今回は、日経デザイン編の『アップルのデザイン戦略 カリスマなき後も「愛される理由」』という本を紹介しています。
概要
本書は、アップルのハードウェアや箱などのデザインについて専門家による分析が書かれた本です。
デザイン分析の対象としている機種は、以下の7種類です。
- iPhone5
- iPod touch
- iPad mini
- iPod touch 16GB
- iPhone5c
- iPhone5s
- Mac Pro
同世代の廉価版などを対象としていて、なかなか面白いラインナップとなっています。
本書の分析ではハードウェアの外装を分析するのはもちろんのこと、内部の回路設計についても言及されているためデザイナーからハードウェア設計者までの幅広いひとが楽しめるような作りになっています。
また、本書の後半ではSonyやSamsungといった他のメーカーが発売しているスマホやパソコンとアップルが販売している商品の比較も行われています。
学べる事
- アップルのハードウェアのデザインが優れている部分について
- アップルの細部までのデザインのこだわり
- デザインと生産性の関係について
読者対象
- ハードウェアなどの物理的な商品を専門としているデザイナー
- ハードウェア設計者
- 加工技術に興味がある人
- アップルのデザインのこだわりに興味がある人
- デザインと価格を分析する企画関係の人
個人的な感想
私はソフトウエア技術者でハードウエアやデザインのことは詳しくありませんが、本書は文章だけではなく商品の写真などが多く乗っているため読んでいて楽しかったです。
ただ、専門的な用語がけっこうたくさんでてきたため、ハードウェアや加工技術に詳しくない場合言葉の意味などを調べるのが結構大変かもしれないとも感じました。
本書ではアップルの主にiPhone5の前後に発売された商品を分解していき、デザインについて語られていました。
他のアップルのデザインについて書かれている本は、ハードウェアの外側やソフトウエアのデザインについて言及している本が多いため、本書のように内部の基盤の回路に関するデザインなどについて語られている本はなかなか新しい気がします。
また、消費者としては廉価版は安く買うことができてラッキーぐらいにしか思っていませんでしたが、専門家による廉価版としてデザイン的に値段を抑えている部分の解説などはなるほどなという感じで勉強になりました。
メモリやCPUで値段を抑えていると思っていたのですが、細かい素材とかでも値段を抑えていたんですね。
ハードウェアの他にもパッケージの箱の作り方についての解説なんかが書かれていたのも面白かったです。
製品本体だけではなく箱の細部のデザインまでこだわっているということが分かり、アップルのデザインに対するこだわりの強さを改めて実感することができました。
まとめ
本書はアップルの製品の外部の消費者が見ることができる部分のデザインと内部の消費者には見えない部分のデザインについて細かく分析されている本でした。
アップルのデザインのこだわりについて知りたい方はぜひ読んでみてください。