としおの読書生活

田舎に住む社会人の読書記録を綴ります。 主に小説や新書の内容紹介と感想を書きます。 読書の他にもワイン、紅茶、パソコン関係などの趣味を詰め込んだブログにしたいです。

タグ:瀬尾まいこ

PXL_20210825_134900606

瀬尾まいこさんの『おしまいのデート』を読みました。

出会いと別れの五篇の短編が収録されている作品で、読んでいて心がほっこりしました。

以下、あらすじと感想になります。


『おしまいのデート』のあらすじ


小さいころに両親が離婚して母に引き取られた私は月に一度だけ父と出会っていた。

私が中学生になったころ、いつも通り父に会いに行くとそこには父のかわりにじいちゃんがいた。

どうやら父は再婚したことがきっかけであまり私に会いたくないようだ。

それからというものの特にじいちゃんに会う意味はないのだが月に一度父の代わりにじいちゃんと会うようになった。

じいちゃんとのデートはいつも公園でソフトクリームを食べながら行き先を決めるところから始まる。

私が中学三年生になったころ、母が再婚することになった…。

今日はじいちゃんとの最後のデート。

二度と会えなくなるわけではないがこういう風にじいちゃんと会えなくなるのは寂しい。

今日はじいちゃんとどこに行こうか…。



感想(ネタバレあり)


おしまいのデート


私とじいちゃんのお互いがお互いのことを大切にしているのを感じられる物語でした。

二人ともお互いに直接話したわけではないけれども、心のどこかで最後のデートだと思いながら過ごしている様子が切ないです。

じいちゃんの最後の「生きていればどんなことにも次がある」という言葉はこれから色々な人生を経験していく私へのエールです。

私はこれから新しい家族と過ごし始めて、それからどんな人生を歩むかは分かりません。

ただ、いつまでもじいちゃんのことを忘れず悩んだときはこの言葉を思い出すのでしょうね。



ランクアップ丼


人の心が分かる素敵な先生とちょっぴり不良な少年の物語でした。

イライラしているのは腹が減っているからだと上じいが三好と玉子丼を最初に食べに行くシーンがありますが、無理に三好の家庭環境に踏み込んだりしようとしない上じいは本当に素敵な先生だと思いました。

ラストシーンで上じいが亡くなってしまっていたシーンは予想ができていたにも関わらず思わず泣いてしまいました。

上じいは最後の最後まで三好と一緒に玉子丼を食べられることを楽しみに頑張っていたんだろうな。

三好はこれから上じいとは一緒に玉子丼は食べられなくなってしまったけど、毎月24日には上じいのことを思い出しながら玉子丼を食べ続けるんだろうな…。

人と人が分かりあうのには無理に言葉を交わす必要はないということが分かる作品でした。





ファーストラブ


男同士の友情を感じる物語でした。

小学生のころなどは男友達とよく遊んでいましたが、年をとるにつれて友人と遊ぶ回数が減ってきた気がするのでこんな風に遊べるのは羨ましいなと思いました。

女性とデートするのも楽しいですが、男同士ならではの気をつかう必要がない感じなんかがいいですよね。

私ももうおっさんだけど男友達と遊園地行ったり、温泉行ったり何の気も使わずに久しぶりに遊びたいなと思わされました。

最後、宝田は転校していきますが二人にとってこの一日は本当に思い出深い日になったと思います。

そのため、いつか久しぶりに再会したときはまたこんな風に遊んでいる姿が想像できますね。


ドッグシェア


犬をきっかけに年の離れた男女が少しずつ仲良くなっていく作品でした。

何か共通のものがきっかけで仲良くなるのっていいですね。

きっとその人と共通のものの話題をしているときは最高に楽しいんでしょうね。

私も本について遠慮なく話せる友人がほしいと思ってしまいました。

物語に関しては犬に中華料理をあげたり、そんなのやったらダメなことが大学生になっても分からないのなどと突っ込みたくなる部分はあったものの素敵な物語でした。


デートまでの道のり


父子家庭の父親に恋する保育士とその息子の物語でした。

子どもって何も分かっていないように見えて、実際は大人よりも周りのことが見えていますよね。

カンちゃんの父のために祥子先生の様子を伺っている姿がすごくかわいかったです。

この物語では、子どもたちが親のために歌やダンスを覚えたりしていますが、祥子先生が思っているように子どもが次から次へと親のために色々と覚えないとダメなのは大変そうな気もしますね。

ただ、小さいうちから色々と経験させたい気持ちも分かるのでこういう教育がいいのかもっと伸び伸び育てたほうがいいのか悩ましいところです。


祥子先生のように保育士の先生が父子家庭や母子家庭の親に対して恋愛感情を抱くのってよくあることなのかな?

