としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

カテゴリ:書評 > 新書

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交通事故心理学の先生である吉田信彌さんの『事故と心理』を読みました。

本書では交通事故を起こす人たちのことを心理学的に分析していてなかなか興味深い内容でした。

少し古い本ではありますが、現代でも全然通用する内容で非常に興味深かったです。

この記事では『事故と心理』を読んで個人的に特に重要だと感じたことをまとめていきます。



『事故と心理』のまとめ



事故の被害者や加害者になりやすい年齢は?


世界的に交通事故の加害者となりやい年齢は免許取り立ての若者が多いようです。

中でも特に10代で免許を取得した若者が事故を起こす可能性が高いようです。

その理由として、若い人たちは少し無茶をすることが多いのが理由みたいです。同じように免許取りたてでも25歳などで免許を取った人たちは統計的に10代で免許を取った人よりも事故率が低いようです。


一方、事故の加害者となりやすいのは免許取得がまだできない子どもや高齢者が多いようです。



免許を保有している人の方が被害者になりにくい


免許を保有している人は、保有していない人に比べて歩行時に交通事故での死亡率が低いようです。

その理由は、歩行時に安全に歩行する術を免許を保有している人の方がよく知っているからです。

また、免許を保有できない子どもの歩行時の事故率は両親が免許を持っているかどうかが関係しているようです。

両親が免許を持っていれば正しい交通教育が可能であるため、子どもの事故率も低くなるようです。


運転時に重要なのは反応速度より正確性


多くの人は咄嗟の状況でブレーキを早く踏める人は事故率が低くなると考えるかもしれませんが、これは大きな間違いです。

実は交通事故を起こしにくい人は、反応速度ではなく正確性が高い人です。

正確性とは極端な例になりますが、ブレーキとアクセスを踏み間違えにくいような人のことです。

正確性が高いほど普段から安全運転することができ事故に遭遇しにくくなるようです。

免許センターなどで行われる交通教育では正確性が高くなるような教育を行なっているようです。


リスク補償説とは?


リスク補償説とは、工学的なリスク対策(自動ブレーキなど)を作ったとしても人間がその装置を過信しすぎて事故が減らないと言われる説です。

リスク補償ができたとしても、運転手にそのことを知らせずに運転させることが最も事故が起こりにくくなると言われています。

ただ、リスク補償を隠していたとしても近年ではSNSですぐに広まるなどもありあまり有効ではありません。

また、このリスク補償説が絶対に正しいのかと言われるとそういうわけではありません。1978年に左折事故が多いことから左折事故対策がとられましたが、この対策のおかげで左折事故による死亡者数は徐々に減少していきました。

つまりリスク補償はどんどん生み出されていきますが、交通参加者はリスク補償があるとしても、油断せずに運転することが重要なようです。



個人的に気になったこと


運転手と同乗者の性別や年齢の関係によって事故の加害者率が減少する可能性はあるのだろうか(男性は女性を乗せている方が安全運転する可能性が高いなど)?

近年ではペーパドライバーが増えているがそれが原因で若者の歩行時の事故率は上昇しているのだろうか?

高齢者は反応速度が遅くなるが、正確性が増すような教育ができれば事故率は減るのだろうか?


この辺りを他の本や論文から調べてみたいなと思いました。



まとめ


『事故と心理』を読んで交通事故を減らすためには技術的に安全率を高めるのも重要だけれども、その他に心理的に油断や慢心をせずに運転を続けることが重要だと分かり面白かったです。

また他にも交通工学や交通心理学関連の本なども読んでいきたいです。


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最近『妻のトリセツ』で話題となっている黒川伊保子さんの『女の機嫌の直し方』という本を読みました。

女性の機嫌の直し方を知りたいだけならば『妻のトリセツ』だけでも十分な気がしますが、『女の機嫌の直し方』の方が理論に基づいて説明している部分が多いので、男女の脳の違いについてより詳しく知りたい方は一度読んでみるべきだと思います。

