービーが突如道路に向かって走り出し、陽介が引きずられたためである。

目の前で陽介がはねられたことでショックを受けた秋内だったが、事件現場の近くにいた京也たちの不可解な行動にある疑問をいだく。

オービーが突如走り出すのは本当に不慮の事故だったのだろうか…。

事件の真相を解明するために行動する秋内だったが、予想だにしない事実が彼を待ち受けていた。



感想(ネタバレあり)


物語の中に、京也と智佳の怪しい行動などのミスリードがたくさん混ざっていて、道尾秀介さんのオチで驚かせてやるといった意志を感じる作品でした。

物語の途中で陽介が死んだ原因に気が付くことができた人は相当な推理オタクぐらいしかいない気がしますね。


陽介の死について


陽介がはねられた原因となったオービーの行動が陽介の父である悟から陽介を守るために行ったことだと分かったときはとても複雑な気分になりました。

まさかオービーが飼い主を守ろうとしてとった行動が、陽介の死につながるとは…。

作中では間宮がオービーは陽介が死んだことを理解できていないという風に述べていましたが本当にそうだったのだろうか…。

陽介が救急車に運び込まれているときもしかしたらオービーは何かを感じていたかもしれないと思うと複雑な気持ちになります。

飼い犬が飼い主を悪意なく殺してしまう作品は初めて読んだので、動物が好きな自分としては結構複雑な気持ちになってしまいました…。


最初、私は京也が犯人だと考えていました。

誰も見ていない隙にオービーをコマセでつって陽介を殺したとか推理していましたが、見当違いでしたね。(序盤でコマセの入っているバケツにつっこんでいたので)

ただ、オービーが走り出す原因を作ったのは椎崎に母性を求めた京也です。

なので真相が分かり、犯人はいなかったと分かっても心の中に嫌な気分が残りました。


ミスリードについて


『ソロモンの犬』ではいたるところで読者をだますミスリードが隠されていました。

物語の中盤で秋内が智佳は京也が好きかもと思っている場面がありましたが、それが原因で私は一時は京也と智佳がグルになって陽介を殺そうとしたのかとか疑っていました。

智佳の行動って読者からしてみたら怪しいところが多すぎるんですよね(笑)

秋内が通りかけたときにでいきなり智佳が隠れたシーンとかありましたが、あんなのどう考えても智佳と京也が隠れてデートしようとしてたとしか思えませんでした。

その前から、京也と智佳の二人の関係に微妙な感じの場面が多かったので物語を読んでいてかなりこの二人に振り回された気がします。


また、京也が目が見えていないことなんて作中で伏線があったのかもしれませんが、私は気が付きませんでした。

そのため秋内が京也がいた場所から陽介トラックにひかれたことが見えていたということに気がついた場面では、「やっぱり京也が犯人だ!」とか思ったのですが実際は違いました。

読んでいる私の心情は、

『京也犯人?→京也は犯人じゃないか→やっぱり京也が犯人だ!!』

ということの繰り返しでした。

秋内の推理に完全に振り回されてしまいましたね(笑)



まとめ


『ソロモンの犬』はミスリードを誘っていたりして読者を楽しませるように書かれていたため自分好みの作品でした。

道尾秀介さんはミステリーで有名なので他の作品も読んでみようと思います。