今回は、常盤勝美さんの『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる 基礎から学ぶ「ウェザーMD(マーチャンダイジング)」』という本を紹介しています。
『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』の概要
本書は、流通業のウェザーマーチャンダイジング(以下ウェザーMDとする)について書かれている本です。
ウェザーMDとは天気や気象に関する情報を商売に生かすことです。天気予報の精度が向上した現代では、ほぼ全ての企業がウェザーMDの情報を商売に活用しています。
本書では、天気と小売業で売れる商品の関係を具体的に説明しています。
例えば本書のタイトルにある通り、アイスは25℃を超えるとよく売れると言われていますがそれは本当なのでしょうか?
実は25℃を超えているからといって必ずアイスが売れやすくなるわけではありません。
逆に気温が高すぎるとアイスの売れ行きが止まるという傾向もあります。
その理由は、暑すぎると口のなかでアイスのどろっとした感じが残り気持ち悪いひとが増えるからです。
こういった天気と商品の関係を学ぶことができる一冊です。
学べる事
- ウェザーMDの基礎知識
- 流通業とウェザーMDの関係
- 様々な季節や異常気象と商品の売れ行きの関係
- ウェザーMDの実践方法
- 天気予報の見方
対象読者
- ウェザーMDの基礎知識が学びたい人
- スーパーやコンビニといった小売業で商品発注を行っている人
- 商品開発部門の人
- 商品の広報を担当している人
個人的な感想
私は小売業などに関わったことがなく専門外の人間ですが、本書を読むことで商品の売れ行きと天気の密接な関係を理解することができました。
本書は専門用語などを一つ一つ分かりやすく解説しているため、気象や経済学に詳しくない人でも読みやすくなっているのが良い点です。
また、こういった専門書ではよく知識だけが書き綴られていて実際にどう活用したらようのか分からないという本も多々ありますが、この本では後半の章でウェザーMDの実践方法が書かれているのも良かったです。
実践方法の解説では商品部、商品企画部、営業企画部、販売促進部などの様々な部門ごとに気候の変化に対してどのような対応をすればよいのかが書かれていたので、色々な人が仕事に活かせるようなノウハウが書かれていました。
具体例もところどころに出てくるため、実戦でのイメージがしやすかったです。
また、Excelなどの表ソフトのウェザーMDでの使い方も分かりやすく書かれていたので、あまりパソコンが得意でない人でも効率的にウェザーMDを行えるように書かれていたのもポイントが高かったです。
まとめ
『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』は一冊でウェザーMDの基礎的な知識と具体的な解説方法を学べる本です。
小売業に関わっている人なら必ず知っておきたい知識が盛りだくさんですのでぜひ読んでみてください。