また、脳科学者ではなく人工知能開発者が書いているため、よくある脳科学の本とは少し違った発想があり面白いです。

以下、簡単に内容をまとめていきます。


『女の機嫌の直し方』の要約

男女の対話の違い


男性の対話は問題解決に重点を置く「ゴール指向問題解決型」です。相手の状況を素早く認識し解決すべき問題点を洗い出そうとします。一方、女性の対話は経緯を語ることで真実を見つけ出す「プロセス指向共感型」である。プロセスを語る裏で何が真実かを探し探し出します。

男女の対話は、話の進み方が時系列的に逆になっているため相いれない。このことが原因で男女で対話している際に溝が発生してしまい、対話がなりたたないことも多々ある。

もし人工知能として人間と雑談する自由対話システムを開発するのならば、相手の性別に合わせてゴール問題解決型の対話を行うのか、プロセス指向共感型の対話を行うのか考慮することができなければ万人受けする対話システムの開発は難しいだろう。


男女の脳の違い


男性の脳は前部から後部にかけて縦に深く使われ、脳を個別の領域で活性化させて使う傾向がある。女性の脳は右左脳の連携新語が強い。

この脳の構造の違いによりどういった相違があるかというと、男性は空間認知力が高く物事を俯瞰して広く見る傾向がある。幅広い空間を把握できるのが男性の強みだが、周囲三メートルほどの狭い空間の認識能力が低いという欠点もある。

一方、女性は男性と違い、自身の周囲三メートルほどの空間を把握する能力にたけている。この能力のおかげで女性の方が身近に起きる問題の危機回避能力が強い。

よく男性は女性より地図を読むのが得意だと言われるが、これは脳の構造による違いだという言葉で解決することができる。また、女性の方が男性よりも家事が得意なのも自身に身近な周りの情報を把握する能力にたけているからだ。




女性脳は共感を重視する


女性は他人からの共感を重視する生き物だ。例えば以下のような発話があるとする。

「さっき、駅の階段でヒールが引っかかり、転びかけて危なかったよ」

これに対して男性は、「ヒールを履かなかったらいいのに」、「怪我はしなかった?」などと返す。女性ならば先ほどの発話に対して「怖かったね」「階段は危ないね」などの共感の返答をする。

どうして女性が共感を重視するのというと、女性は男性と違い他人の経験を自分の経験にすることができる生き物だからだ。先ほどの発話からは「ヒールを履いて階段を歩くときは気をつけなければいけない」という経験を得ることができる。

また、女性には過去の経験(共感で得た経験を含め)を似たような場面に出会うと瞬時に呼び出すことができる能力がある。そのため女性は年齢を重ねるほど経験も増えてくるためとっさの判断能力が高くなる。

若い女性より、年齢を重ねた女性の方が決断力があるのはこのためだ。


女の機嫌の直し方


今まで述べてきたように男女の脳には違いがある。そのため、男女で行動が異なり結果的に、男性は女性を不機嫌にしてしまうことが多々ある。これは生物学的に避けては通れないことだ。

そこで男性が女性の機嫌を直すためには何をするべきか以下にまとめる。

1. とにかく共感する

会話そしていると男性は女性に共感するのではなく、いきなり問題解決方法を提案しようとする。男性は女性のためを思ってしていることだが、それでは女性は満足することができない。

ではどうすればいいのかというと共感をした後に問題解決方法を提案すればいいのだ。慣れないうちは難しいかもしれないが、すぐに問題解決方を提案するのではなく、一度こらえて共感をした後に問題解決の方法を教えることができれば女性は男性との対話に満足するだろう。

もてる男性というのは無意識か意識してかは分からないがこれをすることができる。

2. 謝り方を見直す

女性を不機嫌にしたらとにかく謝るしかない。しかし、謝り方を間違えればいくら謝っても意味がないのだ。多くの男性はパートナーと喧嘩した際、ずっと謝っているのに許してもらえないということを経験したことがあるのではないのだろうか。それは謝り方が悪いからだ。

ただ単に「ごめん」と謝るのではなく、謝るときは女性の気持ちに言及して謝ろう。例えば待ち合わせに仕事が原因で遅れた場合「仕事で遅れてしまった。」と理由を言うのではなく、「寒かったでしょう?ごめんね。」と相手の気持ちを考えて謝るのが大切だ。