もし付き合い始めたりしたら職場にいづらそうな気がしますね(笑)



まとめ


『おしまいのデート』は瀬尾まいこさんらしい素敵な作品でした。

どの物語も面白かったのですが、個人的には『ランクアップ丼』が一番好きです。

一篇30ページほどですぐ読めるので興味を持った人はぜひ読んでみてください。





PXL_20210530_044131740

瀬尾まいこさんの『あと少し、もう少し』を読みました。

中学駅伝をテーマに描かれている作品で、思春期の複雑な精神状態や人間関係を描いている小説でした。

読了後は、もう一度自分もこんな青春を過ごしたいと思うようなさわやかな気分になりました。

以下、あらすじと感想になります。




『あと少し、もう少し』のあらすじ


駅伝で毎年県大会に出場していた中学校で部長の桝井が三年生になった春、陸上部の名物顧問が移動になった。

代わりにやって来た顧問は、これまで運動経験がない美術教師である上原だった。

上原が頼りないと感じていた、桝井は自ら中学最後の駅伝大会に向けて部活関係なしで駅伝に向いているメンバーを募り練習を始めるが…。

駅伝のメンバーは、元いじめられっ子で陸上部の設楽、不良-授業をまともに受けない大田、足は速くはないが頼みを断れないジロー、プライドの高い吹奏楽部の渡部、陸上部の後輩の俊介、そして部長の桝井だ。

寄せ集めの六人は県大会を目指して、襷をつなぐ。

それぞれが、あと少し、もう少し、みんなと走りたいという意思を持ちながら襷をつなぐ姿に涙が止まらなくなること間違いなしの青春駅伝小説。



感想(ネタバレあり)



駅伝というスポーツの見方


駅伝と言えば箱根駅伝やニューイヤー駅伝などがテレビで放送されたりしていますが、これまで私はこれの駅伝を流し見する程度で真剣に見たことがありませんでした。

そんな駅伝に興味のなかった人間からしてみたら、駅伝は複数人で襷をつなぐだけであとは個々人で走るため団体競技というよりは個人競技という印象が強かったです。

しかし、『あと少し、もう少し』を読んでみて駅伝に対する理解が大きく変わりました。

駅伝では、区間ごとに走っている人間は一人かもしれませんが、各区間の走者は、チーム全員の気持ちを持ちながら走り、そして自分の想いをのせて襷をつないでいるんだということを本作から学ぶことができました。

本作は、各章で一人の走者に視点をあてながら物語を描いていましたが、物語のはじまりは襷を受け取るシーンで始まり、終わりは襷を繋ぐシーンで終わります。

各人物の想いが襷に乗っていることが分かり毎章、冒頭と末尾では泣いてしまいました。


この作品を読んだことがきっかけで今まで真剣に見たことがなかった駅伝を真剣に見てみたいと思いました。


メンバーの魅力


本作に登場する駅伝のメンバーは全員魅力的でした。

第一走者である設楽は、これまでプレッシャーをかけられないと速く走ることができなかったです。

しかし、この駅伝をきっかけにプレッシャーをかけられて無理に走るのではなく、期待されていることで頑張ろうという気持ちが芽生え成長していきます。


第二走者である大田は、努力してもできないことを恥ずかしく思い、最初から頑張ることを放棄した結果、不良になってしまいました。

この不良になったきっかけは中学生の心情を上手に描いているなと思いました。実際に大田のような理由で勉強をあきらめた人は多い気がします。

それでも、駅伝を走ることで努力することは恥ずかしいことではないということに気が付き努力している姿にとても感動しました。


第三走者であるジローは、家族の影響もあり周りに頼まれたらどんなことでも断れない人物でした。

最初は桝井がメンバーを集めるために頼みを断ることができないジローをメンバーに選んだのかと思っていましたが、実際はジローのようなムードメーカーが団体競技では大切なので選ばれていたのでした。

