としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

タグ:教育

3776379_s

伊藤美佳さんの『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式』を読みました。

本書では、子どもたちが持っている力をぞんぶんに使わせて、子どもの才能を伸ばす方法が紹介されていました。
よくある教育本とは違い親のストレスなども考えて書かれていたのがよかったです。

以下、内容をまとめていきます。



『モンテッソーリ教育×ハーバード式』とは


モンテッソーリ教育とは、子どもを将来的に自立」させることを目的とした教育方法です。

日本では一般的に先生が指示する教育を受けることが多く、指示待ちの子が育ちやすいです。

一方、モンテッソーリ教育では、子ども自身にすべてを決めさせることで、子どもの発想力や問題解決能力をのばします。
自分の頭で考え自分で選択できるので、大人になっても活躍できるように育ちます。


もう一つのハーバード式とは、人の様々な能力について提唱した理論です。
頭の良い(IQが高い)人が優れた人間だと思っている人もいるかもしれませんが、人間にはIQ以外にも様々な能力が秘められています。

本書では、このハーバード式の考え方を日本人向けに以下の「9つの知能」としてアレンジしました。

  1. 言葉
  2. 自然
  3. 音楽
  4. 自分


本書をとおして皆さんには『モンテッソーリ教育×ハーバード式』つまり「自律」と「9つの知能」を掛け合わせた、お子さんの才能をぐーんと伸ばしつつ、子育てが楽になる「輝きメソッド」を紹介していきます。




子どもの行動の秘密


子どものイタズラで困ったことはありますか?

親目線で考えるとイタズラなどは困った行動に見えるかもしれませんが、子どもは親を困らせたいと思いその行動をしているわけではありません。

子どもがやりたいと思ったことをやった結果、親が困っているだけなのです。

例えば、子どもが床に絵を書き出すと親としては困りますが、子どもは絵を描くことで手の器用さや感性を伸ばしたいと思っているのです。
こういうときは、大きな模造紙などを子どもに与えて床一面に絵を書かせてあげましょう。

ママやパパがイライラしてしまうと子どもも萎縮してしまうので、優しく見守ってあげられる方法で自由に遊ばせることが大切です。


子どもは不思議な行動をよくしますがそれは、すべて自分の能力を伸ばすためにやっていることです。

もし親にとって困るような行動場狩りする場合は、子どもとルールを決めることをおすすめします。
ルールを決めることで子どもも親も満足した子育てができるでしょう。



6歳までの育て方で未来が変わる


よく日本の学校教育が悪いから子どもが指示待ち人間になってしまったという話を聞きますがそれは間違いです。
子どもの性格は6歳までの育てかたで決まるので、学校に行く前の育て方で決まるのです。

遊び方を親が指示したり、困っているときにすぐに手助けされている子どもは指示待ち人間になりやすい傾向が高いです。

親は「子どもはなんでもできる存在なんだ」という目で見て接していくことが大切です。
子どもが困っている時はすべて助けるのではなくできないところだけを手助けしてあげましょう。


また、子どもの脳がもっとも成長する時期は0~3歳です。
そのため、小さいからなにも分からないだろうと思って接するのは大間違いです。

0歳の子どもは喋ることはできませんが、親が言った言葉を意外と理解しているものです。
なのでどんどん話しかけることで子どもはどんどん成長していきます。
子どもが小さいうちに「話しかけたり」「見せたり」することを絶対に無駄だと思わないでください。





世界にはばたく才能を伸ばす「9つの知能」


冒頭で人間には9つの知能があるという紹介をしましたが、ここでは各知能がどのように役にたつか紹介していきます。

ちなみにこれらの知能の才能は生まれもって決まっているわけではありません。育てることですべての知能を伸ばしていくことができます。
私は、9つの知能をバランスよく育てることをおすすめしています。


1.「体」の知能

「体」の知能は体全体や体の一部を、問題解決や想像のために使う能力です。

基本的にはどんな仕事でも体を使いますが、この知能を伸ばすことでスポーツマンなどの体を動かす仕事はもちろん、医師などの手指の器用さを必要とする仕事でも役に立ちます。