この謝り方は女性に理不尽な質問を投げつけられた場合にも有効である。もし女性から「なんで分かってくれないの?」と言われた場合も場合に応じて女性の気持ちに応じた謝り方をしましょう。一度で許してもらえない場合もありますが、そのときは許してもらえるまで真摯に謝り続けるしかありません。



上記のことは二つとも男性にとってはなれないことでストレスがたまるかもしれません。しかし、女性にいつまでも不機嫌でいられるよりかはマシだと思うので、しかたないと思って実践してみてください。またテクニックの使い方によっては女性にもてる対話方法としても利用できると思います。


最後に


個人的には自由対話システムを作成するうえで男女差をつける必要があるという発見を本書から得られたためなかなか面白かったです。

まだ未読の方はぜひ読んでみてください。また女性の機嫌の直し方をより知りたい人は同著者の『妻のトリセツ』も読むことを推奨します。






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最近、「スッキリ」などのテレビ番組で取り上げられ話題となっている黒川伊保子さんの『妻のトリセツ』を読みました。

タイトルが『妻のトリセツ』ということで男性だけが楽しめる本かと思いきや、女性が読んでも友人関係や夫とのやり取りが以前より上手くいきそうな内容でした。

また、著者が女性であるため男性が書いている似たような本と比べると、女性視点で語られているため全国の男にとってかなりためになる本となっています。また、理論的に語られているため理不尽な内容がないことも好印象です。

この記事では本書の内容を簡単にまとめていこうと思います。男性にとって読んでおいて損がない内容になっていると思います。


『妻のトリセツ』の要約



ネガティブトリガーを作らない方法


女性は男性と違い何年も前のネガティブな経験に多様な事象があれば思い出してしまいます。そこで男性は女性がネガティブな思いを引き起こすようなネガティブトリガーを作ることが重要です。これができれば女性との付き合い方がだいぶ楽になるでしょう。


女性の会話の目的は共感


女性の会話の目的は共感することです。女性は相手と経験を共有することで他人の体験談を知恵としてとりいれることがでえう生き物です。

例えば女性に
「ヒールを履いているとよく転んじゃうの」
と言われたとき男性は
「ヒールを履くのをやめたら」
というような言葉を返します。しかし、これは女性の求めている返事ではないため、女性を怒らせてしまう可能性が高いです。

女性は男性に解決策を提案してほしいわけではなく、共感してほしいだけなので女同士の会話のように
「わかる、わかる!」
のような返事をするのが正解です。これができるようになれば妻を怒らせる可能性は大きく減少するでしょう。

こういった共感を夫が日ごろから行うことができれば、妻は夫が共感してくれたという記憶を持ちネガティブトリガーを作らなくなる可能性が高いです。

こういった共感行動は男にとっては非常に面倒なものですが、パートナーが怒り狂うよりはマシだと思って割り切りましょう。


地雷を踏むセリフには気をつけろ


妻に共感することでネガティブトリガーを引きにくくなったかもしれませんがそれだけではだめです。共感ができるようになっても、まだ妻の地雷となるようなセリフを言ってうような状況では意味がありません。

例えば家事育児が大変な時期に妻から愚痴られると、仕事に行っている夫は以下のような返しをするしかありません。

「俺の方が大変だ。」
「一日中家にいるからいいじゃん」

これらは夫からしてみると何気なく言った言葉なのかもしれませんが、妻は自分がしんどい時にこういうことを言われたということをずっと覚えています。

なので夫も妻に対して正論を言うことがあるかもしれませんが、妻を傷つけないか一度考えてから言葉を発するようにした方がいいです。

またこういう発言をしたあと妻が怒ってしまい何度謝っても許してもらえなかったという経験はないでしょうか。

謝るときは理由を言うのではなく、女性を傷つけしまったことについて謝るのが重要です。

仕事で待ち合わせに遅れた場合は
「急な仕事が入って遅れてしまった。」
と言って謝るのではなく
「君に心細い思いをさせてしまって、ごめんね。」
といったように女性を傷付けたことについて謝りましょう。