壮行会でジローが大田を怒るシーンでは、ジローの責任感の強さを感じることができジローかっこいいなと感じました。


第四走者である渡部は、一見いけ好かないやつのようにも見えます。

しかし実際は、両親がいなく祖母に育てられたという理由だけで周りにできない人間だと思われたくないために、どんなことにでも全力を尽くす努力家の人間でした。

作中で上原も渡部のことを一番中学生らしいと言っていますが、それに対してすごく共感できました。

周りと違うなど些細な理由でいじめなどに発展する中学社会でみんなと変わらないように生活したいという渡部の想いは全てのメンバーの中で最も中学生らしかったです。

個人的には全てのメンバーの中で渡部が一番好きです。


第五走者である俊介は、唯一中学二年生で後輩という立場でした。

俊介は桝井に対して尊敬だけではなく、恋愛感情のような特別な思いを持っていました。直接的には描かれていませんが、現代を考慮した少し他とは違うという人物を上手に描いていたなと感じました。

他とは違うという風に見られたくない、渡部と俊介の絡みは、読んでいて色々と考えさせられるものがありました。


第六走者である桝井は、行動力がある部長に適任という人物でした。

しかし、桝井は終始走りに関しては昔のようにうまく走ることができないという不調を抱えていました。

終盤でその不調は病気が原因だと分かりましたが、周りに相談することができず一人で悩みを抱え続けてしまいます。

そんな悩みを抱える桝井を他のメンバーが支えようとしていたシーンは、私自身にもしっかりした人物も悩みを抱えているかもしれないため、支える必要があるということを実感させられました。


顧問の上原について


新しく陸上部に就任した上原は、駅伝の練習が始まったときにはかなり頼りない顧問だという印象が強かったです。

中学の部活といえば土日に練習がある部活も多いがそれに不満を言ったり、掛け声は「がんばれ」の一つだったり、正直陸上部の顧問が務まるとは思えませんでした。

しかし、熱血教師ではない上原は人間的としてすごく魅力的だなと私は思いました。

部活がすべてだという教師は個人的な意見になりますが、生徒個人個人を見る力があまり強くない印象があります。

しかし、上原は生徒一人一人に対して教師という立場ではなく人間として向き合っていました。

教師と生徒の関係ではなく、同じ人間同士という関係を作ることができる上原を見ていてこんな先生が自分の近くにいてほしかったなと感じました。

この上原の人間性は、最後の桝井を応援しながら涙を流しているという場面で顕著に表れています。

駅伝メンバーと同じ熱量で仲間になることができている理想の教師だど思います。



まとめ


中学駅伝を通して仲間が繋がっていく様子を感じることができ、感動することができる作品でした。

陸上経験がない方や、私のように駅伝を見たことがないという人でも楽しめる作品ですので未読の方はぜひ読んでみてください。

また、本作のスピンオフ作品として第二区で走っていた不良の大田君を描いている、『君が夏を走らせる』という作品もお勧めですのでぜひこちらもセットで読んでみてください。










PXL_20210508_053434563


瀬尾まいこさんの坊ちゃん文学賞を受賞したデビュー作である卵の緒を読みました。

本書には中編である『卵の緒』と『7's blood』の2編が収録されており、どちらとも家族愛が描かれている作品でした。

以下、あらすじと感想になります。



あらすじ


僕は捨て子だ。

なぜ僕がそう思うかって?

それはお母さんが僕にへその緒を見せてくれないからだ。

お母さんは僕を卵で産んだというが、僕は人間は卵から生まれないことを知っている。


これは、小学生の育生の目を通して親子の絆の強さを描く物語だ。



『卵の緒』の感想(ネタバレあり)


育生は論理的に順序立てて物事を考えたい、すごく真面目な小学生です。

一方、母は育生と違って感性を大切にする直感重視の人間です。

この二人の性格は正反対のため一見親子としては、相性があまり良くなさそうという印象があります。

しかし、二人の掛け合いを読んでいると違和感を感じないどころか、人の性格ってそれぞれ違うけどそれでも仲良くやっていけるんだなということが分かり心がほっこりしてきます。