2.「言葉」の知能

「話し言葉」や「書き言葉」を効果的に使いこなす力です。

作家やマスコミなどメティア関連の仕事で特に能力を発揮しますが、どんな仕事でもコミュニケーション能力が必要なので役に立つこと間違いなしの知能です。


3.「数」の知能

計算をしたり、問題を論理的に分析したりする能力です。

この能力はプログラマーなどのIT関連の仕事、エンジニアなどの技術者の仕事で役に立ちます。


4.「絵」の知能

「絵」の知能は、視覚的に空間のパターンを認識する能力のことです。

この知能が伸びている人は、デザイナーやヘアメイクアーティストなどクリエイティブな職業がおすすめです。


5.「自然」の知能

自然や人工物の種類を識別する能力です。

将来、旅行会社などの人と自然をつなぐ仕事で役に立ちます。
その他にも自然から得られた感性は、クリエイティブな仕事でも才能を発揮するでしょう。


6.「感覚」の知能

五感を駆使して、さまざまな情報を敏感に受け取れる能力です。

五感を使ったすべての感覚に優れているので様々な仕事で才能を発揮します。
「視覚」はデザイン関連、「聴覚」は音楽関連、「味覚」はシェフなどの料理の仕事で役にたちます。


7.「音楽」の知能

音楽の種類やリズム、音程などを識別する能力です。

言うまでもなく音楽にまつわる仕事に最適な能力です。
ピアニストなどだけではなく、映像関連などの仕事でも役にたちます。


8.「人」の知能

他人の感情や意図、動機、欲求を理解して、他人とうまくやっていく能力のことです。

どん仕事でも他人とは必ず関わることになるので必ず役にたつ知識です。特に才能が発揮できる職業は営業などの人の感情を理解する必要がある仕事です。


9.「自分」の知能

自分自身の長所や短所などを理解したうえで、目標達成や動機づけなどを自律的に行う能力です。

起業家などの方は、自分の知能が突出している人が多いです。おそらく自分自身の頭で企業プランを考えたりする必要があるからでしょう。



子どもへの「接し方8ヶ条」


最後に著者の経験を通して子どもの才能を伸ばすための接し方8ヶ条を紹介します。

  1. すべてを受け入れる
  2. 自分で選ばせる
  3. 信じて、待つ
  4. 満足するまでやらせる
  5. 子どもに解決させる
  6. 間違いを訂正しない
  7. 子どもと「楽しい!」を共有する
  8. 自然の中で遊ぶ

とにかく子どもを自由に育てることが才能を伸ばすことにつながります。
親の身勝手で子どもを制御しないようにしましょう。

また、親が楽しくなければ子どもも楽しくありません。
子どもと一緒に楽しいの気持ちをどんどん共有していきましょう。

また8つめの「自然の中で遊ぶ」ですが、小さいときからテレビやゲームばかりにふれている子どもはぼーっとした子になりやすいです。
自然にたくさんふれさせることで感性豊かな子に育てましょう。



まとめ


『モンテッソーリ教育×ハーバード式』の子育ての方法が少しでも伝わったでしょうか。

子どもの才能を伸ばすためには以下の二つのことが重要でした。

  1. 子どもを自由にのびのび育てること
  2. 様々な才能をバランス良く育てること

この二つのことを意識して子どもの才能をどんどん伸ばしていきましょう。

また、『マンガでよくわかる モンテッソーリ教育×ハーバード式』では9つの知能を伸ばすための訓練方法がイラストで紹介されているので興味のある方はぜひ本書を読んでみてください。





DSC_2237

今回は、川島隆太さんが書かれた『スマホが学力を破壊する』を紹介します。

川島隆太さんは東北大学の教授をしている方で、少し前に『脳を鍛える大人のDSトレーニング』の監修を行っています。ゲーム監修にも携わっていますが川島隆太先生は、ゲームを全然しないみたいです(笑)。



【目次】
内容
感想




内容


本書の構成は下記のようになっています。
  1. 第一章:スマホを使うだけで成績が下がる!?
  2. 第二章:睡眠不足が成績低下の原因か
  3. 第三章:スマホが先か学力が先か
  4. 第四章:LINE等インスタントメッセンジャーの影響
  5. 第五章:テレビやゲームの影響
  6. 第六章:どれだけの生徒がスマホ等を長時間使用しているのか
  7. 第七章:勉強中のスマホ使用の実態
  8. 第八章:メディア・マルチタスキング
  9. 第九章:スマホが脳発達に悪影響を与えている
  10. 第十章:スマホ依存度評価
本書はほぼ全ての章で図とグラフを使いスマホが及ぼしている影響を説明しているため視覚的にも分かりやすい本となっております。

第一章では、最初にどうして川島先生がスマホの影響で学力が低下していると思うようになったのかということを説明しています。その後、スマホを操作している時間と成績の関係をグラフを用いて解説しています。

第二章では、スマホは直接関係なくスマホの影響で睡眠時間が減少したから学力が低下したのかもしれないということについて言及しています。

もともと睡眠時間が短すぎたり、長すぎたりする子どもは睡眠時間が6~8時間の生徒と比べて成績がよくない傾向にあります。スマホによる影響で睡眠時間が短い子どもが増えたことが学力が低下している原因であれば、スマホは学力の低下に直接的な関係はありません。しかし、調査の結果適切な睡眠時間をとっている子どもであれ、スマホの操作時間が長ければ学力が低下しているということが分かりました。

