
4月から吉高由里子さん主演でドラマがスタートする朱野帰子さんの『わたし、定時で帰ります』を読みました。刊行されてたった一年でドラマ化されるだけあり、内容はとてもおもしろかったです。
現実では『わたし定時で帰ります』の主人公である東山結衣のように、毎日定時で帰るというのは難しいんでしょうが、物語が現実に近いということもあり、読んでいると普段のストレスが吹き飛ぶような作品となっていました。
日ごろ仕事で残業が多くストレスが溜まっている人にはけっこうおすすめできる作品だと思います。
以下、感想を書いていきます。ネタバレもあるので未読の方は注意してください。
本当に残業は必要なのか?
主人公の東山結衣はどんなことがあってもとにかく定時で帰ろうとする30代前半の女性社員です。
日本の多くの企業では残業をしない人間に対して、仕事へのやる気が感じられない、一人だけ楽をしているなど悪い印象を持つ傾向がありますがそれは本当に正しいのでしょうか?
結衣は毎日定時で帰りますが、仕事ができない人間というわけではありません。
正直私は、だらだら仕事をする人間よりも、結衣のように仕事とプライベートでしっかりと切り替えることのできる人間の方が評価が高くなるのが正しいと思っています。
本作の第三章でスポットがあたっている若妻徹は、残業を会社に泊まり込み朝までしていますが、だらだらと仕事をしているだけで無駄が多く、通常の勤務時間も残業の影響で疲れてしまい効率が落ちてしまっています。
こんな風に残業をしていても仕事量が残業をしていない人間よりも少ない人は現実でもいます。
会社は残業をしていない人間を残業するように仕向けるよりも、効率的に仕事ができていない人間を変える方が正しいのではないのでしょうか。
結衣のように全く残業をしないというのは極端な例ですが、日本の社会も結衣のように残業時間が少ない人間を評価する傾向に変わっていてほしいです。
ブラック上司 福永清次
本作で結衣の最大の宿敵は、部下に残業をさせることを何とも思わないブラック上司 福永清次でした。
福永は自分が評価されるためなら、部下が残業でどれだけ苦労しても気にしないような典型的なブラック上司です。さらに、自分はほとんど残業をせずに帰ってしまうので、ただのブラック上司よりなおさらたちが悪いです。
人間なので他人からの自分の評価が気になる気持ちは分かるのですが、それならば部下からの自分の評判も気にしてほしいところです。
福永は相手の弱みに付け入るのが得意で、部下に残業するように仕向けます。しかし、最終的にはそれが原因で部下に謀反を起こされてしまいます。
現実でもこんな風に謀反を起こされるようなことはありそうなので、時代は違えど人間の考え方は戦国時代とあまり変わっていなのが分かりますね。
この作品を読んだ人に自分は福永のようなむちゃくちゃな上司ではないか、部下に寝首をかかれないように一度見直してほしいところです。
結衣の恋の行方
結衣は最終的に、しばらく残業が続き婚約者よりも仕事を優先してしまったことが原因で婚約者の諏訪巧に浮気をされてしまいます。
仕事のせいで浮気された結衣はショックだっただろうが結果的にはこれで良かったのかもしれません。結衣は巧が残業をせずに仕事よりも趣味を優先するような人間であったため、以前付き合っていた仕事人間の晃太郎よりも価値観があうと思い付き合い始めました。
しかし、結衣は巧の良い点だけ見て悪い点からは目を背けていたのでいつかは合わなくなり上手くいかなくなったと思うので、結婚前にその事実を知ることができて良かったと思います。
恋愛相手を選ぶときは自分と考え方が合うのかという良い点をみることも大切ですが、案外価値観がずれていたほうがお互いの刺激になり上手くいくのかもしれませんね。
価値観が違う結衣と晃太郎で今度こそ幸せになってほしいです。
最後に
原作が面白かったのでドラマが始まるのが楽しみです。
もしドラマしか見ていない人がいたら原作も面白いのでぜひ読んでみてください。