話し合いはビジネスプレゼンのように


夫婦で一緒に生活していると子育てのこと、旅行先の決定など様々な場面で話し合いが起こります。

もし夫婦で意見が違う場合、ただ単に正論を述べるだけではなくそれぞれの意見のメリット、デメリットを検証しましょう。またデメリットを言う際は相手の意見を頭ごなしに否定するのではなく、自分の意見のメリットの方がいいと押すようにしましょう。

例えば、妻がそばを食べたいといい、夫がラーメンを食べたいといった場面で話し合いになった場合
「君がとても好きそうなラーメンがある」
といったように妻のためにラーメンを食べたがっているというのをおすことが大切です。




女問題では妻をえこひいきしろ


結婚すると母 vs 妻、娘 vs 妻のような女性同士の対立が家で起きる可能性があります。

こうした対立が起きた場合、夫はどちらが正しいか理論的に判断しようとしますが、絶対に妻の味方をするようにしましょう。

もし娘と妻が対立していたら、娘は意外と正論を言っており、普段から妻に鬱憤がたまっていれば娘の味方をしたくなるかもしれませんがそれはいけません。

もしここで娘の見方になってしまえば妻を傷つけることはもちろん、娘の将来にとっても良くないです。

娘が父を見方につけたことで自分の言い分は正しいと思うようになり、そのうち自分の言うことはなんでも正論と思ってしまうかもしれません。

こうなってしまうのは教育上望ましくないので妻の見方をしましょう。


意識して「名もなき家事」を手伝おう


妻は夫が知らない家事をよくしており、これを「名もなき家事」と言います。

名もなき家事には、トイレに行くついでに使い終わったコップをさげたというようなものがあります。

男性はついでになにかをするというのが生物学的に苦手な生き物であるため、名もなき家事をするのが苦手です。しかし、これができなければ家事の負担は妻に偏ってしまい夫婦間でトラブルをおこします。

男性はゴミをゴミ捨て場に持っていくだけで家事を手伝った気分になりますが、実際のゴミ捨てのステップは以下のようになっています。
  1. ゴミを分別する
  2. ゴミ収集の曜日を把握する
  3. ゴミ捨て前にゴミ袋をしっかりと結ぶ
  4. ゴミ捨て場に持っていく
  5. ゴミ箱が汚れていれば洗い、新しいゴミ袋をゴミ箱にセットする
男性は一つのステップを手伝っただけで、ほとんどのステップを妻が負担しているということが多いため意識して全てのことをできるようになりましょう。

これができれば妻の家事の負担が減り、ストレスがたまりにくくなり怒る回数が少なくなるでしょう。


妻の小言はセキュリティ回避のための発言


男性は脱いだ服をぬぐっぱなしにしてても気にする人が女性と比べると少ないかもしれません。しかし、女性はこう言った細かいことが自分の安全に関わると考えとても気をつけます。

例えば、服を脱ぎっぱなしにしていると家事の途中に気が付かずにそれを踏んで滑る可能性があります。

妻はこういったリスクを回避するために小言を言っているので、男性はそれを真摯に受け止めるようにしましょう。


心の通信線を開通させよう


男性は事実だけを言う生物です。しかし事実だけでは、心の気持ちが女性には通じません。なのでなにかを言う時は必ず事実だけではなく気持ちも言葉にして言うようにしましょう。

例えばレストランで妻に
「あのステーキ美味しそうだね。」
と言われたとき男性はステーキを食べたいにしろ、食べたくないにしろ
「ホントだ、ステーキ美味しそう」
と返してから自分の食べたいものを言いましょう。こうすることで、妻と別の食べ物をその後食べたいと言っても一度妻に共感しているので妻を嫌な気分にはさせません。

また女性を言葉とは裏腹に心では傷付いていることがあります。男性が女性を理解するにはそういう言葉をしっかりと理解しなければなりません。例として以下のようなものがあります。

