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遠山功さんの『コンピュータにかわいいを学習させたら何が起きたか』を読みました。

タイトルと内容にギャップがあり個人的にはがっかりしましたが、経営者向きの本としては悪くありませんでした。

以下、感想になります。


感想


タイトルと内容のギャップ


『コンピュータにかわいいを学習させたら何が起きたか』ですがタイトルだけで面白そうだと思い読んだのですが、個人的には期待外れの本でした。

期待外れだった理由はタイトルと内容が全然一致していなかったからです。

本書の概要も理解せずに読み始めてしまった私も悪いのですが、タイトルから画像分類や自然言語処理の関係の本なのかと予想していたのですが実際の内容は経営者向きにビッグデータの使い方をかいた本でした。

ちなみに本書のタイトルについて書かれているのは10ページほどで、著者の経験ではなくとあるアパレルメーカーの経験談を書いているだけという…。

また、副題も『だれも教えてくれなかったビッグデータ分析のノウハウ』ということで理系向けの技術書みたいな副題をしているくせに、文系向きの本だという…。

タイトルだけで面白そうだと思って本書を買った人のほとんどががっかりしたと思います。

経営者向けのビッグデータ本だと分かるタイトルをつけてほしかった。





経営者向きの本としては悪くない


タイトルと内容のギャップに関する文句ばかり言ってしまいましたが、本書がもし経営者向きだと分かるタイトルを付けていたら内容は悪くないと感じました。

第一章ではビッグデータの基礎知識について細かく書かれており、IT分野に不慣れな人でもどうしてビッグデータが重要視されるのかということが分かるように書かれています。

第二章では、実際にビッグデータをどのように調理していくかの手順が書かれています。細かい処理内容にまで触れていないのは技術者ではなくあくまで経営者を意識していると考えれば悪くありません。

細かいことを書かないおかげで内容がすっきりしていて読みやすくなっています。

第三章では様々な図やグラフを使った分析方法が書かれており、プレゼンなどでグラフを見る機会が多い人にグラフの説明がされていてよいなと思いました。

もし文系人材が基本的なデータの見方を知っていたら理系人材も説明が楽になるので、この第三章は文系人材には絶対に読んでもらいたいと感じました。

第四章では実際にビッグデータを活用してみた事例が載っていて、経営者が自社でどのようにビッグデータを活用するか考えるための参考になります。

ちなみに本書のタイトルの『コンピュータにかわいいを学習させたら何が起きたか』についてはこの第四章でふれられています。

第五章はこれからデータ分析がますます重要になってくることが書かれており、本書の内容がこれからの経営で大切だという意見を改めて述べています。

何回も言って申し訳ないのですが、内容がいいだけにタイトルの付け方が本当に残念だと感じてしまいます。



まとめ


本書はタイトルは理系向けの技術書に見せかけて、実際は文系向きの経営本でした。

ビッグデータやAIなどに詳しい人は内容にがっかりすると思いますが、それらに対してチンプンカンプンという人には基本的な知識を身に着けるのには悪くない本だと思いました。

ビッグデータやAIについて興味はあるけど知識がないという方にはおすすめですのでぜひ読んでみてください。