第三章では、スマホが学力を押し下げているのか、それとも学力が低い子どもとスマホに親和性があるのかということについて説明されています。

川島先生の調査の結果、どんな児童・生徒であれスマホを使用し始めると成績が低下していることが分かりました。スマホを非使用であったり、以前使用していたが使用を中止した生徒らは、成績が上がる傾向があります。

またスマホの使用を開始しても一日の使用時間を一時間未満に抑えることができる生徒らは、成績が低下しません。

第四章では、LINE等のインスタントメッセンジャーの使用時間と学力を比較しています。

インスタントメッセンジャーもスマホと同じで使用時間が長ければ長いほど学力が低下しているみたいです。また、第三章と同様で、非使用の生徒や使用を中止した生徒は学力が上がる傾向があります。

第五章では、ゲームやテレビが学力にどれぐらい影響しているのかということが調査されています。

意外なことに、平日のゲーム時間が一時間未満の生徒のほうが全くしない生徒よりも数学の成績が良いみたいです。ゲームにより空間情報処理能力が高まることが影響しているみたいです。ただゲームをしすぎている生徒はゲームのプレイ時間に比例して成績が下がっているようです。

テレビの視聴時間による成績の影響も意外なことに一日の平均視聴時間が四時間未満であれば全く見ない生徒よりも成績が良いみたいです。これは、まったく視聴しない生徒は、社会への関心が薄いことや、その時間をスマホ操作に使っていることが原因であると推測されています。

第六章では、どのくらいの割合の中学生がスマホを長時間使用しているかについて分析されています。

平成26年と平成29年のデータを比較するとスマホを使用する生徒の割合が増加しています。平成26年には、Lineを使っていない生徒が過半数以上であったが、平成29年の調査では過半数未満になっていた。

第七章では、勉強中にスマホを使用しながらのながら勉強をしている生徒がどれぐらいいるのかについて調査されている。

調査の結果、小学5年生でも過半数以上の児童がスマホを使用しながらのながら勉強をしているみたいです。中学3年生に至っては8割以上の生徒が自宅学習中にスマホを操作しています。

スマホ所有者の生徒の訳3分の2が音楽を聞きながら勉強しており、その他勉強中にスマホでゲームをしている生徒が34%、動画を視聴している生徒が44%、Lineをしている生徒が43%いるみたいです。

数値を見ると勉強をしながら複数のアプリを使用している生徒がいるのが分かりますが、使用アプリの数が多いほど学力が低下する傾向にあります。

第八章では、人間がマルチタスクを行えるのかについて言及しています。結論を言うと、ほとんどの人間がマルチタスクはできないみたいです。

第九章では、スマホが脳の発達に悪影響を与えているのかということに注目しています。スマホなどで文章を入力したり電話で相手と話すのは、手書きで文字を書いたり直接相手と会って話すのと比べて前頭前野が活動しないため脳に影響があるみたいです。

第十章では、スマホ依存度の評価の方法がのっています。

以上で簡単な本書の概要の説明を終わります。本書ではより詳細な川島先生による説明がのっていますので興味がある人には、ぜひ読んでもらいたいです。


感想


以前から若者の間でスマホ依存症が問題になっているという本はいくつかありましたが、学術的にスマホが学力低下と関係があるということについて言及されている本は私が知っている限り本書が初めてです。

本書を読んだことで私もスマホとの付き合いを改めて考え直さなければいけないと思いました。また、現在の小中学生の多くがスマホで動画を見たり、ゲームをしながら自宅学習をしているということに驚きが隠せませんでした。

このブログを読んだ保護者の方がいれば子どもにスマホがどれほど悪影響を及ぼしているのかを説明してほしいです。また他の保護者の方にも情報を共有していただければよいと思います。

教員の方が読んだのであれば、グラフなどを利用して児童・生徒がスマホの凶悪さを理解できるように説明してもらいたいです。

また自分は、スマホ依存症かもしれないと自覚のある人にも読んでいただきたいです。スマホによる学力の低下は、子供だけではなく大人も深刻に考える必要がある事態です。

ぜひ多くの人に本書を手に取ってもらいスマホとの付き合い方を改めて考え直してほしいです。


DSC_2235

今回は、友田明美さんの『子どもの脳を傷つける親たち』を読んだので本書の概要や感想を書いていきます。

本書は、友田先生の小児科医としての実体験や研究結果が分かりやすくまとめられていました。マルトリートメントと脳の関係がテーマになっています。

友田明美さんは、福井大学子どものこころの発達研究センター発達支援研究室および本学附属病院子どものこころ診療部で小児科医として、子どもの発達に関する診療・研究・教育をしている先生です。