「あっち行って」→ あなたのせいで傷ついた。しっかり謝って。
「どうしてそうなの」 → 理由なんて聞いていない、しっかり謝って。

男性からすればすごく理不尽かもしれませんが、女性はそういう生き物であるとしっかりと割り切りましょう。




ポジティブトリガーの作り方


今まではいかにネガティブトリガーを発動させないか話してきましたが、ここからは女性を幸せにするポジティブトリガーの作り方を説明します。

女性はネガティブな思いをいつまでも引きずるのと同様に、ポジティブな思いも心の中で美化されていつまでも持ち続けます。

なので男性はネガティブトリガーを減らし、ポジティブトリガーを増やすことが重要です。


事前に予告して楽しみを引っ張れ


旅行をしたりどこかディナーに行く際は、少なくとも1か月前には女性に伝えるようにしょう。

そうすることで、女性は旅行に行くまで計画を練るといったプロセスを楽しむことができ、計画を伝えた期間から計画が終わるまでは機嫌が良いことが多いはずです。

またその後も二週間ほどはその思い出を引っ張ることができるので、1,2ヶ月に一回は少なくともデートをするようにすれば女性はポジティブな期間が継続するでしょう。

ただ一つ気をつけないといけないのはサプライズです。サプライズを男性は嬉しいだろうと思いがちですが、やり方によっては女性を傷つける可能性があります。

例えば、突然お洒落なレストランに女性を連れて行ったとすると、女性はお洒落なレストランに来た喜びより、お洒落なレストランに来たのに自分はなんのおしゃれもしていないということに傷つきます。こういうことをさけるために、サプライズが下手な人は事前に予約したよなどと女性に伝える方が良いでしょう。


普通の日だからこそ効果絶大な、言葉と行動


女性のポジティブトリガーを引くには普段からの積み重ねが重要です。

仕事帰りに何気ないお土産を買って帰ったり、少し出かけたついでにスーパーで妻の好きなお菓子を買って帰ってあげるとそれだけで女性は幸せな気分になれます。

また、自宅にいる妻から今日食べたお昼ご飯の内容をメールで送ってくるかもしれませんが、男性はそれを「で?」と思うのではなく、自分が今日食べたものを伝えましょう。

これは妻にとっての夫はしっかりお昼を食べたのか心配しているアピールです。妻は普段から細かいアピールをしているのでそういったアピールを見逃さないようにしましょう。

もし妻からのメールや会話で返信に困ったときは、とりあえずオウム返しをしましょう。妻はそれだけで満足してくれます。


いくつになっても愛の言葉や行動を忘れずに


夫はずっと妻と一緒に過ごすことで妻が一緒にいて当たり前だと思うかもしれません。しかし、それが原因で愛の言葉をかける機会などが減ってることがあるのでいくつになっても愛の言葉をかけるのを忘れないようにしましょう。

ただ、愛の言葉を伝えるタイミングは重要です。

妻の機嫌が悪いタイミングでほめたりしてもとってつけたような言葉にしか聞こえません。妻の機嫌がいいタイミングでいちもありがとうなどの愛の言葉をかけるようにしましょう。

また、「世界一好き」のように誰かと比較した言葉でほめるのではなく、君がオンリーワンだと分かる言葉で伝えましょう。例を挙げると「君の朝ごはんを食べないとやる気がでないよ」など。



最後に


この記事を読んでどうして女性にこんなに気をつかわなければならないんだと思う男性もいるかもしれませんが、妻に気を遣うことで喧嘩をする回数が減り自分のリスクも忘れないようにしてください。

『妻のトリセツ』にはさらに詳細にどのように女性と接していけばよいのかがのっているため気になる方はぜひそちらを読んでみてください。

また同著者の本に『女の機嫌の直し方』という本がありますが、こちらは脳科学の分野にのっとた解説を重視しているのでこちらもぜひ読んでみてください。







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最近、自然言語処理の参考に言語学を勉強したいと思った矢先に本書を見つけたので手に取ってみました。

言語学という学問について基本的な内容が語られており面白い一冊となっていました。


黒田龍之介『はじめての言語学』の要約


本書の構成は以下のようになっています。
  • 第1章:言語学をはじめる前に—ことばについて思い込んでいること
  • 第2章:言語学の考え方—言語学にとって言語とは何か?
  • 第3章:言語学の聴き方—音について
  • 第4章:言語学の捉え方—文法と意味について
  • 第5章:言語学の分け方—世界の言語をどう分類するか
  • 第6章:言語学の使い方ー言語学がわかると何の特になるか?