この物語では、「実の子」ではない育生、「不登校」の池内君、「再婚」する母と朝ちゃんといった物語によっては負のイメージが強い登場人物ばかりが現れます。

けれども、彼らはこれらのことを前向きにとらえていて明るさを持っているため本作は明るい作品として仕上がっています。

小学生ながら育生のように自分が実の子ではないと分かったら、自分が実の子ではないことに怒りを感じてしまいそうですが、育生は母がその事実を自分に言わないことに怒りを感じてしまいます。

このことから育生って本当に母のことが大好きなんだなということが伝わり心をほっこりさせられました。


また、ラストシーンでは母と朝ちゃんの間に子どもが生まれ、育生に妹ができます。

この妹は育生とは血のつながりはありませんが、育生が卵の殻を子どもに見立てて大切にするシーンから、家族の絆に血のつながりは必ずしも必要ではないということが分かります。



最後の育生が、

そして、親子の絆はへその緒でも卵の殻でもないことが分かった。それはもっと、掴みどころがなくとても確かなもの。だいたい大切なものはみんなそうだ。

と語っているラストからも素敵な親子の絆を感じることができ心が温かくなりました。



『7's blood』の感想(ネタバレあり)


こちらは、異母兄弟である姉と弟の物語です。

『卵の緒』が親子の絆を重視していた作品であるなら、こちらは兄弟の絆に着目している作品です。

初めて七生が七子の家に来た時、彼は七子たちから嫌われてしまえば家を追い出されると思っており、どこかよそよそしい感じの雰囲気でした。

しかし、物語が進むにつれて七生と七子の二人がそれぞれの想いをぶつけるようになり、次第に二人の距離は縮まっていきます。

本作の見どころで一緒に七生が買ってきたケーキを食べるシーンなどがありますが、個人的には別れる直前のお互いの髪を切りあうシーンが大好きです。

出会った当初の二人だったらお互いの髪を切りあうなんてありえないことだったけど、一年たった今では二人が本当の家族であるということを再認識させられるシーンで読んでいて泣いてしまいました。


ラストでは、二人はお互いに二度と会うことはないと悟っているが、それを直接口にはだしません。

遠く離れていても一年間の思い出と血のつながりは存在していたので、二人はいつでもつながっているという兄弟愛を感じさせられました。



まとめ


『卵の緒』と『7's blood』は違った形の家族愛を描いていましたがどちらの作品も良かったです。

人と人のつながりって大切なんだなと改めて認識させられました。

本作を読んで他の瀬尾まいこさんの作品を読んだことがない方は、ぜひそちらも読んでみてください。










PXL_20210227_032531375


瀬尾まいこさんの『君が夏を走らせる』を読みました。

たった一ヶ月の短い夏を描いている作品ですが、二歳に満たない鈴香と高校生の大田君の成長を見ることができ、読んでいるだけで癒されるし、ところどころ感動するシーンもある良作でした。

以下、あらすじと感想になります。



『君が夏を走らせる』のあらすじ


中学三年生のころ駅伝に出場して以来、何かに夢中になることの楽しさをしった大田。

高校生になったら不良をやめて堅実に生きようと思っていた矢先、大田は目指していた高校の受験に失敗し、地域の不良が集まる学校に進学することになった。

周りとの温度の違いもあり、大田は徐々に高校から足が遠のいていった。

新しく夢中になることができるものを見つけることができず、日々をやり過ごしていた大田のもとに、中学のときに仲良くしていた先輩から一本の電話が入った。

その電話の内容は、妻が入院することになったので一ヶ月ほど、一歳の娘である鈴香の子守をしてくれないかというものだった。

高校生の自分が人の子守なんてすることができないと思った大田は、先輩からの頼みを断ろうとしたが、断り切れず一か月の子守を引き受けることにした。

子守を初めたはいいが、鈴香は泣き止まないし、ご飯も大人しく食べてくれない。

小さな鈴香に振り回された大田は、振り回されながらも鈴香とともに過ごす時間を幸せに過ごし、徐々に何かに夢中になるということを思いだすことになる。

二度と戻らぬ記憶に温かい、涙あふれるひと夏の奮闘記。



感想(ネタバレあり)