【目次】
内容
感想





内容


本書の構成は下記のようになっています。
  1. 序章 :健全な発達を阻害する脳の傷つき
  2. 第一章:日常のなかにも存在する不適切な養育
  3. 第二章:マルトリートメントによる脳へのダメージとその影響
  4. 第三章:子どもの脳が持つ回復力を信じて
  5. 第四章:健やかな発育に必要な愛着形成
  6. 終章 :マルトリートメントからの脱却


序章:健全な発達を阻害する脳の傷つき

序章では、心と脳の関係や脳科学と子どもの発達の関係が簡潔に説明されています。また子ども虐待の社会的なコストが実数値で出されているため虐待が社会的に重要な問題になっているということが把握できます。



第一章:日常のなかにも存在する不適切な養育

第一章では、最初に虐待が子どもの心にどのような影響をもたらされるかが記されています。

虐待は下記の四種類に定義されています。
  • 身体的虐待
  • 性的虐待
  • ネグレクト
  • 心理的虐待
身体的虐待と性的虐待は、昔から取り上げられる機会が多く分かりやすい虐待です。
ネグレクトというのは、近年取り上げられる機会が増えましたが「育児放棄」のことです。
心理的虐待は、暴言で子どもの心を傷つける虐待です。また、直接子どもに危害を加えるものだけではなくDVを見せるのもこの心理的虐待に含まれます。

次にマルトリートメントについて書かれていました。

虐待といえば偏ったイメージが強く実際に子どもに対して不適切な養育をしていても保護者は虐待ではないととらえることが多いです。

マルトリートメントは虐待をより広く定義した概念です。大人側からの行為がどんなものであれ子どもに不適切な行為であればマルトリートメントです。

マルトリートメントの実例や上記の虐待の定義におけるマルトリートメントの例や解決法が本章では分かりやすく書かれていました。



第二章:マルトリートメントによる脳へのダメージとその影響

第二章のはじめではこれからマルトリートメントが脳のどの部分に影響するのかを分かりやすく説明するために最初に脳に関する説明が図を使い分かりやすく簡単に書かれています。脳科学について知らない人でも読みやすいように工夫がされていました。

その後、マルトリートメントの種類に伴い脳のどの部分に影響するのかを実験結果をもとに書かれています。脳の部位によって成長が盛んになる時期が異なるため、マルトリートメントを受ける時期によって脳へ与える影響が異なるみたいです。



第三章:子どもの脳がもつ回復力を信じて

第三章では、マルトリートメントで傷ついた脳の傷は、治るのかを扱っています。

子どもの脳の傷を治すには、薬物療法と心理療法がありますが本書では主に心理療法について書かれています。

心理療法についてそれぞれの実例ごとに病院で実際に行っている療法について古くから行われていることから最新の方法まで詳細に説明されています。またそれだけではなく実際に保護者が子どもに対して実践できる療法に関する説明もあります。

本章の最後には、実例に基づいたケーススタディものっています。



第四章:健やかな成長に必要な愛着形成

第四章では、古くから発達心理学で扱われている愛着形成とマルトリートメントの関係について書かれています。愛着形成とは、子どもと養育者との間に心のつながりが生まれることです。マルトリートメントの影響で愛着形成が正しく行われなければ、人間関係を正しく形成できない人間に成長する恐れがあります。

本章では、その他にも発達障害と愛着障害の違いについて説明されています。それぞれの障害の症状は類似しているが治療法は異なるため、どちらの障害であるのか判断することは治療を行う上で重要になります。

愛着形成が失敗している子どもと養育者に対しての愛着の再形成の方法ものっています。



終章:マルトリートメントからの脱却

終章では、今後のマルトリートメントの対処法や苦しんでいる子どものために養育者ができることなどが書かれています。


感想


本書はマルトリートメントについて非常に分かりやすく書かれていました。マルトリートメントという言葉は現在の日本では聞きなれない言葉ですが、子どもを育てる上で重要な言葉となるため多くの人に知ってもらいたいです。

本書の良いとこおろはマルトリートメントで苦しんでいるのは子どもだけではなくそれを行う養育者も傷ついているということに言及されていたことです。マルトリートメントを行う養育者の多くは自分自身が子どもにとって不適切なことをしているという自覚がないため、そうした養育者を支えるのもマルトリートメントを防ぐうえで重要です。

最後になりますが私は、本書をより多くの人に本書を読んでもらい子どもを傷つける人を減らしてもらいたいと思いました。子どもと関わる仕事をしている教育者の方々や、現在子育てを行っている養育者の方々、その他多くの人に本書を読んでいただきマルトリートメントの存在を知ってほしいです。




↑このページのトップヘ