第1章では、我々が考えている言語学と学問としての言語学のギャップを解説してくれます。

本書を読むまで私の言語学のイメージは現代語や文法についての研究をしているイメージがあったのですが、その他にも語源をたどったりしてるんですね。

意外だったのは、言語学者は言葉の厳密さに対して厳しそうなイメージがあったため若者言葉などは嫌がるのかと思っていましたがそうではないんですね。

言語は常に変化していくものであるというのが言語学者の考え方みたいです。なので若者言葉が存在するのは当然みたいです。

第2章では言語学にとっての言語とはどういったものであるのかを解説しています。

人によっては、猫や犬の鳴き声も言語であると主張する人がいるかもしれませんが、言語学にとっての言語はあくまで人間の喋ることばのみみたいです。

また黒田龍之介さんは、言語は記号の体系であると主張しておりこれはすごくよい表現であると思いました。

言語が記号の体系であるからこそ自然言語をコンピュータで扱うことができるんだと納得いきました。

第3章では言語の音について解説されています。

この章を読んでいて昔第二外国語でフランス語を勉強していたとき上手く発音できなかったのを思い出しました。

言語学を学んでいる人も新しい言語を発音するために苦労しているのが分かりおもしろかったです。

第4章では、文法やことばの意味を言語学ではどのように考えているのかについて言及されています。

教科書に載っているような文法は言語学者の中で絶対のルールであるのだと思っていたのですがそうではないみたいですね。

言語学者によって文法に対する考え方が分かれているみたいでこれを読んで改めて言語学って変な学問だと思いました。

また、言語学者が一番小さい言葉の意味について研究してくれているおかげで形態素解析の技術の発展につながっているんだと改めて思いなおせてよかったです。

第5章では、言語学では世界の言語をどう分類するのかについて解説されています。

言語を分類する方法って政治的に見たりするなど色々あるみたいですが、私は語源に基づいて分類するのが言語と歴史の関係を表しているみたいでいいなと感じました。

日本語の語源ってまだよく分かっていないみたいですがどんな言語と親戚であるのか気になりました。

第6章では言語学を学んだらどういう場面で役立つか語られています。

著者の黒田龍之介さんは、現在外国語学習者を応援する活動をしているみたいなので外国語の勉強の役に立つという考えはすごく説得力があるなと思いました。




どういった人が本書を読むべきか


私が本書を読んだうえで本書を勧めたい人は下記に該当する人だ。
  • 何かしらの外国語を学習している人
  • 言語学に興味がある人
  • 世界史などの歴史に興味がある人

まず外国語を学習している人に勧める理由は、著者の黒田龍之介さんも第六章で語っていたが言語学を知ることは外国語学習者にとってとても有意義なものになると思う。特に世界対応で音を示している国際音声字母(IPA)を知っていればほとんどの言語の発音ができるようになるのでかなり有利に働くのではないのだろうか。

次に言語学に興味がある人に勧める理由は、本書はよく販売されている入門書より一段階優しい本だと感じたからだ。いきなり難しい本を読むより本書を読んだほうが言語学について深く興味が持てるのではないのだろうか。(私は、昔言語学の入門書を読んでいる段階で挫折したことがある)

最後に歴史に興味がある人に勧める理由だが、言語の語源を歴史とあわせて見ていくことができれば非常に楽しめると思ったからだ。語源をたどることで政治的関係なども新たにみつけることができるかもしれない。


