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原田マハさんの『ギフト』を読みました。

本作は仕事や恋愛などで悩んでいる主人公たちが、人にギフトを送ったり、人からギフトをもらうことで幸せを見つける短編が20個収録されています。

全ての作品が5分ほどで読むことができるので、少し悩みがあるときなどに一つ物語を読むとすっきりした気分になることができます。

以下、感想になります。



感想


ギフトを贈る意味


子どものことは誕生日やクリスマスなどイベントごとに父や母からギフトをもらったり、逆に自分から友人や家族にギフトを送ることが多々ありました。

しかし、大人になるにつれてもらえるギフトの数も徐々に減っていき、自分からもわざわざ人に贈り物をするということが少なくなったような気がします。

本作はそんな大人になってギフトを送ることが少なくなった人にぜひ読んでもらいたいと感じる作品でした。

プレゼントってどんな些細なものだったとしても、自分があげる相手のことを思って選んだものだった場合必ず喜んでくれること間違いないに違いません。

もしかしたら些細なギフトをあげることで人が持つ大きな悩みを解決するヒントになる可能性があります。

本作を読んだことで何かを人に贈るということは、送られる物以上に贈られた人を幸せにすることができる可能性があるということを学ぶことができました。





同じギフトでも人によって得るものは違う


私がこの短編集の中で好きな作品は『コスモス畑を横切って』、『茜空のリング』、『小さな花畑』の三篇です。

これらの物語は全て結婚式の招待状を受け取った場面から物語が始まる連作となっています(もちろん一篇ずつ独立しているのでそれぞれよんでもおもしろいが)。

『コスモス畑を横切って』の主人公は同じ人物を好きになってしまったことがきっかけに疎遠になってしまった大学時代の親友から結婚式の招待状を受け取りました。

もう交わることのないと思っていた親友から招待状という幸せなギフトをもらったことで、再び大学時代に通っていたコスモス畑で二人は友情を取り戻すことができます。

招待状という贈り物が主人公に親友を与えることになりました。


『茜空のリング』では、いつまでも彼氏からプロポーズされないことで悩んでいる女性が主人公です。

友人が結婚することで自分の彼氏も結婚を意識してくれると思っていましたが、彼に特に変化はありませんでした。

しかし、結婚式の当日少し早めに彼と会場に行こうとした主人公は、彼から夕陽に照ららされる観覧車という世界最大の結婚指輪をもらうことになります。

招待状という贈り物が主人公に結婚というギフトを贈り込んでくれました。


『小さな花畑』は、初めて結婚式に参加する新婦の女性友人四人のうちの一人が主人公です。

彼女たちは自分より早く結婚する新婦におめでというという言葉を素直に言えず嫉妬を覚えていました。

しかし、実際に結婚式で新婦に出会うとおめでとうという言葉が言えないぐらい主人公たちは感動していました。

そして彼女らは花束のような色合いのドレス姿の自分たちの幸せな写真を新婦に送りました。

招待状という贈り物が主人公たちに人から幸せをもらったら幸せを返そうということを教えてくれました。


これらの連作を読んで同じギフトをもらったとしても人によってとらえ方は違うが、どの人間も幸せになるということを学びました。

この記事を書きながら各物語を読み直していたのですが、5ページにも満たない作品で泣いてしまい原田マハさんという作家のすごさを再認識しました。



まとめ


ギフトは大人になってから人に贈り物をすることの重要性を再認識させられる作品でした。

私も長いこと大切な友人などに贈り物をしていませんでしたが、この本をきっかけに今年の誕生日は彼らを幸せにできるものを贈ってみようと思います。