鈴香ちゃんと大田君の成長を描いているとても良い作品でした。

鈴香ちゃんの世話を頼まれたばかりの頃の大田君は、断り切れなくてしかたなく世話をしてあげている感がすごく強かったです。しかし、時間がたつにつれて鈴香ちゃんとともに過ごすことの楽しさを知った大田君を見ていると心がほっかりしました。

二人が仲良くなるにつれて別れの時が少しずつ迫っている様子が切なく感じました。

もちろん鈴香は先輩の娘なので二度と会えなくなるというわけではないのですが、二人で今までのような濃密な時間を過ごすことはもうないんでしょうね…。


大田君の成長


私は『君が夏を走らせる』のテーマは”成長”だと思っています。

一方大田君は、高校受験に失敗してしまい、物語の序盤では自分が成長することはないと感じながら自堕落な生活を送っていて、自分が成長することはできないと思い込んでいるような様子でした。

しかし、鈴香との出会いをきっかけに大田君は、どんな経験からでも人は成長できるということをしります。

  • 大田君が話しているのを聞いて「すげー」という言葉を使えるようになる
  • 大田君のまねをしておもちゃのフライパンで料理をする
  • 大田君が買ってきてくれた積み木で遊ぶ鈴香

鈴香は、まだ二歳なのでどんな些細な経験でもすべてを糧にして成長していきます。
その様は、大田君を通して学習をしているとも言えます。

そんな鈴香の成長を見てきた大田君はラストシーンで以下のように思います。

記憶のどこにも残っちゃいないけれど、俺にも鈴香と同じように、すべてが光り輝いて見えたときがあったのだ。もちろん、今だってすべてが光を失っているわけじゃない。こんなふうに俺に「がんばって」と声を送ってくれるやつがいるのだから。俺はまだ十六歳だ。「もう十分」なんて、言ってる場合じゃない。
『君が夏を走らせる』より

上記の大田君の想いから、大田君が閉じこもっていた殻をやぶって、これからも成長していくだろうということが分かりますね。





子育ての難しさ


大田君が鈴香に苦戦する様子や公園で出会ったママさんたちの様子を見ていると、子育てって大変なんだなと感じました。

それと同時に子育てには、子どもに好きなことをさせてあげることと、親が子どもが学ぶことができる環境を整えてあげることが大切なんだと本作から学びました。

大田君は基本的には鈴香ちゃんのしたいことに対して否定することはなく、適切な遊び方で遊ばせてあげていました。

また、大田君と鈴香ちゃんの様子を見ていると将来自分に子どもができたら、レトルト食品ばかり与えるのではなく、大田君のように子どもが満足するような料理を作ってあげたいなとも感じました。

その他にも鈴香ちゃんは昼食後必ず大田君に買ってきてもらった絵本を読んでもらうのが習慣だという場面がありました。

このシーンを読んで子どもが自ら絵本を読んでもらいだがるような環境を作りが必要だと感じさせられました。

とりあえず、将来子育てをするときは大田君の子育てを参考にすればなかなか良い子が育つような気がしました。



まとめ


『そして、バトンは渡された』を読んだことをきっかけに『君が夏を走らせる』を読みましたがとても面白く大満足でした。

大田君や鈴香のように常に自分は成長することができるということを忘れずに今後の人生を歩んでいきたいです。

余談になりますが、あとがきで、本作には『あと少し、もう少し』という前作があったということを知りました。

こちらでは、中学時代の駅伝のときの大田君の様子などを描いているみたいなので是非読んでみようと思います。






PXL_20210221_023209166.MP_1


本屋大賞受賞作である瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』 を読みました。

最初は、主人公の親が何度も変わっているということで鬱系な感じの小説を予想していたのですが、読み終わってみるととてもすっきりした作品で、爽やかな気持ちになることができました。

以下、あらすじと感想を書いていきます。



『そして、バトンは渡された』のあらすじ


幼いころに母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ森宮優子。

その後も大人の都合に振り回され、優子は3人の父と2人の母を持つ女の子だ。

何度も住む場所や名字が変わり、高校生の今は、20歳しか離れていない、血のつながっていない"父"である森宮さんと一緒に暮らしている。

優子は、そんな複雑な家庭環境であるにも関わらず、健気で強い女の子だ。学校の先生などからは、家庭のことを気にされるが、彼女は気を使われることに困った様子を見せる。

なぜなら、血のつながらない親の間をリレーされながらも出会う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきたため、家庭環境で困ったことがないからだ。

そんな優子自身についに伴侶を持つときが来た…。

優子の成長を描く中で、彼女の過去の回想がつづられる愛にあふれた家族小説。



感想(ネタバレあり)


読了後とりあえず感じたことは、
  • 森宮さんみたいな父親がほしい!
  • 森宮さんかっこよすぎる!
  • 優子のような幸せな人生が送れるならたくさんの親がいるということも悪いことではないかも!