本書をお勧めできない人


先程と逆で本書をお勧めできない人は何かしらの形で言語学を学習したことがある人だ。

言語学を学習したことがある人からしてみれば本書は基本的なことについてしか語られていないからあまりためにならないと思う。

本書は様々な言語を例にして説明しているのでそういうのを楽しみたい人であれば読んでいて楽しめるのかもしれない。



まとめ


本書を読むだけでは私の当初の目標であった自然言語処理への応用は叶わなかったがそれでも本書を読んでよかったと思った。

言語学という学問が置くが深くとても面白いものであると知ることができたのは大きい。また今後私が自然言語処理に応用するためには、文法についての言語学を研究している人の書籍や論文を読めばいいと理解することができた。

本記事を読んで言語学に少しでも興味が持てた人にはぜひ本書を読んでもらいたいです。



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今回は石黒浩さんの『ロボットとは何か』を読んだので紹介します。

この本は自分そっくりのアンドロイドであるジェミノイドやマツコさんそっくりのロボットであるマツコロイドを用いて研究を行っている大阪大学の教授である石黒浩先生が書いたものです。

アンドロイドやロボットに関心のある方におすすめの本となっております。



【目次】
内容
感想




『ロボットとは何か』の内容


本書は以下のような構成になっております。
  1. なぜ人間型ロボットを作るのか
  2. 人間とロボットの基本問題
  3. 子供と女性のアンドロイド
  4. 自分のアンドロイドを作る
  5. ジェミノイドに人々はどう反応し、適応したか
  6. 「ロボット演劇」
  7. ロボットと情動
  8. 発達するロボットと生体の原理
  9. ロボットと人間の未来

第一章第二章では、どうして石黒先生が人間型のロボットであるアンドロイドを作るのかが語られております。一般の人だとロボットを作る目的は日常生活を豊かにしたいという人が多いと思いますが石黒先生は違います。

石黒先生が人型のロボットを作るのは、人間のロボットを作ることで人間についてさらに詳しく知りたいからだそうです。そのため石黒先生はロボットを作る際に人間そっくりの外見のものを作るということにこだわりがあります。

第三章では、自分の娘そっくりのロボットと藤井彩子アナウンサーそっくりのロボットを作ったことについて書かれています。それぞれのロボットを用いた実験の様子や結果、また実験から得た石黒先生の考察が詳しく書かれており面白い章となっております。

男性は、ロボットであったとしても女性のロボットと話すときは緊張するみたいです。ロボット相手に緊張するなんて不思議ですよね。

第四章第五章では、石黒先生そっくりのロボットであるジェミノイドについて解説されています。石黒先生は、自分そっくりのロボットが存在した場合どのような感覚におちいるかを自分を利用して実験しました。またジェミノイドと自分の学生を喋らせる実験を通して学生が石黒先生と喋っている気持ちになるという結果を得ることができた。

第六章第七章では、ロボットの心について言及されている。「ロボット演劇」では人間ではないロボットの役者であったとしても人間の心を動かすことができることを証明しました。

第八章では今後どのようなロボットを作っていくかについて語られている。石黒先生が今後作りたいと思っているロボットは機械学習などを利用して人間のように徐々に成長していくものだ。実際に歩くことを学習させるロボットなど少しずつであるが実装にうつしているみたいだ。

第九章では今後ロボットが発達した場合人間とどういう関係を築いていくのかについての考察がのっている。ロボットに人権は必要であるのか、人間がロボット従うのかそれともロボットが人間に従うのかなどの興味がそそられる内容がのっている。



感想


本書は日本のロボット工学の権威によって書かれているため今後のロボットの発展にかかわることが分かりやすく書かれており、ロボットについて知らない人でも読みやすいような構成になっていた。

また石黒先生は、一般の人と違いとびぬけた発想を持っているため天才の考えを共有することができる本書は非常に勉強になった。

ロボットに心が宿っているのかという問題は非常に興味深い話題であるので、私もロボット演劇を見てロボットに自分は心を動かされるのか試してみたい。ロボット演劇の演出は平田オリザさんが行っているらしく内容も非常に面白いものになっているのだろう。

ロボットに興味がある人には絶対に読んでほしい一冊になっている。ロボットに興味がない人でも今後の社会の変化を考えるうえで一度は読んでもらいたい。







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