ということでした(笑)

『そして、バトンは渡された』を読む前は、本屋大賞のほんだけどそこまで面白い」のかなと疑問に思っていました。

しかし、読了後は、こんな作品を発売してから1年以上読んでいなかったなんてどんだけもったいないことをしていたんだと感じさせられました。

瀬尾まいこさんの作品もいままで一度も読んだことがなかったのですが、『そして、バトンは渡された』をきっかけに他の作品も読んでみたいと思いました。


森宮さんと優子のW主人公


「そして、バトンは渡された」は優子と森宮さんのW主人公で描かれている作品です。

第一章では、大人の都合で振り回される優子が主役で、第二章では、娘を送り出す森宮さんが主役となっています。

W主人公の作品として書かれているのは、分かるのですが男性の私からしてみたら優子より森宮さんの方が主役という感じが強いような気がします。

森宮さんは、梨花さんとの結婚を機会に優子を娘として迎えます。自分が優子の本当の父親ではないけど、優子に父として認めてもらえるように本当の父親以上に父親らしくしようとします。

父親らしくしようとして、朝からかつ丼を作ったりなど少し空回りしている感じもありますが、優子と森宮さんの関係は、本当の家族以上に理想の家族なんだなという感じがします。

血がつながっていないからこそ、少しお互いに気を使いあうため、優子と森宮さんは良い距離感を保てているのかなと思います。

血がつながっている家族だといっても、お互いのことを完璧に分かりあうことはできないので少し距離感があるぐらいがもしかしたら理想の家族なのかもしれませんね。


第二章で森宮さんだけが、早瀬君と優子の結婚をなかなか認めないあたりも、森宮さんが優子の将来を本当に心配していることが分かりけっこうエモいです。

ラストシーンの優子がバージンロードを一緒に歩く相手に森宮さんを選んだときは、優子と森宮さんの信頼関係が分かりむちゃくちゃ泣いてしまいました。





たくさんいる優子の父と母


優子にはたくさんの父と母がいますが、全ての父と母に愛されている優子がすごく羨ましいです。

『そして、バトンは渡された』を読むまでは、再婚などがきっかけで義父や義母が増えることに関してマイナスのイメージしかありませんでした。

しかし、本作を読んでみんながみんな義父や義母が増えることにマイナスのイメージを持っているわけではないということが分かりよかったです。

優子の父と母で一番好きなのはもちろん森宮さんなのですが、私が二番目に素敵な人だなと思ったのは梨花さんです。

梨花さんは、優子と離れたくない一心で水戸さん(優子の実の父)からの手紙を優子に渡さないなどのマイナスのシーンもありましたが、それも優子を想う愛情故です。

個人的な偏見になりますが、今まで義母って血のつながっていない娘のことを邪魔に思うものだと思っていました。(グリム童話の読みすぎが原因かも…)

しかし、梨花さんそんな私のイメージを覆す良い母でした。

優子にピアノを弾かせたい一心で泉ヶ原さんと結婚したり、自分が病気になり優子を育てることができなくなると自分の代わりに優子を大切にしてくれる森宮さんを探したりして、梨花さんが自分の人生以上に優子のことを大切に思っていることが分かりました。

梨花さんや森宮さんを見ていると家族関係は血のつながりなんかより、相手のことをどれだけ大切に思っているかどうかということが大切であると分かりますね。



まとめ


『そして、バトンは渡された』は、『家族』というテーマをすごく上手に描いている作品ですごく面白かったです。

登場人物みんながいい人であり優子を大切に思っているので、終始涙が止まらない作品でした。

読了後はきっと、皆さん幸せな気持ちで胸がいっぱいになると思いますので未読の方がぜひ読んでみてください。

優子の人生を知って、皆で幸せを共感していきましょう。








↑このページのトップヘ